大手7行、純利益65%減=不良債権処理2.4倍-9月中間期

2008-11-14 | 社会
(時事通信社 - 11月14日 21:11)
 三井住友フィナンシャルグループ(FG)など大手7銀行グループの2008年9月中間連結決算が14日まとまった。米国発の金融危機の影響で不良債権処理額(単体ベース)が計5546億円と前年同期の2.4倍に膨らみ、株安も収益を直撃。7グループ合計の純利益は65.8%減の2588億円にとどまった。
 欧米向けの投資焦げ付きが膨らんだ新生銀行とあおぞら銀行は純損失(赤字)に転落。一方、りそなホールディングス(HD)は本社売却益が利益水準を底上げし、三井住友FGを上回った。
 本業のもうけを示す業務純益(同)は計1兆0117億円で、14.6%減少。国内融資が伸び悩んだ上、株安で投資信託の窓口販売が低迷し、手数料収入が減少した。
 不良債権処理額の急増は、建設・不動産業を中心とする企業倒産の増加や米リーマン・ブラザーズ関連の損失拡大が原因。中小企業向け融資が少ない住友信託銀行と中央三井トラストHDの信託2行は処理額が減った一方、多数の中小法人を顧客に抱えるみずほFGやりそなHDは貸し倒れが増加した。
 今中間期は海外企業向け融資が大きく伸びたが、欧米では景況感の悪化が著しく、今後は「従来以上にリスク管理に注意が必要」(北山禎介三井住友FG社長)。各行とも収益改善の活路が見いだせない状況で、通期は全社が減益か赤字を予想している。
 大手行のうち、三菱UFJフィナンシャル・グループは18日に決算を発表する。

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