中国で麻薬密輸罪に問われた赤野光信死刑囚、執行「やむなし」の見方も・・・日本政府

2010-04-06 | 死刑/重刑(国際)

死刑執行「やむなし」の見方も…日本政府
2010年4月6日(火)14:40
 中国で麻薬密輸罪に問われた赤野光信死刑囚に対する刑が執行されたことについて、日本政府は中国の国内法の規定に基づく以上、やむを得ない側面があると受け止めている。
 日本政府は、訪中した菅財務相が中国の温家宝首相と会談した際にこの問題を取り上げるなど、再三にわたって懸念を伝えてきたが、中止までは求めなかった。外務省幹部は「この問題で中国の司法制度がおかしいと言うことは慎んだ方がいい。政府として懸念を示すというのが最大限だったのではないか」と述べた。
 ただ、中国に対する国民感情が悪化する可能性も指摘される中、中国が執行に踏み切った真意を疑問視する向きもある。
 別の外務省幹部は「海外では麻薬犯罪が厳刑の対象であることを日本人も十分認識すべきだ」としたうえで、「なぜ今のタイミングで死刑を執行するのかが分からない」と語った。
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薬物犯罪で死刑に波紋、日弁連「厳しすぎる」
 4月6日13時17分配信 読売新聞
 日中国交正常化以来初めて中国で日本人の死刑が執行された。
 政府内には「他国の司法制度についてとやかく言えない」との声があがる一方で、日本弁護士連合会や人権団体などからは「人の命を奪っていない犯罪で死刑は厳しすぎる」との懸念の声も出ている。
 6日、死刑を執行された赤野光信死刑囚(65)は麻薬密輸罪で判決が確定していた。薬物犯罪での死刑適用を巡っては、菅財務相が3日、温家宝首相に「日本の基準からすると厳しいという感覚を持つ人が多い」と伝えていた。
 外務省は、「薬物犯罪を巡って海外で日本人に死刑が執行された例は聞いたことがない」としている。
 執行について、ある法務省幹部は「死刑は厳しいとは思うが、中国の裁判で決まったことにこちらから意見するのは内政干渉」と冷静な見方。「日本で薬物犯罪に死刑を適用しているわけではなく、これを機に国内で死刑制度の是非について大きな議論が起こることもないのでは」と語った。
 一方、日本弁護士連合会は「(日本政府が)執行を止められなかったことは極めて遺憾。赤野死刑囚は通訳の適格性について争っていたと伝えられており、公正な裁判を受ける権利をも保障されていなかった疑いが極めて強い」とするコメントを出した。
 中国は、ほかに3人の日本人男性について死刑執行を通告してきており、この3人についても「政府が毅然(きぜん)として中国に対し、死刑を執行しないよう明確な要望をするべきだ」としている。
 また、「アムネスティ・インターナショナル日本」(東京)の担当者は「人が死に至っていない犯罪で、死刑が執行されるのは人権上許されない」と語り、今後、中国大使館前で抗議活動を行うという。
 ただ、中国側は、外国人の死刑囚に対しては一定の配慮をしているとの見方もある。中国の刑事法に詳しい王雲海・一橋大教授は、「中国人の死刑囚の場合、判決確定から1~2か月で執行されることも多い。赤野死刑囚は確定から1年近く刑が執行されておらず、外国人に対しては慎重に刑を執行している可能性がある」と話している。
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 鳩山首相は執行前の6日朝、首相公邸前で記者団に対し、「司法制度の違いとはいえ、日本から見れば残念なことだ。ただ、いかんともし難いところもある」と述べた。.最終更新:4月6日14時22分

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