男児殺害17年 父親が手記
NHK NEWS WEB 2014年05月24日 11時15分 神戸放送局
平成9年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件で、小学6年生だった男の子が少年に殺害されてから、24日で17年になります。男の子の父親は報道各社に手記を寄せるとともにNHKのインタビューに応じ、息子への思いや犯罪被害者の権利を確立させる必要性を訴えました。
平成9年に神戸市須磨区で起きた児童連続殺傷事件では、小学6年生だった土師淳君(当時11)が、当時14歳の少年に殺害されました。父親の守さん(58)は24日で事件から17年になるのに合わせて報道各社に手記を寄せるとともにNHKのインタビューに応じました。
守さんは淳君との思い出をふり返り、「純粋で心の優しい子でした。17年たちましたが、子どもへの愛情というのは変わることはありません」と述べました。
そして、ことしも元少年から手紙が届いたことを明かし、手記の中で、「変化の度合いは異なりますが、1年毎に変化があり、今年の手紙を読みましても昨年に比べて人間として成長しているように感じました」と印象をつづったうえで、「彼自身が自分をじっくりと見つめなおすことができるようになった時に、なぜ事件を起こしたのかということをきちんと見極めて、私たちに報告してほしい」と語りました。
また先月、少年法が改正され重大な罪を犯した18歳未満の少年の刑の上限が引き上げられたことに触れ、「これまでがあまりにも軽すぎたので、適正化が図られたのではないかと思う。少年審判を傍聴できる対象者の拡大や被害者が質問できる権利の確立も必要だ」などと訴えました。
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神戸連続児童殺傷 土師淳君の父「自分の言葉で説明を」
神戸新聞 2014/5/24 05:30
1997年の神戸連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が犠牲となって24日で丸17年となる。父親の守さん(58)が神戸新聞社のインタビューに応じ、加害男性(31)について「事件を起こした原因を彼自身が考察し、自分の言葉で私たち遺族に説明してくれる日が来ることを待っている」と語った。
「淳君が生きていれば、28歳やね」。そんなふうに言われることもあるが「あれから17年たった淳の姿なんて想像する気もないし、想像できない」。
加害男性が2004年に医療少年院を仮退院して10年になる。今年も、男性から謝罪の手紙が届いた。具体的な生活状況はつづられていないが、文面から1年ごとに人として成長している様子がうかがえるという。だが、「当時の精神状況も含め、なぜあんなことをしたのか、まだ自分で理解し切れていないのではないか」との印象がぬぐえない。
放射線科医という仕事の合間を縫って、全国犯罪被害者の会(あすの会)メンバーとして奔走してきた守さん。同会の働き掛けもあり、兵庫県内で、犯罪被害者支援条例を制定した自治体は12市町に増えた。
一方、国に求めている被害者への継続的な経済補償は進んでいない。
子どもが犠牲になった事件では、被害者の兄弟姉妹への支えも必要と指摘。淳君の兄は事件現場となった中学校に長く通えなかった。「事件直後は親もいっぱいいっぱいで、なかなか支えてやれない」。学習面のサポートや心のケアが求められるという。
「私が活動することで、被害者にとって、少しでも良い変化が生まれればうれしい」。守さんは静かに語った。(長谷部崇)
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◇ 遺族の許しはありえるのか 神戸児童連続殺傷事件 土師守さん 17年の歳月が流れてなお
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