今夕のサロンコンサートは、鬼頭俊さんと西脇佐和子さん(ピアノ)、堀嵜(ほりさき)ヒロキさん(パーカッション)の「スリー・セクション」。大半は鬼頭さんの作曲で、ジャズ風。鬼頭さんのトークも、本日はホーム(名フィルの練習場)だったので、滑らか。
それにしても、鬼頭さんの外見は、およそ音楽家とは思えない風貌である。その人が、あんなロマンチックでステキな曲を作り、ヴァイオリンで演奏する。人とは、わからないものだ。トークの中でインフルエンザのことに触れて「ワクチンの接種も、優先順位があるそうで。エライ人から先に、ということですから」と鬼頭さんが云うと、傍らの堀嵜さんが〈エライなんて云っちゃ、やばいよ〉と、ちょっと困惑というか心配顔。鬼頭さんが続けて「まあ、順番からいえば、私なんかは、最後です。(音楽なんて)勝手にやってろ、なんていう仕事ですから。何の役にも立ってないわけで」。ほんとにそう。生産的な仕事ではない。翻って、私という存在も、意味のない、価値のない存在。いなくたって、差し支えない存在。社会に貢献することなく、徒に存在してきた。
でも、鬼頭さんのヴァイオリン、いつもステキだ。今日は、堀嵜さんのパーカッションにも大層感動した。素晴らしかった。若い演奏家が、懸命に最高の音を出そうと全身で打ち込む。いい音だった。小さな音に、ハッとさせられることが幾たびもあった。立派な演奏家。
ピアノもステキだった。この人も、決して出しゃばらない。
ベートーヴェンのソナタ、洒落た感じにアレンジされていた。はぁ、『悲愴』が、こんな風になるんだ、と新鮮だった。
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