事実上の「失職宣告」彫師有罪の大阪地裁判決2017.9.27 / 【イタリア便り】入れ墨は市民のおしゃれ? / 日本でも増えてきた「タトゥー」 健康への影響は?

2017-09-28 | 社会

産経WEST 2017.9.28 01:48更新
事実上の「失職宣告」…彫師有罪の大阪地裁判決で関係者に動揺広がる 「規制のあり方議論を」 
 医師免許なしでのタトゥー施術が犯罪かどうかが争われた医師法違反事件で、27日の大阪地裁判決は「有罪」と結論付けた。
*自分の人生を取り戻すために…
 「非常に残念で納得がいかない。彫師という仕事、自分の人生を取り戻すためこれからも戦う」
 増田太輝被告は判決後の会見でこう語った。高校生のときに入れ墨と出会い、寝る間を惜しんで絵の勉強をした。自分の体を練習台にして、足にはもう彫る隙間がないという。有罪判決にも「ここで止まりたくない」と即日控訴した。
 彫師仲間にも動揺が広がった。被告の裁判を傍聴していた彫師の男性は「明日からの仕事をどうすればいいのか」と弁護団に質問したが、だれも明確に答えられなかった。
 そもそも彫師に医師免許まで求めることは規制として行き過ぎだ、というのが弁護側の問題提起だった。全国に3千人とも言われる彫師の中で、医師の資格をあわせ持つ人はほとんどいない。彫師にとっては失職宣告に近いような厳しい判決となった。
*「入れ墨=やくざ」のイメージ
 入れ墨の歴史に詳しく、公判に弁護側証人として出廷した都留文科大の山本芳美教授によると、日本では江戸時代に浮世絵をもとにした入れ墨が流行。明治期には「野蛮な行為」として禁止されたが、戦後に取り締まりの明文規定はなくなった。
 ただ1960年代以降に流行した任侠(にんきょう)映画の影響により、「『イレズミ=やくざ』とのイメージが定着した」と、山本教授は著書「イレズミと日本人」(平凡社新書)で指摘。社会的に否定的な印象でとらえられることにつながった。
 しかし近年は、ファッションやアートの観点から若者に普及し、芸能人やスポーツ選手で目にする機会も増えた。入れ墨が文化として定着している欧米では、彫師は登録制や届け出制により営業でき、一定の衛生管理を超えて医師免許まで要求している国はない
*社会的に議論深める必要
 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「衛生管理をしっかり行い安全な方法を確立することが大切で、どういった規制がいいのか、どういったやり方であれば文化として認められるのか、社会的に議論を深める必要がある」と話した。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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タトゥー施術 有罪判決 2017/9/27 増田太輝被告「医師免許を求められれば仕事できず」  
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タトゥーは犯罪なのか? 彫り師 増田太輝さんが法廷で挑んだ戦い 第一審の結果は如何に 2017年9月27日に判決が下る 

