日印首脳会談 「中国の脅威」に絆ガッチリ…蜜月の安倍・モディ首相、原子力も新幹線もグイグイ 2015/12/12

2015-12-13 | 国際/中国/アジア

 産経ニュース 2015.12.12 22:27更新
【日印首脳会談】「中国の脅威」に絆ガッチリ…蜜月の安倍・モディ首相、原子力も新幹線もグイグイ
 【ニューデリー=田北真樹子】「歴史的な会談」-。安倍晋三首相がこう表現した12日のモディ印首相との首脳会談。5回目となる会談で、両首脳は両国間で最大の懸案となっていた原子力協定とインドの高速鉄道計画で新幹線方式の導入で合意した。この成果を納めることができた背景には「両首脳の良好な人間関係と、地域の安定を脅かす中国に対する共通の認識」(日本政府高官)がある。
 安倍首相「自分とモディ首相でなければ達成できなかった成果だ」
 モディ首相「安倍首相の強い指導力に敬意を表する」
 両首相は会談で、こう蜜月ぶりをアピールした。
 2人はこの1カ月間でトルコでの20カ国・地域(G20)首脳会合を含め3回会談してきた。特に11月のG20で、モディ首相は高速鉄道計画について「私は日本にコミットする」と安倍首相に伝達。その後の調整でも自らが乗り出し、事務方に指示を飛ばしたという。
 安倍首相もモディ首相の期待に応えるように、原子力協定の検討を加速させた。日本政府関係者は「この2週間ぐらいで一気に話が進んだ」と舌を巻く。実際、安倍首相も周囲に「モディ首相との信頼関係で物事が進んだ」と満足げに語った。
 両首脳が足並みをそろえて関係を発展させようとするのは中国の存在が大きい。東シナ海や南シナ海で現状変更を試みようとする中国の脅威は、中国の隣国である日本とインドにとって共通の課題だ。この点について両首脳の見解は完全に一致しており、それが2人の距離をかなり縮めたのは間違いない。
 インドネシアの高速鉄道計画で、日本は中国との受注競争に敗北したが、モディ首相は「この一連の顛末をつぶさにみていた」(外交筋)という。中国にインドのインフラ整備に関与させたくないモディ首相と、高速鉄道で新幹線技術を推したい安倍首相の思惑が一致した。増大する中国の脅威が、日印関係の一層の緊密化につながっている
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2015.12.13 05:02更新
【主張】日印首脳会談 協力強化への弾みつけた
 同じアジアの民主主義国家として、経済、安全保障両分野での協力関係の強化に大きな弾みがついた。
 インドを訪問した安倍晋三首相がモディ首相との会談で、インド初となる高速鉄道に日本の新幹線システムを導入することを決めた。
 日本の原発輸出の前提となる原子力協定の締結にも原則合意した。インフラ輸出は安倍政権の成長戦略の柱である。「トップセールス」の大きな成果といえよう。
 高速鉄道はインド国内で他に6路線の計画があり、米テキサス州やタイでも新幹線の採用が検討されている。
 海外での日本の新幹線導入は台湾に次いで2例目だ。インドネシアでは、中国に競り負けたばかりだ。今回の日印合意をバネに受注機会を広げてもらいたい。
 原発輸出は、日本国内で新設が難しい状況から技術、人材を維持していく上でも重要といえる。
 ただ、原子力協定についてはインドが核拡散防止条約(NPT)に未加盟であることが、締結のネックになっていた。
 今回、インド側に対し軍事転用への歯止めを明確にするよう求めたのは当然である。包括的核実験禁止条約(CTBT)への参加なども、引き続き呼びかけていく必要があろう。
 安全保障分野では、日本から防衛装備品、技術移転を可能にする協定と防衛関連情報を交換するための情報保護協定に署名し、連携を一層強化することにした。
 インドが関心を示す海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の輸出交渉の加速にもつなげたい。
 南シナ海で中国が人工島を造成し、軍事拠点化を進めている問題への警戒感を両首脳が共有した点も大きい。共同声明では「航行の自由」をうたった。
 すでに中国は、インド洋の沿岸国の港湾を整備し、潜水艦の活動を活発化させるなどしている。石油を中東に依存する日本にとり、インド洋は重要な海上交通路(シーレーン)であることを忘れてはならない。
 インド海軍と米海軍による海上共同訓練に、海上自衛隊が恒常的に参加するなど、地域の安定に資する具体的な行動も必要だ。
 日印緊密化を米国やオーストラリアなどインド洋や太平洋地域の海洋国家の結束につなげたい。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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