オウム元死刑囚の家族は今 土谷正実元死刑囚の母・横山真人元死刑囚の兄・端本悟元死刑囚の母・・・

2018-08-09 | オウム真理教事件

オウム元死刑囚の母「ごめんなさい。ごめんなさい」と繰り返す姿に隣人らの反応は
週刊女性2018年8月21・28日号 2018/8/8
「申し訳ありません。まだ心の整理がついていませんので、申し訳ありませんが……」
 東京拘置所で7月6日に死刑が執行された土谷正実元死刑囚(享年53)の母親は同31日、小さく消え入るような声でインターホン越しに話した。
 執行直後に訪ねたとき、名乗っただけで窓をピシャッと閉められた。そこで取材の意図を綴った手紙をポストに投函し、再訪すると、冒頭のように丁寧に答えたのである。
*死刑囚らの家族はいま
 土谷元死刑囚は、地下鉄サリン事件などで死者29人、負傷者6500人以上という戦後最大級の集団無差別殺傷事件を起こしたオウム真理教に出家し、大量殺戮兵器のサリンなどを製造した幹部だった。遺骨は実家へは戻っておらず、獄中結婚した一般人の妻が引き取ったとされる。
 実家は東京都町田市の郊外にある。約50年前に一戸建てを購入した両親と3人の子どもで暮らしていた。
 しかしーー。
「地下鉄サリン事件の直後に父親は体調を崩して60歳ぐらいで亡くなり、弟や妹も幸せになったとは聞いていない。妹は一時、海外へ渡っていたけどね。かわいそうだから、そっとしておいてあげて」
 と近所の主婦。
 現在は母親ひとりでほとんど外出せず、買い物も配達してもらうなどして、ひっそりと暮らしているようだ。
「わが子が死刑になったのだから、悲しい気持ちぐらいは公言してもいいんでしょうが、事件の犠牲者やいまも苦しんでいる被害者のことを考えて、発言を控えているんでしょうね」(近所の男性)
 また、地元の中学時代の同級生は、「土谷はとにかく頭がよかったのに、こんな亡くなり方をするなんて」と、早世を惜しんだ。
 7月6日には、教祖だった麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚(享年63)と土谷元死刑囚など幹部7人の刑が全国4か所の拘置所でいっせいに執行された。
「東京拘置所には報道陣が詰めかけて騒然としたが、正門が見える遠めの場所に麻原の写真を置いて、缶チューハイを供えてお祈りする男性もいた」(大手新聞社の記者)
 オウム真理教の流れをくむアレフの施設周辺はいまだ厳戒態勢だ。東京都足立区入谷の本拠施設近くの住民は言う。
「施設は約8年前にできた50人ほどの出家者の宿泊所兼道場です。執行後は特に不審な動きはないけれど、やはり住民としては気持ち悪いですよ。休日には右翼の街宣車が来て“人殺しは出ていけ!”とやっていますしね。
 子育てには最悪の環境なので、子どもの数がどんどん減って、近くの小学校は廃校になったし、施設のせいで地価が暴落しているので出ていこうにも家が売れない。最悪です」 と話す。
 別の男性住民は、
「オウムのあとを受け継いでいるのに、遺族や被害者の補償はあまりやっていないでしょう。財産は結構あるみたいだから徹底的に絞り上げるべきですよ」
 と主張した。
 アレフの末端信者は執行をどう受け止めているのか、出入りする信者6人に声をかけてみた。ところが、いずれも取材拒否。半数は口を開くこともなく、目はうつろだった。
「そっとしておいてあげて」と近隣住民
 7月26日には残る6人の死刑が執行された。地下鉄サリン事件の実行犯のひとりだった神奈川県伊勢原市の横山真人元死刑囚(享年55)の実家を訪ねると、1歳上の兄が玄関で取材に応じた。
「父が死刑のショックで体調を悪くしましてね。父はもともと認知症ですし、母は心臓が悪く、私が面倒をみている状態なので、すいませんが……。遺骨は戻っています。ええ、引き取りにいきました」
 とだけ話した。
 端本悟元死刑囚(享年51)はオウムに入信した友人を救出するために、同教団に潜入したが、ミイラとりがミイラになってしまった。入信直後、事情がわからないままに坂本弁護士一家殺害、松本サリン事件などに手を染めたとされる。東京都八王子市の自宅では、母親が玄関の扉を開けて、
「ごめんなさい。誰にも話さないことにしておりますので、ごめんなさい」
 と何度も謝った。
 近所の住民の多くは、
「そっとしておいてあげて」
 と端本家をかばう。近所ぐるみで死を悼んでいる様子さえあった。ご近所の同情を誘うほど、母親にとってはつらい23年間だったのだろう。
 学生時代に“ノーベル賞をとれる逸材”と言われながら、道を誤って地下鉄サリン事件の実行犯となってしまった広瀬健一元死刑囚(享年54)。実家は38年前、埼玉県三芳町に建てられたマンションで、いまも両親が暮らしている。3日間、訪ねたが、ずっと留守のようで、1度も応答がなかった。
 教祖以外の元死刑囚12人は、希代の詐欺師たる麻原元死刑囚の洗脳の被害者という側面もある。しかし、元死刑囚の家族は一様に、人目を忍んでひっそりと生活しながら、頑なに悲しみを表現しようとはしなかった。命をもって罪を償ってもなお、許されないと感じているのか。
 死刑囚の家族周辺からも、
「彼らは仏さまにはなれないよ。地獄に落ちているだろうからね」
 という意見があった。
(フリーライター山嵜信明と週刊女性取材班)
〈PROFILE〉
やまさき・のぶあき ◎1959年、佐賀県生まれ。大学卒業後、業界新聞社、編集プロダクションなどを経て、'94年からフリーライター。事件・事故取材を中心にスポーツ、芸能、動物などさまざまな分野で執筆している

 ◎上記事は[週刊女性PRIME]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖
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