日本経団連の御手洗冨士夫会長(73)は3日までに共同通信のインタビューに応じ、削減が続く非正規労働者らの雇用問題への対応について「省エネルギー、環境対応の自動車や家電、住宅など技術革新で新たな需要を喚起し、雇用回復につなげる。介護、保育などの就労者も拡大させる」と述べ、近く経団連として雇用対策をまとめる方針を示した。
政府が打ち出した総額75兆円の経済対策については「今までにない手厚い対策で効果が期待できる」と評価した上で「迅速に実行してもらいたい。経済危機の脱出に向けて与野党が一致協力してほしい」と要望。経済対策が盛り込まれた2008年度第2次補正予算案や09年度予算案と関連法案の早期成立に向けて、与野党の国会審議促進を求めた。
世界的な景気失速は「地震に例えれば直下型で、世界市場が一気に冷え込んだ」と危機感を強調。09年の日本経済は「輸出産業を中心にかつてない規模とスピードで減産の輪が広がっており、非常に厳しい」と景気後退が年内も続くとの見通しを明らかにした。
09年春闘の賃金交渉について御手洗会長は「定期昇給はできるが、ベアに応じられる企業は非常に少ない」と述べ、物価上昇を反映したベースアップを迫る労働側の要求実現は困難との認識を示した。
2009/01/0315:55【共同通信】