【オバマ大統領の孤独の深さ】・・・特にアジア政策に関して 【中国杭州G20】オバマ大統領に赤絨毯なし 2016/9/3 

2016-09-05 | 国際

投稿日:2016/9/5
オバマ大統領の孤独の深さ
古森義久(ジャーナリスト・国際教養大学 客員教授)「古森義久の内外透視」
 バラク・オバマ大統領はいまワシントンで孤独となった――
 中国でのG20サミットなどに出席するために任期中の最後のアジア訪問の途についたオバマ大統領は、いまやワシントンで一人ぼっちになってしまったという厳しい論評が発表された。
 ワシントン・ポストのコラムニストで民主党系のベテラン・ジャーナリストのファリード・ザカリア氏が9月2日の同紙に寄稿した論文である。オバマ大統領のこの「孤独」はとくにアジア政策に関してであり、このままだと同大統領はアジア政策でも失敗だったという歴史の酷評を受けかねないというのだ。
 オバマ大統領は8月31日、アジア訪問のためにワシントンを離れた。同大統領のアジア訪問は2009年1月に就任してからこれで11回目、同時に最後のアジア訪問となる。周知のようにオバマ氏は外交面で「アジアへの旋回(ピボット)」を早くから唱え、アジアとのきずな強化に最重点をおくとしてきた。
 だがこのザカリア氏の論文は「『アジアへの旋回』に欠かせないのは環太平洋パートナーシップ(TPP)という自由貿易協定のはずだが、ワシントンでそのTPPをプッシュするのはもはやオバマ大統領一人となってしまった」と述べるのだ。そのうえで同論文はTPPはもう民主党の大統領候補のヒラリー・クリントン氏、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏にそろって反対されるだけでなく、共和党リーダーの下院議長ポール・ライアン氏や民主党左派のバーニー・サンダース上院議員からも難色を示されるようになったことを指摘していた。
 つまりアメリカの国政ではTPPには超党派の反対がぶつけられるようになったというのだ。とくに11月に投票が実施される大統領選挙では民主、共和両党の候補者が足並みをそろえて、TPPに反対である現実はきわめて深刻だという。
 ザカリア論文はさらに以下の点を結論として強調していた。
 「共和党は移民と貿易という二つの主要政策について核心の信念をすっかり逆転させてしまった。開放から障壁と関税という立場への逆転である」
 「オバマ大統領は『アジアへの旋回』によってアメリカの最も深く、最も永続する利益を追求してきた。だがいまや同大統領はその追求ではワシントンでは一人ぼっちになってしまった。ワシントンはいま大衆迎合主義、保護主義、孤立主義の波に洗われているのだ」
 つまりTPPの挫折は「アジアへの旋回」策の挫折、さらにはオバマ大統領のアジア政策全体の挫折になるという意味である。すっかり孤独になって、ホワイトハウスを去るオバマ大統領は8年前にアメリカ国民の大人気を得て、白馬にまたがる王子のように、首都に乗り込んできたあの英姿とは、なんと変わり果てたことだろう。

 ◎上記事は[Japan In-depth]からの転載・引用です
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2016.9.5 01:00更新
【中国杭州G20】冷遇・オバマ大統領に赤絨毯なし 中国職員は米側のクレームにも強気「ここはわれわれの国だ!」

  

 【杭州=西見由章】中国・杭州で開幕したG20首脳会議に出席するため訪中したオバマ米大統領が空港に3日到着した際、大統領専用機から滑走路へと降りる赤じゅうたん付きのタラップ(移動式階段)が用意されていないトラブルがあった。AP通信などが報じた。
 オバマ氏は代わりに機体据え付けの階段を使って飛行機から降りた。他国の指導者が到着した際は赤じゅうたんのタラップが使われており、外国記者の間では「中国側の意図的な冷遇では」との憶測も広がっている。
 また、空港では出迎えの中国側職員が大統領随行記者に対し、オバマ氏から離れるよう指示。米国の担当者が善処を求めると、中国の職員が「ここはわれわれの国だ。われわれの空港だ」と怒鳴り返したという。ライス大統領補佐官がオバマ氏に近づこうとした際、中国側職員に阻まれ、抗議する一幕もあった。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です


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