『放射線医が語る 福島で起こっている本当のこと』中川恵一著 KKベストセラーズ 

2014-10-11 | 本/演劇…など

 産経ニュース 2014.10.11 09:30更新
【編集者のおすすめ】『放射線医が語る 福島で起こっている本当のこと』
■避難のストレスで健康が悪化
 福島第1原発の事故の10カ月後、平成24年1月に中川恵一氏の『放射線医が語る 被ばくと発がんの真実』を弊社より発行しました。この本のなかで放射線の専門医である中川氏は、被曝(ひばく)が低線量に抑えられたことによって、「福島でがんは増えない」ということを説得力をもって語り、大きな反響を呼びました。
 ところが、それから2年半が経(た)ち、中川氏から「このままでは福島でがんが増えてしまう」という話がもたらされたのです。状況が変わってしまった福島の今をお伝えするために、改めて本書を執筆いただくことにしました。
 本来増えないはずのがんが増えかけている。それは、低線量被曝を恐れるがゆえの「避難の長期化」がいちばんの原因です。避難によるストレスや生活習慣の激変は、想像以上に健康状態に影響を及ぼすのです。そのことは、データとしても出始めています。
 なぜわずかな放射線被曝を避け、避難生活を続けて健康状態を悪化させて、がんを増やしかけているのか。そこには、リスクを過剰に恐れる日本人の国民性が隠れています。たとえば、体内に大量の細菌がいるというのに、抗菌グッズに走ることなどとも無縁ではありません。
 本書では、国の豊かさと健康長寿の関係や、原発の是非、現代文明の未来にまで踏み込んでいます。原発事故から3年半が経ち、リスクを公平に並べて判断するときにきているのかもしれません。(中川恵一著/ベスト新書・800円+税)
 KKベストセラーズ 書籍編集部 金田麦子
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。