三冠王は講演王だった〝金言〟連発に聴衆はヤンヤの大喝采 落合博満(前中日監督)の面白すぎる講演会

2012-07-30 | 相撲・野球・・・など

三冠王は講演王だった!〝金言〟連発に聴衆はヤンヤの大喝采 落合博満(前中日監督)の面白すぎる講演会に本誌、潜入ッ!
現代ビジネス2012年07月29日(日)フライデー 
 予定を1時間オーバーして3時間も直立のまま話し続けた落合氏。資料の類は何一つ持ち込まずに、毎回違う内容を語るのがオレ流だ
 「最近の週刊誌でビックリしたのは、オレが『ナベツネさん(渡邉恒雄巨人軍球団会長)とメシ食った』って記事。そんなのオレ、知らないよ。あることないこと記事になるんだから」
  その第一声に、会場を埋め尽くした2500人の聴衆がドッと沸く。さすがは泣く子も黙る三冠王。ツカミは上々だ。結論から言うと、落合博満(58)の講演会は確かに面白かった---。
  中日で指揮を執った8年間で優勝4回、日本一1回という抜群の実績を誇る落合氏だが、在任中はとにかく無表情とダンマリを貫いていたのは周知の事実。ところがユニフォームを脱いだ今や、あの野村克也氏に代わる新たな〝講演王〟の座を掴みつつあるというのだ。
 「落合さんは今年、講演会だけで1億円近く稼ぐはずですよ。人気と知名度が高いのは言うに及ばず、一本あたりのギャラが300万円と言われるノムさんよりは安く済むとなれば、主催者が重宝するのも当然でしょう」(スポーツ紙担当記者)
  というわけで本誌は7月16日に横浜市内のホールで行われた講演会に潜入取材を試みた。以下、落合氏の軽妙なトークを〝再生〟してみよう。
■中日の次期監督はあの最年長左腕かも
 「今日の会場は神奈川県ということで、神奈川出身といえばマサ(山本昌)ですね。あいつは疲れてくると、マウンドの周りをぐるぐる回って間をとる。これ、『代えてくれ』って信号なんです。なのに試合後には、新聞記者に『もっと投げたかった』とか言ってる(笑)」
「そこへいくと(川上)憲伸は、負けてる試合だと意地でもマウンドを降りようとしない。そのかわり8回終わって1点でも勝ってたら『岩瀬(仁紀)お願い』って必ず言う。あの二人、メチャクチャ仲がいいんです。ず~っと一緒にいる」
  かつての愛弟子へは舌鋒も鋭くなるというもの。続いては野手陣への口撃だ。
 「ベンちゃん(和田一浩)はボール気味の球をストライク判定されると、すぐ不服そうなジェスチャーする。しかもベンチに戻ってきて『今のボールだよな?』って周りに聞くんです。西武にいた時からずっとそう。井端(弘和)も微妙な判定の時はベンチを見て助けを求める。家を探してるネコじゃねえんだから(笑)」
  高木守道監督と権藤博投手コーチの〝不仲〟が囁かれる現首脳陣には・・・・・・。
 「高木さんと権藤さんが殴り合わないか心配だね。あのカップリングは(相性的に)どだいムリ。次期監督?知ってる人は知ってる話だけど、あの球団の中は立浪(和義)擁立派と山?(武司)擁立派で戦ってるんです。これ以上こいつらを争わせないためにはマサ(山本昌)が次期監督ってのも、あるんじゃないの」
  監督として好結果を残し続けたものの、フロントとの確執が原因でユニフォームを脱いだことから、こんな毒ガスも。
 「名古屋での講演会は簡単ですよ。『ここの(中日の)OBは使えない』って言っときゃいいんだから」
 ■野球教室やる奴は無責任の極みだよ
  落合氏の講演会が盛況な理由の一つには「毎回違う話をする」というオレ流ルールがあるという。なぜ、そんな〝縛り〟を入れているのかというと・・・・・・。
 「オレの〝追っかけ〟っているんです。その人たちに『(講演会で)同じ話はしないからね』って約束したの。聞き飽きたなんて言われたら癪に障るんで」
  負けず嫌いが高じて、自分に厳しいハードルを課している落合氏。ここからは氏の人間味が窺える発言を紹介しよう。
 「野球教室やりませんかって依頼がよくあるけど、オレは絶対やらない。たった1時間かそこらで子供の将来を左右しちゃダメでしょ。子供たちが『プロがこう言ったから』なんて言い出したら、普段から教わってる監督やコーチの言うことなんて、もう聞きませんよ。だからね、野球教室ってのは無責任なんです」
  '87年には史上初の1億円プレーヤーとなり、長らく球界の稼ぎ頭として君臨した落合氏。気になる資産状況は・・・・・・。
 「オレ、おカネは持ってないけど箱モノは持ってます。ロッテにいた時に世田谷に家を建てたら2年後にトレードで中日に行って、それから7年間ずっと空き家だった。普通だったら売るんだろうけど、オレ、一回懐に入れたものは絶対に手放したくないんです。(バブル期は)一坪1200万円した土地ですからね。畳2枚でその値段ですよ。景気いい時に売っときゃよかったって思いますけどね」
 また、監督として好成績を収めたウラには、こんな悩みもあったそうで。
 「オレは外国に行かない。英語しゃべれないから。外国人選手には『ここは日本なんだから日本語で話せ。オレが逆の立場なら、そうしてる』って言ってたんですよ。だから行けない(笑)。優勝したり日本一になると優勝旅行があるんだけど、ホントに行きたくなかった」
■日ハムのアイツ、三冠王あるかもよ
  現役時代は卓越したバットコントロールで鳴らした落合氏にとって、訪れた土地によってトーク内容に変化をつけるなど造作もないこと。この日はセ・リーグ最下位を独走する横浜DeNAを強化するべく、極めてシンプルな提案を。
 「強くするには練習するしかない。練習には監督の色が出るんです。現役引退してから各球団のキャンプを見て回ったけど、身の入った練習してるのはダイエー(現ソフトバンク)だけだった。当時の監督が、パンツ一丁で畳が擦り切れるまで素振りしてた人(王貞治氏)だもん。キヨシ(中畑清)も頑張れよな」
  練習以前の問題、という選手も目につくようで・・・・・・。
 「ブログやってる野球選手ってたくさんいますよね。そんなヒマあったらバット振れよ。考えろって。だいたい野球選手に頭のいい奴なんていませんけどね。頭よけりゃ、こんな仕事しませんよ。新幹線は『ひかり』と『こだま』で違うレールを走ってると思ってる生き物だから」
  最後に会場からの「三冠王に一番近い現役選手は?」という質問に、こう回答。
  「いません!まずホームランを打てる選手でないと権利がない。だから、しいて言えば日本ハムのあのデカイ奴・・・・・・誰だっけ? あー、中田翔。ただ、物事には予備動作ってものがあるって、誰か教えてやれよ。あんなキカイダーみたいな打ち方(ノーステップ打法)じゃ駄目」
  よもや打率.202(7月17日現在)の中田翔とは、予想外の名前に会場から「オ~ッ」と声が上がる。悩める大器もオレ流指導を受ければ覚醒間違いナシ、かも。
  こうして大々盛況のうちに幕を閉じた三冠王の講演会。値段(全席3000円)以上の充実感アリ、と実感できました。

