東京地検「西松献金、国民を欺く行為」悪質性を強調…検察OBの評価分かれる

2009-03-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

「やや乱暴では」「一罰百戒の意義」…検察OBの評価分かれる
3月25日2時21分配信 読売新聞
 小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件。検察OBの間では、今回の特捜部の捜査に対する評価が分かれている。
 東京地検の特捜部長時代にゼネコン汚職事件の捜査を指揮した宗像紀夫・中央大法科大学院教授は、「特捜部は、従来の価値基準を変えて摘発した」と批判的だ。「政治資金規正法上、最も悪質なのは、収支報告書に記載しないヤミ献金。今回は、献金自体は記載されており、透明化の義務はある程度果たされていた」と指摘。さらに、「政治状況が緊迫する今、いきなり野党第1党の党首の秘書を逮捕したのは、やや乱暴だったのではないか」と疑問を投げかけた。
 自民党長崎県連の違法献金事件(2003年)の捜査に携わった元検事の郷原信郎・桐蔭横浜大法科大学院教授も、「西松建設の政治団体がダミーなら、例えば業界団体が設立する政治団体はどうなのか。今回の事件が違法だとしても、ヤミ献金ではないので悪質性は低く、罰金刑が妥当。検察は、なぜ今回の事件を摘発したか十分に説明する義務がある」と指摘した。
 一方、元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長は、「規正法は、政治と企業の癒着構造をただそうと、改正を重ねてきた。企業献金にダミーの政治団体を使うような、手の込んだ犯罪を立件したことは、一罰百戒的な意義がある」と評価。その上で「捜査がこれだけで終わるとは考えられない」との見方を示した。
 元東京地検特捜部長の河上和雄弁護士も、「見返りを期待する企業が、その姿を巧妙に隠して献金した極めて悪質な事件。政治腐敗の温床となってきた企業献金のあり方が問われている中で、特捜部の摘発は当然だ」と意義を語る。さらに、「資金管理団体に加え、政治家の『第2の財布』である政党支部への献金も立件され、両団体の代表者である小沢代表の責任は免れないだろう」と話した。  最終更新:3月25日2時21分
---------------------------------
【西松献金】「国民を欺く行為」検察が悪質性を強調
3月25日1時1分配信 産経新聞
 「収支報告書の虚偽記載は、国民を欺き、政治的判断をゆがめるものにほかならない」-。小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(47)らを起訴した東京地検の谷川恒太次席検事は24日夕、佐久間達哉特捜部長とそろって記者会見に臨み、事件の悪質性をこう強調した。逮捕の時期などについて質問が集中し、会見は約1時間に及んだ。
 記者会見場となったのは、検察合同庁舎11階の会議室。谷川次席は冒頭、書面を読み上げる形で、政治資金規正法について「政治資金をめぐる癒着や腐敗の防止のため、政治団体の収支の公開を通じて、『政治とカネ』の問題を国民の不断の監視と批判のもとに置くことを目的とした、議会制民主主義の根幹をなすべき法律」と意義を述べ、異例の“解説”を行った。
 その後、佐久間部長が質問に応対し、この時期の着手に「重大性、悪質性を考えると、衆院選が秋までにあると考えても放置することはできないと判断した」と淡々とした表情で述べた。また、「われわれが政治的意図をもって捜査することはありえない」と断言。自民党議員らについては「捜査すべきものは捜査するとしか言えない」と述べるにとどめた。
 一方、起訴を受けて法務・検察の首脳らは「証拠に基づいて処理しただけだ」と一様に冷静な反応。民主党内からの捜査批判について、ある幹部は「小沢氏は(与野党の議員が起訴された)リクルート事件などをみてきて、与党であれ野党であれ、捜査対象になることはよく知っているはず」と疑問を呈していた。
-------------------
小沢氏秘書を起訴 3千5百万円虚偽記載の罪 献金事件
2009年3月25日3時19分
 準大手ゼネコン「西松建設」から民主党の小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件で、東京地検特捜部は24日、小沢代表の公設第1秘書と会計責任者を兼ねる大久保隆規(たか・のり)容疑者(47)が、同社の献金計3500万円を収支報告書に虚偽記載したとして、政治資金規正法違反の罪で起訴した。特捜部は、他の不正資金の解明のため、捜査を継続する方針だ。
 起訴状などによると、大久保秘書は、規正法では他人名義での献金や政党側以外への企業献金を禁じているにもかかわらず、実際には西松建設からの献金と知りながら、03~06年分の陸山会の政治資金収支報告書に、同社OBが代表をしていた二つの政治団体から計2100万円の寄付を受けていたように装う虚偽の記載をしたとされる。また、大久保秘書は「民主党岩手県第4区総支部」の会計業務も実質的に管理しており、政党支部の03~06年分の収支報告書にも計1400万円の虚偽記載をしたという。
 特捜部は、ゼネコン各社の調べなどから、大久保秘書が西松建設からの献金の見返りに東北地方の大規模公共工事の受注調整に介入し、便宜を図っていた疑いが強く、献金の悪質性が高いと判断したとみられる。
 また、小沢代表側へ違法な献金をしたとして、特捜部は西松建設前社長の国沢幹雄容疑者(70)=外国為替及び外国貿易法違反罪で起訴=も政治資金規正法違反罪で追起訴した。共犯容疑で逮捕していた岡崎彰文・同社元総務部長(67)については関与が従属的だったとして処分保留のまま釈放した。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。