「スズキ」とドイツ自動車最大手「VW」、資本・業務提携で基本合意

2009-12-09 | 社会

<スズキ>VWと提携合意 世界最大グループに
(毎日新聞 - 12月09日 20:53)
 スズキとドイツ自動車最大手、フォルクスワーゲン(VW)は9日、資本・業務提携で基本合意したと発表した。VWが2200億円余を投じて来年1月をメドにスズキの株式19.9%(議決権ベース)を取得、筆頭株主となる。スズキも約1000億円でVW株2.5%前後を取得し、資本を持ち合う。スズキはVWから電気自動車(EV)など環境対応車(エコカー)の技術供与を受ける一方、VWはスズキが強みを持つインドの事業基盤などを活用し、世界販売拡大を狙う。
 相互出資やハイブリッド車などエコカーの共同開発のほか、部品の共通化や海外販売でも協力する。また役員は派遣しないが、両本社に提携事務所を設置する。
 世界販売でVWは3位、スズキは9位。08年の合計の販売台数は約861万台と、首位のトヨタ自動車(897万台、日野自動車、ダイハツ工業を含む)に次ぐ規模だが、09年は中国やインドでの販売増を背景にトヨタを上回り首位になる見通し。自動車業界では三菱自動車とフランスのプジョー・シトロエン・グループ(PSA)も資本提携交渉をしているが、世界最大の自動車グループの誕生は再編を加速させ、業界の勢力図を塗り替える可能性も秘めている。
 スズキの鈴木修会長兼社長と、VWのビンターコルン会長が9日夕、東京都内で提携を発表。鈴木会長は「環境技術や車体軽量化などで遅れたマイナスをカバーするため、提携を決意した」と語った。 資本提携はスズキが米ゼネラル・モーターズ(GM)との資本提携解消に伴い取得していた自己株式(1億795万株)をVWに割り当てる形で実施。割当価格は1株2061円で、VWの取得価格は約2224億円となる。スズキは調達した資金のうち約1224億円を環境技術の研究・開発に活用。残りの1000億円は有利子負債削減に回す方針だ。【大久保渉】
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【スズキ・VW会見】「うちはへぼではない」鈴木会長
産経ニュース2009.12.9 19:25
--スズキにとって、提携による新興国でのメリットは
・鈴木氏「大量生産や販売のメリットが出る。その中でも部品の共通化をしていくことが大切。インドでVWと競争相手になるのじゃないかという話もあるが、互いに競争していかなければならない。しかし、半面では協調する。競争しない市場に発展はない。部品などについては協調し、ビジネス全体では競争する」
--鈴木会長はこれまでマスコミに対し、VWとの交渉を否定していたが
・鈴木氏「話し合いがまとまっていない、VW側とお会いをしただけの段階で、公表することはできない。ゴールが見える時点で、初めて公表できるといっていることだ。首相が国会の解散権を行使するときは嘘をついていいといわれている。それと同じだ」
--スズキのインド子会社の提携に対する反応は
・鈴木氏「今、説明する必要はない。VWからインドについての申し入れがないのに、あわてる必要はない。競争しながら協調していく。その技術を、今までの経験をいかしながらうまくやっていけると自信を持っている」
--スズキの社長は、今後、ずっと日本人か
・鈴木氏「(記者は)勘違いしていらっしゃるのでは。スズキはVWの12番目のブランドになったわけではない。あくまでイコール・パートナーとしてやっていく。ドイツから経営者を迎えなければならないほど、うちはへぼでない」
--交渉はどれくらい時間がかかったのか。また、VWがスズキを子会社化することを視野に入れているという報道もある
・鈴木氏「9月下旬から10月、11月にかけて急ピッチに話し合いが進んだ。ヴィンターコルンさんが11月に浜松においでになり、工場にも来ていただいた。トップに見ていただくのが決定が速い。そのへんから進んだ。子会社化については、基本契約書にはそういうことは書いていない。また後継者についてだが、今は50年前と違い、(経営者の)年齢は7掛けで考えるのが正しいと思う。私は81歳だから、7がけで56歳。これからも元気でやればいいのでは」
--日産自動車とのOEMなどはまだ続けるのか。また、買う株は優先株なのか普通株なのか
・鈴木氏「日産などは国内用の軽自動車なので、そのまま続けても問題ない」
・ヴィンターコルン氏「株主は、優先株かどうか、どの株を買うのかは鈴木さんに任せたい」
--今後、VWは出資比率を上げるのか
・鈴木氏「そういう話が出るのは経営状態が悪化したときだ。利益を上げ、健全経営にしてくことが大切だ。指導いただくところは指導していただくが、自主独立でやっていく気概が必要だ。私もあと20年はいる。見届けてほしい」
・ヴィンターコルン氏「鈴木会長がすべてクリアにおっしゃった。補足することはない」
--世界最大の台数になるが、そのスケールメリットは。また、部品共通化の具体的可能性について
・鈴木氏「部品については、技術屋同士が会うと、それぞれ自分のところがいいという。しかし、成長経済でないこれからは、そんなわがままなことは言っていられない。これからは品質、コスト面などでの評価を重視しなければならないし、地域によって品質を変えなければならない。そういったことは、台数に関係がない」
・ヴィンターコルン氏「(トヨタを抜くことにについて)私たちの目標は、世界でナンバー1になることだ。スズキさんの協力で加速できると思う」
--これまでの米GMとの提携ともっとも違う点は
・鈴木氏「一番違うのは、GMとは車が競合しなかったことだ。VWとは似ている部分がある。ただ、それによって部品を共通化しやすいといったメリットがある」


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