佐世保高1殺害事件 少女の医療少年院送致決定 2015.7.13/ 想起される故山地悠紀夫死刑囚…来栖の独白

2015-07-13 | 少年 社会

佐世保・高1殺害:少女の医療少年院送致を決定…長崎家裁
毎日新聞 2015年07月13日 14時40分(最終更新 07月13日 19時22分)
 長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人と死体損壊、窃盗、父親への殺人未遂の非行内容で家裁送致された少女(16)に対し、長崎家裁は13日、第3種(医療)少年院送致とする保護処分の決定を出した。平井健一郎裁判長は「刑罰による(再犯)抑止は効果がない。少女の特性に応じた長期間の矯正教育と医療支援で、矯正の可能性は残されている」と理由を述べた。少女側が抗告しなければ決定は確定し、事件は司法手続きを終える。
 事件当時、少女が少年法で原則検察官送致(逆送)される16歳の数日前だったことから、更生を主体とした少年院送致などの保護処分か、刑事処分相当として逆送するか、判断が注目された。
 審判は非公開で実施された。決定は少女の精神障害は認めなかったが、他者との共感性が欠如した重度の発達障害自閉症スペクトラム障害(ASD)や素行障害と認定。小学5年の下校途中に猫の死体を見かけて興味を持ち、猫を殺すようになってから、殺人欲求を抱くようになったとした。中学3年だった2014年3月に父親を殺害しようとしたが失敗。16歳を超えると刑事罰を受ける可能性が高くなることを知り、殺人や遺体の解体を実行することを決意したという。
 これらの経緯について「ASDが非行に直結したわけでなく、環境的要因も影響している」とした上で、平井裁判長は「快楽殺人であり、残虐さや非人間性には戦慄(せんりつ)を禁じ得ない」と指摘した。一方で、少女がいまだに殺人要求を抱き続けているとしながらも「謝罪の言葉を述べるなど変化の兆しはみられる」と述べた。
 少女は小学6年生の時には同級生の給食に漂白剤などを混入して問題となった。決定はこの問題にも触れ「適切な保護や対応がなされず、自身の特異な関心を隠すようになった」と指摘した。
 非行内容は、14年7月26日夜、佐世保市の自宅マンションで、女子生徒(当時15歳)の後頭部をハンマーで多数回殴り、首をタオルなどで締めて殺害し、遺体の一部を刃物で切断。女子生徒の財布から現金を盗んだ。また、同年3月2日夜、同市の実家で父親の頭をバットで殴り、殺害しようとしたとしている。
 少女の付添人弁護士によると、少女は審判で、非行内容を全て認めていた。長崎地検は昨年8月から約5カ月間、精神鑑定で責任能力の有無を調べるための鑑定留置を実施し「刑事処分相当」の意見を付けて家裁送致。家裁も今年2月の第1回審判後、約4カ月間鑑定留置していた。【竹内麻子、鈴木一生】
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〈来栖の独白 2015.7.13 Mon.〉
 家裁の決定を評価したい。ただ、少女の矯正、更生は困難で遠く長い道程を要するだろう。
 本決定を受け、想起されるのは、故山地悠紀夫死刑囚である。以下、山地悠紀夫死刑囚の事件から死刑執行までの時系列。
 1. 2000年7月29日 母親を金属バットで殺害。16歳。中等少年院送致。
 2. 2004年3月 更生を終えたとして、本退院。
 3. 2005年11月17日(=本退院から1年半後) 大阪で27歳と19歳の姉妹を殺害・強姦。
 4. 2006年12月 大阪地裁 死刑判決
 5. 2007年5月 本人が控訴を取り下げ、確定
 6. 2009年7月28日 死刑執行
 大阪事件(2005年11月17日)の報道に接し、戦慄が走ったのは、家裁調査官や少年院で矯正にあたった職員たちであったに違いない。当時まだ鑑別所でも、「アスペルガー症候群」とか人格障害、愛着障害、発達障害といったものへの認識が進んでいなかったのではないか。
 上記事(佐世保高1女子殺害事件)の少女の人間回復を祈りたい。
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2015.7.13 20:58更新
【佐世保高1女子殺害】自閉症スペクトラム障害認定 支援団体、専門家で賛否 発達障害への偏見懸念 「配慮あった」の声も
 長崎県佐世保市の高1女子殺害事件で、少女(16)への長崎家裁の決定は、少女が重度の「自閉症スペクトラム障害」(ASD)と判断する一方、「ASDが非行(犯行)に直結したわけではなく、環境的な要因も影響している」と明記した。
 発達障害を抱える人を支援する団体などでつくる「日本発達障害ネットワーク」(東京)の市川宏伸理事長(70)は「事件が起きて発達障害といった診断名が出ると、障害と犯罪に関連性があるかのように誤解を受ける。生まれつきの障害であることを理解し、偏見をなくしてもらいたい」と指摘した。
 一方、発達障害に詳しい精神科医の高岡健氏(62)は「障害が犯行を推進するわけではない」と強調し、犯行との直接的な関係を否定した決定内容に「偏見防止に配慮した形だ」と一定の評価をした。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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 2015.7.13 16:34更新
【佐世保高1女子殺害】治療と教育で矯正目指す 特別チーム編成か 医療少年院送致
 長崎県佐世保市で高校1年の女子生徒=当時(15)=を殺害したとされる少女(16)が送致される医療(第3種)少年院では、専門医の医療的支援や専門職員の教育的な働きかけによって矯正を図る。
 過去の重大事件の少年が送致されたケースでは、精神科医を含む特別チームが編成され、少女も同様の対応が予想される。ただ、収容期間は最長26歳未満に限られ、効果の面で疑問を投げ掛ける専門家もいる。
 司法関係者によると、平成9年の神戸連続児童殺傷事件では男女2人の精神科医らが父母役になり、「疑似家族」を経験させる中で少年を育て直すプログラムも導入された。
 長崎家裁は今回、医療少年院で他者の気持ちや痛みを意識できるように促す必要性を指摘。これに対し「社会性を養って適切な矯正がなされるまでにはかなりの年数が必要」と厳しい見方をする専門家もいる。
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佐世保高1殺害事件 第3回少年審判 少女の処分 週内にも決定(産経WEST 2015.7.12.Sun.)
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【裁く時】第3部 (3)井垣康弘元判事/山地悠紀夫死刑囚=母親を撲殺、出院1年半で姉妹を殺害(大阪事件) 
山地悠紀夫・前上博死刑囚(大阪拘)、陳徳通死刑囚(東京拘)に刑執行=森英介法相 2009-07-28 
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少年院の分類名変更 2015年6月1日施行の改正少年院法に伴い 
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