「後世に名を残すことに取り組みたい」岸田文雄首相 改憲へ野心 2022/5/3

2022-05-04 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

改憲へ野心、首相の変心 かつてハト派…9条にも言及

中日新聞 2022/5/3(Tue.)      

  冒頭画像;タイのプラユット首相との会談に臨む岸田首相=2日、バンコクで(代表撮影・共同)

 岸田文雄首相は自民党で伝統的に憲法改正から距離を置いてきた「宏池会」(岸田派)を率いる。党内で以前は改憲消極派とみられていたが、特に就任前後から積極的な発言が目立つ。安倍晋三元首相らが本丸に位置付ける九条改正も一時、慎重だったが転換。歴代の党総裁(首相)が成し遂げられなかった改憲を「実績」としたい野心もうかがえる。

■参院選の後に
 「後世に名を残すことに取り組みたい」。昨秋の衆院選後、首相は麻生太郎副総裁に漏らした。宏池会の流れをくむ麻生派会長の麻生氏は、宏池会創設者の池田勇人元首相が掲げた四文字のスローガン「所得倍増」を引き合いに「安倍元首相もできなかった『憲法改正』でしょう」と促した。
 首相は折に触れ周囲に意欲を語る。「参院選後、改憲を実現したい」。参院選に勝利すれば国政選挙が当面ない落ち着いた環境で議論の加速を図れるというわけだ。
 宏池会は池田元首相の「軽武装、経済重視」路線を継ぎ、宮沢喜一元首相や古賀誠元幹事長といった「九条維持派」が会長を務めてきた。
 2015年10月、安倍政権で外相だった首相は派閥研修会で「宏池会につながる人脈は憲法に愛着がある。当面、九条改正は考えない」と表明。17年5月に当時首相の安倍氏が自衛隊を明記する9条改憲を提案した後の8月、9条改正に関し「今はまだ考えるべきではない」と一線を画した。

■宏池会だから
 だが20年の総裁選などを経て容認姿勢が鮮明になる。21年の総裁選では①9条への自衛隊明記②緊急事態条項の新設➂参院選「合区」解消④教育充実ーの党改憲案4項目を「極めて現代的な課題だ」として総裁任期中の改憲を打ち出した。
 昨年12月の衆院予算委員会。野党議員から安倍元首相より改憲への姿勢が「トーンダウン」していると挑発を受けた首相は「憲法改正に対する思いは、決して後れを取っていないと自負している」と反論した。
 タカ派の安倍元首相は20年の改正憲法施行を訴えたが、世論の支持を得られなかった。首相は周辺に「改憲は宏池会だからできる」と意気込む。ハト派イメージの宏池会であれば世論の警戒も薄らぐとの計算だ。首相周辺は「首相は本気で改憲を考えている」とみる。

■自民のペース
 首相は「4項目にはこだわるが、その順番にはこだわらない」と述べ、優先順位は示さない。
 自民が衆院憲法審査会でターゲットに据えるのは緊急事態条項だ。新型コロナウイルス禍で国民の関心も高いと踏む。ロシアのウクライナ侵攻で「今なら国民の理解を得やすい」(閣僚経験者)と9条も俎上に載せる。
 自民の新藤義孝・憲法審与党筆頭幹事は2月の憲法審で「新型コロナのまん延という有事の真っただ中だ。憲法に規定がない緊急事態について早急な議論が必要だ」と主張。西村康稔委員は4月「ウクライナ侵攻を目の当たりにして、9条も議論するのが極めて重要だ」と訴えた。立憲民主党は「危機を奇貨とし、どさくさ紛れだ」(奥野総一郎・野党筆頭幹事)と反論するものの劣勢だ。
 自民は改憲論議に前向きな日本維新の会や公明党、国民民主党を抱き込み、毎週のように憲法審の議論を重ねる。自民ペースなのは明らかだ。

 自民幹部は力説する。「改憲項目はどれでもいい。多くの党が折り合える最大公約数を見つけるのが先決だ」

  ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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自民麻生氏、首相を評価 「頼りない顔がそこそこ」
 中日新聞 2022年4月17日 23時47分 (4月18日 00時08分更新) 

   4月14日、自民党麻生派の政治資金パーティーであいさつする麻生副総裁=東京都内のホテル 
  4月14日、自民党麻生派の政治資金パーティーであいさつする麻生副総裁=東京都内のホテル

 自民党の麻生太郎副総裁は17日、福岡市で講演し、岸田文雄首相の政権運営を評価した。「みんなが『大丈夫か。頼りない顔だな』と言っていたが、やらせてみたらそこそこやる」と述べた。
 首相経験者の安倍晋三氏や自身の名前を挙げ「売られたけんかは必ず買うみたいな顔では駄目だ」と指摘。岸田首相について「控えめで柔和な人の方が、今みたいな時にきちんとやれる」とも語った。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です


* 首相「改憲 早期実現を」2022年5月3日


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