オレ流“非情さい配”で悲願達成!落合竜53年ぶり日本一!

2007-11-02 | 相撲・野球・・・など

(サンケイスポーツ - 11月02日 08:02) 

 (日本シリーズ第5戦、中日1-0日本ハム、中日4勝1敗、1日、ナゴヤドーム)オレ流の非情さい配で勝ちきった。中日が日本ハムを1-0で下し、4勝1敗で1954年以来53年ぶり2度目の日本一に輝いた。中日・落合博満監督(53)は、完全試合目前の山井大介投手(29)を八回終了で降板させ、岩瀬とのパーフェクトリレーで悲願を達成した。

 4度、宙に舞った。53年ぶりの日本一。歓喜の本拠地胴上げ。「感無量です。この4年間長かった」。そう言った声が震え、目が潤んだ。落合博満、監督就任4年目、シリーズ挑戦3度目で悲願の頂点。勝つために心を鬼にした非情さい配もまた、オレ流だ。

 「私も、記憶にありません。2人でパーフェクトなんて…。それだけ山井が、きょうは完ぺきでした。まさか、あそこまで放ってくれるとは…」

 虎の子の1点を背負って先発・山井が快刀乱麻。一人の走者も出さないパーフェクトピッチに、3万8118観衆が地鳴りのような声援を送った。日本一に、史上初となる日本シリーズでの完全試合達成で花を添えるか-。八回の攻撃が終わると『山井コール』の大合唱が起こり、前人未踏の大偉業へ期待が膨らんだ。

 ところが次の瞬間、白球を両手で握り締めた森バッテリーチーフコーチがマウンドへと向かう。落合監督が柳田球審のもとへ歩み寄る。な、なんと山井の降板、岩瀬へのスイッチだ。ナゴヤドームの大型ビジョンに『Fire Man』(火消し)の文字が出ると、この夜ばかりは悲鳴とどよめきが起きた。

 「続投はさせたかった。幸か不幸か『ここでいっぱい』と山井が言った。だから、代えることに戸惑いはなかった」。非情のさい配を指揮官はそう振り返る。07年の集大成。個人記録より、チームの勝利をより確実にするのが最優先。その期待通り、岩瀬は九回を3人で締め、シリーズ史上初となる2人の投手による“完全リレー”が完成した。

 レギュラーシーズンは2位。「90%以上の確率」と自信を持っていたセ・リーグ連覇を逃した。その屈辱が、丸刈り姿と「目の前の一戦に勝つことだけを考える」という、これまでとは違うさい配を生んだ。「リーグ優勝をしてないんだから、勝たなければ出た意味がない」と言い切ったクライマックスシリーズという“敗者復活戦”を経て、史上初めてリーグ覇者ではない日本シリーズ王者が誕生した。

 「(選手は)よくここまで耐えて、精神的に強くなった。でも、まだペナントに勝って連覇という課題が残っている」。来季は2年契約の2年目。情や空気に流されず冷静に状況を見詰める目が、さらに要求される。その上で今度こそ、文句なしの完全制覇。半世紀以上ものジンクスを破った53歳の名将が、進化を遂げたさい配で突き進む。


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