野田女児 栗原心愛さん 虐待死 父親・勇一郎被告に懲役16年の実刑判決 千葉地裁 2020/3/19

2020-03-19 | 身体・生命犯 社会

野田女児虐待死 父親に懲役16年の実刑判決 千葉地裁
2020/3/19(木) 11:06配信 毎日新聞
 千葉県野田市で2019年1月に小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)を虐待して死亡させたとして、傷害致死など六つの罪に問われた父勇一郎被告(42)に対する裁判員裁判で、千葉地裁(前田巌裁判長)は19日、懲役16年(求刑・同18年)の実刑判決を言い渡した。
 検察側は今回の事件を、これまでの虐待による傷害致死、保護責任者遺棄致死事件に比べて虐待期間が長く、内容も陰湿で残酷として「従来の量刑傾向を大幅に超える比類なき重い事案だ」と悪質性を強調。さらに、虐待を認めて謝罪しながら女児の言動が虐待の発端になったとする被告の主張を「この期に及んで女児に責任を押しつける態度に開いた口が塞がらない。反省の態度はみじんも感じられず、いまだに女児を虐待している」と厳しく非難していた。
  被告側は17年11月の女児への暴行罪を除いては「罪は争わない」としながらも、具体的な暴力行為をほぼ否認して検察側の主張と対立していた。女児を立たせたり、屈伸させたりした一連の虐待行為を認めつつも「しつけの範囲を超えて虐待に至ってしまった」と説明。「自ら立ったり、屈伸したりした」などと女児の言動が発端だったとも主張していた。
  19年1月の女児の母親への暴行罪については母親が法廷で「(女児の)命が危ないと思って『もうやめて、虐待だよ』と言うと(被告が)私を床に押し倒した」などと証言した。これに対して被告は、女児を蹴る母親を止めるために馬乗りになって平手でたたいた、と異なる主張をしていた。
  起訴状によると、被告は19年1月22~24日、女児に食事を与えず、浴室に放置するなどして十分な睡眠を取らせず、冷水を浴びせるなどの暴行を加え、女児を死亡させたとしている。17年11月~19年1月には、女児の頭を殴ったり、顔や胸を圧迫するなどして約1カ月のけがをさせたりした。また、女児の母親(33)=傷害ほう助罪で懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定=に対しても顔を殴り太ももを蹴る暴行を加えたとされる。 【加藤昌平、町野幸】
 最終更新:3/19(木) 13:11 毎日新聞

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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新型コロナ対策で千葉地裁が傍聴席を削減 野田女児虐待死事件の裁判員裁判判決
 2020/3/19(木) 11:51配信 毎日新聞
 千葉県野田市で2019年1月に小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)を虐待して死亡させたとして、傷害致死など六つの罪に問われた父勇一郎被告(42)に対する裁判員裁判で、千葉地裁(前田巌裁判長)は19日、懲役16年(求刑・同18年)の実刑判決を言い渡した。
 同地裁はこの日、新型コロナウイルスの感染を防止するため、傍聴席の間隔を空ける措置を取った。
  これまで一般傍聴席として60~70席ほどを用意していたが、この日は21席に削減された。一方、傍聴希望者は436人で関心の高さをうかがわせた。法廷の前には、感染防止のため消毒用のアルコール液も設置された。
  2月21日の初公判は63席に対して434人、論告や最終弁論があった今月9日は63席に対して231人が傍聴を希望した。【加藤昌平、町野幸】
   最終更新:3/19(木) 11:55 毎日新聞

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です


「助けて、ママ。お願い」 心愛さん虐待死 裁判からたどる「密室」の記録
   東京新聞 2020年3月18日 朝刊
 千葉県野田市の小学4年栗原心愛さん=当時(10)=を虐待死させたとして、傷害致死罪などに問われた父親勇一郎被告(42)の裁判員裁判は19日午前11時から、千葉地裁で判決が言い渡される。検察側は「拷問ともいえる壮絶な虐待だった」として懲役18年を求刑。弁護側は「日常的な虐待ではなかった」と情状酌量を求めた。心愛さんの母親(33)らの法廷証言や被告撮影の動画などから、自宅という「密室」で繰り返された虐待を振り返る。 (山口登史、丸山将吾、太田理英子)

