タトゥー施術に医師免許「必要」 彫り師に有罪判決
2017/9/27(水) 15:11配信 朝日新聞デジタル
閉廷後、会見する増田太輝被告(左)と主任弁護人の亀石倫子弁護士=大阪市北区
医師免許がないのに客にタトゥー(刺青〈いれずみ〉)を施したとして、医師法違反の罪に問われた大阪府吹田市の彫り師、増田太輝(たいき)被告(29)の判決公判が27日、大阪地裁であった。長瀬敬昭裁判長は罰金15万円(求刑罰金30万円)を言い渡した。弁護側は即日、控訴した。
増田被告は2014年7月~15年3月、医師免許がないのに客3人にタトゥーを施したとして15年8月に略式起訴された。翌月、略式命令を受けたが拒否し、正式裁判を求めた。公判で弁護側は、タトゥー施術は病気治療などが目的の医療行為ではなく、憲法が保障する職業選択や表現の自由にも反するとして無罪を訴えていた。
タトゥー施術が医療行為にあたるかどうかが、最大の争点だった。判決は、医師法の定める「医業」について、医師が行わなければ保健衛生上の危害を生ずるおそれがある行為だと指摘。施術には皮膚障害を起こす危険があり、医学的知識や技能が不可欠なため医師が行うべきだと認定した。
職業選択や表現の自由については、施術する人やされる人に「憲法上保障される権利」があるとしても、健康被害を防ぐことが優先されると言及、施術は違法と結論づけた。増田被告が衛生管理に努め、客に健康被害が生じていない点にも触れ、罰金15万円とした。
増田被告は閉廷後の会見で、「仕事が(法的に)認められなかったことが悔しい。判決は納得がいかない」と語った。主任弁護人の亀石倫子(みちこ)弁護士は「判決は私たちの主張に正面からこたえていない。この国から彫り師という職業も文化もなくなってしまう」と批判した。
タトゥー除去を手がける東京都の美容外科医、境隆博さんは、彫り師に医師免許を求めるのはナンセンスだと話す。「治療と、人体に墨を入れるという行為は相いれない」。彫り師にはライセンス制といった規制が必要だと感じている。「彫り師には衛生面への配慮だけでなく、客にタトゥーは不可逆的行為だと説明をするなど倫理的感性も必要だ」と話す。(大貫聡子)
最終更新:9/27(水) 21:16 朝日新聞デジタル
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
――――――――――――
<入れ墨判決>彫り師「医師免許を求められれば仕事できず」
2017/9/27(水) 19:30配信 毎日新聞
■医師法違反事件 大阪地裁「医療行為に当たる」と有罪
入れ墨(タトゥー)を彫るのは医療行為に当たるかどうかが争われた医師法違反事件で、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)は27日、「医療行為に当たる」と判断し、同法違反罪に問われた大阪府内の彫り師、増田太輝被告(29)に対し罰金15万円(求刑・罰金30万円)の有罪判決を言い渡した。
医師法は、何が医療行為に当たるか明示しておらず、入れ墨を医療行為と示した司法判断は初めて。増田被告は即日控訴した。
判決によると、増田被告は2014年7月~15年3月、大阪府吹田市の店舗で、医師免許がないのに女性客3人に入れ墨を施した。
弁護側は「入れ墨は病気の治療や予防を目的とした医療行為ではない。医師法適用は彫り師の仕事を奪い、憲法上の表現や職業選択の自由を侵害する」と無罪を主張していた。
判決は、入れ墨は皮膚障害やアレルギー反応を引き起こす危険性があり、医学的な知識や技能が不可欠だと指摘。「医師が行わなければ、保健衛生上の危害を生じる危険性がある」と判断した。
憲法との兼ね合いについては、「入れ墨の危険性を考えれば、表現の自由として当然に保障された権利とは認められない」と否定。健康被害を防ぐ公共の利益があり、規制は職業選択の自由にも反しないと結論付けた。
一方、増田被告が器具を滅菌するなど衛生管理に努めていたとして、求刑より少ない罰金15万円とした。
判決後に記者会見した三上岳弁護団長は「入れ墨を医療行為というのは一般人に理解できず、法解釈の限界を超えている」と批判した。増田被告は「医師免許を求められれば仕事ができず、納得がいかない。闘い続けたい」と語った。【原田啓之】
最終更新:9/27(水) 20:21 毎日新聞
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
...........