『友罪』元少年A 神戸児童連続殺傷事件を彷彿 映画化 2018/5/25 全国ロードショー

2018-04-11 | 本/演劇…など

生田斗真×瑛太W主演「友罪」特別映像解禁『友達なら教えてくれよ…何やったのか』
2018/04/11 18:00 ザテレビジョン
 同作は、ミステリー界の旗手・薬丸岳が2013年に発表し、神戸児童連続殺傷事件をほうふつとさせて話題を呼んだ同名小説を映画化。
 メガホンを取ったのは、「64-ロクヨン-前編/後編」(2016年)などヒット作を連発する瀬々敬久監督。今回は主演2人に加え、佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子ら日本映画界を代表する名優が集結した。
 ある町工場で働き始めた、元週刊誌ジャーナリストの益田(生田斗真)と、他人との交流をかたくなに避ける鈴木(瑛太)。共通点は何もない二人だが、同じ寮で暮らすうちに少しずつ友情を育てていく。
 そんな折、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、世間では17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が指摘される。
 当時14歳だった犯人の少年Aはすでに出所しており、その後の行方を知る者は少ない。
 驚きと疑問に突き動かされ、ネットに拡散していた少年Aの写真を見た益田は愕然とする。そこにはまだ幼さの残る鈴木が写っていた。
 かつて世間を震撼させた事件を起こした少年Aの”その後”と周囲の人々の葛藤。
 それぞれの過去と現在が絡み合い、疑心や後悔に囚われた様々な人間模様が交錯し、やがて人間存在の謎に満ちた深みへと導く、ヒューマンサスペンス。
 解禁された劇中カットでは、そんな答えのない友情にもがき苦しむ益田に、優しく手をかけ静かにほほ笑む鈴木の姿が映し出される。
 元ジャーナリストではなく、親友として、そして同じく心に罪を抱えた者として鈴木の気持ちが知りたいと願っっていた矢先、ある些細なきっかけで不本意ながら鈴木の存在を蔑ろ(ないがしろ)にしてしまう益田。
 俯き、涙を浮かべ「ごめん…」と謝る益田に鈴木は何も語らず、肩にそっと手をかける。二人が醸し出す空気感から単なる友人関係を超えた2人だけの深層に潜む、純粋な友情が垣間見える1枚だ。
 併せて解禁された、劇場ロビー用特別映像に収録されたメイキング映像では瀬々監督と共に真剣な表情で撮影に挑む生田斗真と瑛太の姿が。
 緊張感漂うシーンの撮影中、益田が抱える様々な葛藤に共鳴し、自然と涙が止まらないことがあったという生田は「益田という人物も、友人の鈴木と同様に過去の罪を背負って生きている。一筋縄ではいかないキャラクターだったと思います」と語る。
 続く瑛太も「罪を背負いながらも、償うということが分からない人間でも映画の2時間位の中で変化していく。それは、自分の中で作っていきたいと思いながらやっていた」と振り返る。
 そして監督は「直観的な瑛太さんに対して、生田さんはテストから本番へ役を仕上げていく。そういう、ある意味存在として真逆な2人が化学反応を起こしている瞬間を、現場では何度も見ることができ、それは良い時間でした」と充実した撮影当時を語った。
 また各界から絶賛コメントも到着。
*久米宏 コメント
 人の、罪の意識や絶望に想いを馳せる能力は、希望を理解する力と同じものかも知れない。
 人間の絶望や、あまりにも深い悲しみを理解するということは、自分の生きる勝ちを分かることに繋がるという希望を持ちたい。
 最後の数分間に魂を揺さぶられる。
*松崎健夫 コメント
 相手が本当に友達なのかが不確かであるように、心の傷もまた相手にとって不確かであるという深淵を「友罪」は直視させる。

「友罪」
2018年5月25日(金) 全国ロードショー
 監督・脚本:瀬々敬久
 原作:「友罪」薬丸岳(集英社刊)
 出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市
 配給:ギャガ
(C)薬丸岳/集英社
(C)2018映画「友罪」製作委員会
 公式サイト:こちらから

 ◎上記事は[NewsWalker]からの転載・引用です
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薬丸岳著 『Aではない君と』 『友罪』=神戸児童殺傷事件を彷彿させる 
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『友罪』薬丸 岳著
 PRESIDENT 2013年8月12日号

  
  薬丸 岳(やくまる・がく)
 1969年、兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。著書に『闇の底』『虚夢』『刑事のまなざし』『悪党』『ハードラック』『死命』『逃走』などがある。
 
 怒りが、これまで小説を書く原動力だった、と薬丸岳さんはいう。
 「でも、今回は違うんです。怒りだけではなく、様々な考え方を提示して、ひとつの問題を俯瞰できる物語にしたかった」
 処女作『天使のナイフ』以来、薬丸さんは、罪に問われない少年や精神障害者の犯罪、犯罪被害者と加害者の問題などを題材にしてきた。「ぼく自身は犯罪に対して厳罰派」と語る薬丸さんが、これまでの作品で描いてきたのは犯罪の“罪と罰”。
 本書は、神戸連続児童殺傷事件を連想させる黒蛇神事件と呼ばれる少年事件の“その後”の物語だ。もしも友人が過去の凶悪犯罪の加害者だったら――。デビュー前から抱いていたテーマだったという。
 ジャーナリストの夢を諦めて機械加工工場で働く青年・益田純一は、同じ日に入社した同い年の鈴木と出会う。取っつきにくい鈴木と徐々に打ち解けていく益田は、あるきっかけで黒蛇神事件を調べ、鈴木が加害少年なのでは、と疑念を抱く。
 友人で居続けるか悩む益田の葛藤に、こんな思いが湧き上がってくる。もしも自分なら、と。
 「いつも自分なりの答えを探しながら小説を書きますが、なかなか答えは出ません。ただ、たとえ答えがなくても考え続けることが大切だと思うのです」
 物語は、月刊誌に掲載された益田の手記で締め括られる。〈おれたちの情報網から逃げられると思うな〉とネット上に匿名で書き込まれ、個人情報が晒される時代だからこそ、実名での手記発表に踏み切った益田の決断の意味は重い。
 様々な考え方が存在し、答えがない問題を問う本書の刊行について薬丸さんは「正直、怖かった」と語る。だからこそ、覚悟が、伝わってくるのだ。
 「ラストは手記で、とは初めから決めていました。けれども、最後の最後までどんなメッセージにするか悩みました。ぼく自身、鈴木を許したわけではありませんが、死んでほしいとは思わなかった。生きて過去と向き合ってほしい、と」(小原孝博=撮影)

 ◎上記事は[PRESIDENT On line]からの転載・引用です
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『Aではない君と』薬丸岳著 講談社文庫 2017年7月14日 第1刷発行 
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『絶歌』元少年A著 2015年6月 初版発行 太田出版 (神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗) 

   

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