◆夜中に床で正座 「毎日が地獄だった」
 2008年に沖縄県で生まれた心愛さんは、17年7月、勇一郎被告や妹と千葉県野田市に引っ越す。妹を出産後、入院していた母親が退院し、9月から一緒に暮らし始めた。
 「夜中にパパに起こされて立たされたり、『妹の世話をしろ』と言われ、毎日が地獄だった」。心愛さんは野田市に転居後の数カ月間の様子をそう明かしたと、母親は証言した。
 10月下旬ごろになると、母親が夜中に目を覚ました際に心愛さんが床に正座していることがあった。心愛さんの隣には勇一郎被告。「心愛が勝手にやっているんだ」。母親は何度かやめさせようとしたが、被告は聞かなかったという。
 11月4日昼すぎ、心愛さんが自宅の脱衣所で号泣する様子が被告の携帯電話に記録されていた。11月5日には、母親は心愛さんから「パパにたたかれたり、蹴られたりする」と打ち明けられたと証言した。

◆「先生、どうにかできませんか」 担任も衝撃
 心愛さんは11月6日、当時通っていた小学校のいじめアンケートに「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と記し、助けを求めた。
 アンケートの記載内容について、小学校の元担任は法廷で「衝撃だった」と述べた。アンケートについて心愛さんに聞き取りをすると、自分の手で頭を下に押さえ付けるしぐさをして被告による暴行を再現したといい、「昨日も背中や首を蹴られ、頭を殴られた」と訴え、泣きながら頭を痛がったという。
 被告はアンケートの記載時期と重なる11月上旬ごろの暴行について、無罪を主張。アンケートを「心愛がされてもいないうそを書いた」と反論した。

◆「訴える」と児相にすごんだ被告
 千葉県柏児童相談所が心愛さんを一時保護したのは17年11月7日。医師からは心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。児相職員は法廷で、心愛さんが「お父さんに夜中に起こされる。寝不足で学校に行くのがつらい」「お父さんが怖いから家に帰りたくない」と訴えたと証言した。
 一時保護から約2週間後、勇一郎被告と心愛さんは柏児相で面会した。心愛さんは職員の後ろに隠れ、面会室に入ろうとしなかった。「待ってるよ」。帰り際、被告が手を差し出すと、心愛さんは手を引っ込めた。被告は「照れている」と言ったが、職員は「怖がっている」と感じたという。
 一時保護は、父方の祖父母宅で心愛さんを預かることを条件に12月27日に解除された。
  18年2月下旬、児相職員が心愛さんと面接するため祖父母宅を訪れると、祖父から連絡を受けた被告が同席した。「お父さんに叩かれたというのは嘘です」という手紙を示し、「一時保護には本当に納得していない。個人として訴える」とすごんだ。法廷で職員は当時の様子を「精神的に追い詰められた」と振り返った。
 法廷で被告は手紙の文面を「考えたのは私」と説明。「心愛が一緒に暮らしたいと言っていると聞いた。児相に不信感が募っていた」という。3月以降、被告は条件を守らず、心愛さんを自宅に連れ帰った。