   

 会場を後にする落合氏。ちなみにサングラスはスウェーデン王室認定の高級ブランド「ポラリス」製だ
 「フライデー」2012年8月3日号より
=========================================
◆ “落合株”が急騰中!中日高木守道監督“乱心”のトホホ 2012-07-07 
----------------------------------------
◆ 「落合博満前監督から学んだこと」谷繁元信・中日ドラゴンズ捕手 2012-01-27  
-------------------------------------
◆ 森繁和(前中日ヘッドコーチ)が明かす「負けない〝オレ流軍団〟の作り方」落合を支えた参謀が初めて語った 2012-05-08 
-------------------------------------
◆ だからプロ野球は面白い 中日・森繁和元ヘッドコーチが初めて明かす 『参謀』--落合博満は何が違うのか 2012-04-13 
-------------------------------
◆ 「『勝つことが最大のファンサービス』と言った落合前監督の言葉は、正にその通り」中日選手会長 吉見一起 2012-02-09 
 ファンサービスのサイン攻めに選手は「勘弁してよ」
 日刊ゲンダイ2012年2月9日
---------------------------------------
他の監督とはここが違う 落合博満だけに見えるものがある 2011-11-03 
===========================
             
『采配』落合博満/孤独に勝たなければ、勝負に勝てない/3つの敵/「負けない努力」が勝ちにつながる 2011-11-25


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。