中日新聞 2015年9月30日 朝刊
「元名大生に責任能力あり」 知人殺害、名家裁が逆送
知人女性に対する殺人や、同級生らに対する殺人未遂などの非行内容で送致された元名古屋大女子学生(19)について、名古屋家裁は二十九日の少年審判で「発達障害が一定の影響を及ぼしたと認められるが、犯行態様などから責任能力に問題はなく、刑事処分が相当だ」として、検察官送致(逆送)を決定した。
名古屋地検は十日以内に、起訴するかどうかの判断をするが、家裁送致の際に「刑事処分が相当」との意見書を付けており、起訴する見通し。殺人罪に問われた成人同様、公判は裁判員裁判で行われる。
決定理由で岩井隆義裁判長は、知人女性殺害について「人を殺してみたい、人が死んでいく過程を観察したいという好奇心を満たすため、いわば実験として行われ、何ら酌量の余地はない。事前に犯行手順を計画し冷酷で、犯行態様は極めて残虐」と指摘。その他の犯行も「硫酸タリウムによる中毒症状を観察したいとか、焼死体を見たいという身勝手な考えから行われた」と断じ、殺人と一連の流れで行われたと位置付けた。
元学生については「他者の気持ちを理解できない、特定の物事に異常に執着するという発達障害が認められる。成育・家庭環境にも一定の問題がうかがわれる」としたが「大きな影響ではなく、事件の重大性、悪質性、残虐性を減じる事情ではない」と判断した。
元学生は少年審判で、同級生ら二人に対する殺人未遂事件で殺意を否定したが、「死亡する可能性を認識していたのに、あえて硫酸タリウムを投与した」と殺意を認めた。
決定要旨によると、元学生は昨年十二月七日、名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=の頭をおので殴るなどして殺害したなどとされる。
高校生だった二〇一二年、仙台市内で同級生ら二人に劇薬の硫酸タリウムを飲ませたとされる殺人未遂、同市に帰省した昨年十二月十三日には、実家近くの女性宅に火を付け、住人を殺害しようとしたとされる殺人未遂と現住建造物等放火の非行内容などにも問われた。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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