◆玄関で屈伸する心愛さんが動画に
 公判では、被告の携帯電話などに残された動画の一部が証拠として示された。
 18年7月10日午前2時すぎ、玄関で心愛さんが土下座するまでの様子が映っていた。
 被告「土下座だよ。早くやれよ」
 心愛さん「じゃあ許せよ。家族に入れろよ」
 被告「ムーリー」
 心愛さん「うちのことなんて、どうでもいいんだ」
 被告「えっ、今さら? (夫婦と次女の)3人でいたほうが楽しいし」
  7月30日早朝には心愛さんが玄関で屈伸し続ける様子が映っていた。心愛さんは「はあ、はあ」と荒い息遣いで、時にしゃくりあげ、助けを求めていた。
 被告「早くしろよ」
 心愛さん「はあ、はあ」
 被告「2倍の速さでやれ」
 心愛さん「助けてママ。お願いママ」
 8月27日には、廊下に立たされ、荒い息遣いの心愛さんが助けを求める姿が撮影されていた。
 心愛さん「苦しい。死んじゃいそう。ママ」
 これらの動画を撮影した理由を、被告は「心愛が騒ぐので、病院に連れて行こうと考えた。必要があれば見せようとした」と説明した。屈伸は、心愛さん自身が「やればいいんだろ」と言ったと述べた。
 9月になると「おうちにいたくない」と母親に訴え、心愛さんは再び祖父母宅に預けられた。

◆死の2日前 最後の食事はひとり寝室で
 母親の証言などによると、被告の虐待は18年末以降、激しさを増し、死の直前には苛烈を極めた。
 18年12月25日にクリスマスパーティーに合わせ、心愛さんは祖父母宅から自宅に戻った。
 12月30日夜、母親は、浴室で「ドーン」と大きな音がするのを聞いた。見に行くと、心愛さんはボクシングをした後のようにまぶたが腫れていたと証言。「こいつが自分でやったんだ」と被告は説明したという。
 19年1月22日の日中、被告は心愛さんを寝室に閉じ込めた。夕食でファミリーレストランの宅配を頼み、被告と母親は居間で、心愛さんは1人で寝室で食べた。これが心愛さんの最後の食事となった。

◆冷水シャワー浴びせ、馬乗り、そして…
 22日午後10時ごろ、被告は心愛さんを台所に立たせた。23日午前10時ごろに母親が目を覚ますと、心愛さんはまだ立っていた。「ずっと立ってたの?」と聞くと「そうだよ」。
 23日夜、おもらしをした罰として、心愛さんは浴室で立たされた。
 24日午前10時ごろ、母親が浴室に行くと、肌着姿でぬれた状態の心愛さんが立っていた。母親は午後1時すぎ、被告が「5秒以内に服を脱げ」と命じ、冷水をボウルやシャワーで心愛さんに浴びせるのを目撃。午後4時ごろには、被告が居間で、プロレス技をかけるように心愛さんの背中に馬乗りになって両足首をつかみ、体を反らせているのを見た。「心愛はとてもぐったりしていた」と母親は証言した。
 午後10時ごろ、心愛さんは被告に浴室に連れて行かれた。ドーンという音が1、2回した後、被告が「心愛が動かない。息をしていない」と寝室にいた母親を呼びに来た。
 被告は公判で「額付近に2、3回程度、長くても3秒程度」シャワーをかけたと主張。心愛さんは「座るようにすとんと落ちた」と述べた。

◆食い違う証言 19日に判決
 勇一郎被告は公判で、傷害致死罪の成立を認めた一方で、暴行内容の多くを否定した。検察側が立証の柱に据えた母親らの証言とは大きく食い違っており、どちらに信用性があるかを裁判員らは判断することになる。
 公判で被告は「事実しか話していない」と主張。ただし、「今は虐待だと思っている」としたのは、虐待をうかがわせる動画などが残っていた2018年7月以降の行為。それ以前、心愛さんが学校アンケートで訴えた暴行については無罪を主張している。
 起訴状などによると、被告は19年1月22日夜の食事を最後に、心愛さんに食事を与えず、24日までの間、十分な睡眠を取らせず、浴室に立たせ続けたり冷水シャワーを掛けたりするなどして心愛さんを死なせたとされる。

 ◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です


野田女児 栗原心愛さん 虐待死 食い違う証言
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