重大事件審理、相次ぐ見通し=連続不審死、英女性殺害―今年の裁判員裁判
時事ドットコム 2011年01月10日
裁判員裁判は制度導入から3年目となる今年も、死刑求刑の可能性がある重大事件や状況証拠で事実認定を迫られる殺人事件の審理が相次ぐ。裁判員法で定めた制度見直しの検討を来年に控え、課題を見据える重要な年となりそうだ。
鳥取連続不審死事件で、男性2人に対する強盗殺人などの罪で起訴された上田美由紀被告(37)。被告側は鳥取地裁の公判前整理手続きで全面否認の意向を示した。検察側は、被告が所持した睡眠導入剤と同成分のものが2人から検出された点や事件前後の行動などの間接証拠を基に立証するとみられる。今秋までには公判を開く方向で手続きを進めている。
首都圏連続不審死事件で殺人罪に問われた木嶋佳苗被告(36)は、最初に起訴されたさいたま地裁で一括審理される見方が有力だが、公判予定のめどは立っていない。
英女性殺害事件で殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた市橋達也被告(32)は、千葉地裁で3月までに公判期日が決まる見通しだ。被告側は殺意がなかったと主張。一方、英国の父親が被害者参加制度の申し立てをしているという。
大阪市で15人が死傷したパチンコ店放火殺人で、高見素直被告(43)は起訴前の精神鑑定で統合失調症とされた。検察と弁護側が別々に推薦した鑑定人が再鑑定を行っており、大阪地裁は9月に公判を開く予定で手続きを進めている。
このほか、5年余りの間に元暴力団員や自衛官ら3人を殺害したとして起訴された菅田伸也被告(32)は1件を認め、2件で殺害を否認。仙台地裁は3事件で別々の裁判員を選任する区分審理を決めた。
川崎市でアパートの大家と弟夫妻を殺害した事件で起訴された津田寿美年被告(59)。横浜地裁が昨年7月に精神鑑定を決めたが、公判期日の見通しは立っていない。(了)[時事通信社]
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「洗濯機がうるさい」と男が大家ら3人刺殺
スポーツ報知 2009年5月31日06時02分
送検される津田寿美年容疑者=青山謙太郎撮影(読売新聞)
神奈川県警幸署は30日、川崎市幸区のアパートで大家の男性と弟夫婦の3人を刺殺した殺人未遂の容疑で、住人の男(57)を現行犯逮捕した。調べに対し、男は「洗濯機やドアの音がうるさかった」と動機を供述している。
休日でにぎわうJR川崎駅直結のショッピングモール「ラゾーナ川崎」から、北西へわずか約300メートルの地点。商店街の片隅にある木造アパートで3人は殺害された。
幸署によると、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職・津田寿美年容疑者は30日午前6時50分頃、居住する川崎市幸区中幸町のアパート「幸栄荘」1階で大家の柴田昭仁さん(73)とアパートに住む弟の嘉晃さん(71)、嘉晃さんの妻・敏子さん(68)の3人を柳刃包丁で刺した疑い。
同容疑者は逮捕時、泥酔状態で自室の畳に凶器とみられる刃渡り約20センチの包丁を突き刺して座っていた。嘉晃さんと敏子さんはそれぞれ窓際で横向きになって倒れ、昭仁さんはアパート前であおむけで倒れていた。昭仁さんの次女(39)が3人が刺されているの発見し、110番。3人は搬送先の病院で死亡が確認されたため、同署は殺人容疑に切り替えた。
津田容疑者は、昭仁さんの自宅に隣接するアパート1階の家賃3万円の角部屋に5年前から入居。同じ1階の2部屋に嘉晃さん夫妻が住んでいた。同署によると、津田容疑者は「柴田さん一家に長年の恨みがあったので刺した」と容疑を認めている。
同署や近隣住民によると、津田容疑者は隣室に住む嘉晃さん夫妻について数か月前から「未明から洗濯機を回してうるさい。不眠症になっている。洗濯機に穴を開けてやる」「ドアを閉める音がうるさい」などと不満を漏らしていた。階段の上り下りなどの生活音をめぐって夫妻と口論になることも多かった。さらに「アパートの家賃を滞納して(昭仁さんに)注意された」「小言を言われてうるさい」とも話していた。「嘉晃さんから『(自分が)大家の弟ってことを忘れているだろ』と言われて怒っていた」との証言もある。
「右腕に入れ墨があるから、近所でも怖がられていた」(商店街の住民)という津田容疑者は酒に酔ってトラブルを起こすこともあったようで、ある男性は「知り合いが頭突きされたことがある。近寄りがたい感じだった」と話す。前日29日夜も行きつけの飲食店で昭仁さんらへの不満を漏らしていたという。
(2009年5月31日06時02分 スポーツ報知)
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