    
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女子高生に入れ墨容疑で逮捕 暴力団組員と彫師 埼玉県青少年健全育成条例違反容疑 2017/10/10 
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産経ニュース 2017.5.7 08:22更新
【イタリア便り】入れ墨は市民のおしゃれ? ローマ市だけで工房900軒
 イタリアでは、タトゥー(入れ墨)は「怖いお兄さん」たちだけがするものと思う時代は過ぎ去り、一般市民のおしゃれの一種になってきた。プロサッカー・セリエAの試合を見ていても、ひじょうに多くの選手が腕に大きな入れ墨をしているし、テレビのクイズ番組に出場する奇麗な娘さんの中にも、肩や腕に小さな入れ墨をしているのを見かけることが多くなった。
 最近の地元紙の報道によると、ローマ市だけで実に900軒の入れ墨工房があり、世界の大都市の中でも人口の割合に比べこれほど入れ墨工房が多い都市は少ないらしい。
 有名サッカー選手を顧客にしているような彫師になると、半年から1年先まで予約がいっぱい。2~3時間で彫り終わる小さな入れ墨でも代金は200ユーロ(約2万4千円)以上はするという。
 また、有名な入れ墨工房では、彫ったことを後悔する顧客のために除去手術の専門家も紹介するというが、レーザーによる施術料はかなり高いようだ。
 なにしろ、民間テレビで外国の入れ墨師コンクールを絶えず流しているのだから、今後も入れ墨ブームは盛んになるばかりだろう。
 新聞によると物価統計に、彫り物代が入るかもしれないというから驚きである。(坂本鉄男)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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日本でも増えてきた「タトゥー」。 健康への影響はある?
2017年10月17日 18時30分 Mocosuku
執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 欧米ではファッションの一部として定着しているイメージがあるタトゥー。
 日本でも、ファッション感覚で取り入れられることが増えてきました。
 しかしながらこのタトゥー、健康への影響を考えないで気軽に行えるものではありません。
 そこで今回は、タトゥーの健康への影響についてご説明したいと思います。
 タトゥーは医療行為!?
 現在、医師免許のない人のタトゥー施術は医師法違反にあたるのではないか、という議論がなされています。
 実際に、タトゥーの彫師が逮捕され話題にもなりました。
 厚生労働省は、「針を使ってインクや墨などの色素を皮膚に入れるタトゥーの施術は、医師だけが行える業である」との見解を示しています。
 この背景には、タトゥー施術により、偶然の事故として見過ごせない数々の健康被害が起きている、という現状があります。
 それでは、具体的にはどのような健康への影響があるでしょうか。
*おしゃれの代償:タトゥーによる悪影響
 若気の至りやかっこよさを追求した結果のファッションタトゥーとはいえ、身体のことを思うと酷な行為です。
 タトゥーの影響については、次のようなことが指摘されています。
・傷から感染がおこる
 タトゥーは、針を使用して皮膚に傷をつけるという過程を経なければなりません。
 施術の環境、手技、道具などが不衛生な場合、傷口からの感染が懸念されます。
・アレルギー症状が出る
 皮膚に入れられるインクや墨などの色素は、身体にとって異物とみなされます。
 そのため、インクに対するアレルギー反応を起こす可能性があります。
 アレルギー反応が起こると、身体にとって異物とみなされたアレルゲンを取り除かない限り、症状が出続けたり、悪化したりすることも考えられます。
 たとえ、施術直後にアレルギー症状が起こらなかったとしても安心はできません。
 遅れて症状が出てくるケースもありますから、注意が必要です。
・安全に医療行為を受けられなくなる
 タトゥーを入れた後、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)などの検査を受けた人が、インクを入れた部分に沿ってやけどをしてしまった、という事例があります。
 この事例から、施術の影響で安全に医療を受けられなくなる可能性がある、ということがわかります。
 さらに、インクに使われている化学成分にさらされ続ける影響については、現時点において「絶対に安全」といえる医学的な根拠はありません。
・タトゥー施術が子どもにおよぼす影響:C型肝炎ウィルス
 タトゥーは、自分の身体だけでなく、将来、自分の子どもにまで影響を及ぼすリスクも含んでいます。
 それは、不潔な針を使用したことによる、C型肝炎ウィルスへの感染問題です。
 C型肝炎ウィルスは、感染後、無症状で経過することが多く、しばらくしてから肝硬変や肝臓がんになる可能性がとても高い病気です。
 肝臓がんの原因の80%は、C型肝炎ウィルスです(※)。
 C型肝炎は、C型肝炎ウィルスに感染した人の血液が体内に入ることで感染します。
 ですから、C型肝炎ウィルスの付着した針でタトゥーの施術を受けると、感染する可能性があります。
 そして、感染していることに気づかずに妊娠した場合、お母さんの血液をもらって成長するお腹の赤ちゃんまで、C型肝炎ウィルスに感染することになるのです。
 (※出典:日本成人病予防協会『がん(悪性新生物)とは?』(http://www.japa.org/seikatsusyuukannbyou/gan/gan_kan.html
*安全なタトゥーとは?
 「あの頃軽はずみにしたことで、自分の健康や赤ちゃんにまで影響があるなんて」と思っても、あとの祭り。
 海外では、タトゥー施術の安全性を確保するために規制を設けている国もあります。
 たとえば、衛生面や技術面についてきちんと訓練を行う、タトゥー施術についてガイドラインを作成する、などの対策を講じているようです。
 残念ながら、日本では流行や需要に安全面の対策が追いついていない、というのが現状でしょう。
 「タトゥーをいれたい」と思ったとき、「自分の身体は大丈夫だから」と過信せず、健康への影響について今一度考えてみましょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 ◎上記事は[@niftyニュース]からの転載・引用です
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