オウム死刑囚移送(2018/3/14~15) 法務省 秘密保持図る

2018-06-17 | オウム真理教事件

2018年6月16日 中日新聞 朝刊
オウム移送「訓練」名目  法務省 職員動員 秘密保持図る
 オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した13人のうち7人を、3月に東京拘置所から他の施設に移送した際、法務省が当初「広域警備訓練」名目で職員を動員していたことが16日、情報公開請求で開示された文書や同省への取材で分かった。奪還防止や秘密保持を図ったとみられ、直前に訓練ではなく、実際に移送すると各地の刑事施設に通達していた。死刑囚の移送の概要が判明するのは異例。
 文書や取材によると、東京拘置所長が3月1日、法務省矯正局長宛てに移送を上申。①当所が知り得ない人間関係もあると思われ接触を特に厳格に遮断する必要がある②死刑確定者の奪還を目的とした侵害行為の発生が危ぶまれる③不適切な外部との連絡を見逃した場合は社会全体の治安を揺るがす事態につながる恐れもある---と理由を挙げ、「対応に相当な負担が生じている」とした。
 その上で、教団関係者の裁判が1月に終結したことを指摘し「当所で全員の収容を継続する必要性が高いとは認め難い」と分散移送を求めた。
 矯正局は移送2日前の3月12日、関係先に14日と15日に広域警備訓練を実施すると文書で通知。13日になって訓練の中止を告げ、7人を移送すると伝えた。
 東京拘置所長らに宛てた矯正局長の通達では「事故の防止はもとより、部外者に安易に察知されないよう特段の注意」を払うよう要請。警備担当者の装備や携行品に関する記述は非開示だった。
 関係者によると、ある死刑囚は13日夜に移送を告知されて転房を求められ、14日早朝からの移送に備えたという。結局、14、15日の2日間に7人が移送された。
 麻原彰晃死刑囚(63)=本名・松本智津夫=ら6人は引き続き東京拘置所に収容されている。

  ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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オウム死刑囚、7人の移送先 2018/3/15 
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オウム 中川智正死刑囚「移送される」「これが最後の面会かも」 移送前日(2018/3/13)、面会に 
  産経ニュース 2018.3.14 11:46更新
【オウム死刑囚】中川智正死刑囚「移送される」「これが最後の面会かも」移送前日、面会に
 松本、地下鉄両サリン事件などに関わった中川智正死刑囚(55)は移送前日の13日、東京拘置所で教団による事件を研究する毒物学者、アンソニー・トゥーさん(87)と面会し「これが最後の面会になるかもしれない」と語っていた。覚悟を決めた様子だったという。
 米コロラド州立大名誉教授のトゥーさんは、2011年から面会を重ねてきた。死刑囚が弁護士や親族以外と面会するのは異例で、研究のためとして特例で許可された。
 トゥーさんによると、13日の面会が始まった直後、中川死刑囚が「移送される可能性がある」と切り出した。
 初めて会って以降、中川死刑囚は事件のこと以外、ほとんど口にしなかったため、トゥーさんは意外に感じた。
 30分ほどの面会中、中川死刑囚は穏やかな態度を崩さず、時折笑みも浮かべた。
 トゥーさんが別れ際、可能なら今後も会いたいと伝えると「ありがとうございます」と応じたという。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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「死刑執行、教祖(麻原彰晃死刑囚)から」という声もあるが---【63年法務省矯正局長通達】に見る行刑の苦難
〈来栖の独白 2018.2.26 Mon〉
 同一事件とはいえ、13名の死刑を同日、同所で執行するのは困難だろう。予め、他の拘置所に分散収容するのも、問題がある。死刑囚たちの動揺は免れまい。
 数名ずつ、何年かかけて、執行してゆくのだろうか。いずれにしても、「精神の安静裡に死刑の執行を受けることとなるよう配慮さるべきこと」との63年法務省矯正局長通達を期することは、よほど困難だ。
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「死刑執行、教祖から」と江川紹子氏は云うが・・・/【63年法務省矯正局長通達】に見る行刑の苦難
〈来栖の独白 追記〉
 上掲タイトルのように、江川氏は、死刑執行「教祖から」と云われる。
 死刑執行の現場から考えてみたい。同一事件でも、死刑確定の時期によって刑執行の期日にズレはある。オウム真理教事件のように死刑囚が多勢になれば、全員同日執行は余程の困難が予想される。
 期日をずらせばずらしたことにより、拘置所の管理運営は困難を極める。(たとえば、外部交通を遮断したとしても)自分と同事件の死刑囚が執行されたことを耳に入れずに済ませることは、不可能であろう。耳に入れば、死刑囚は動揺する。心情の安静は保ちにくい。いずれしても、拘置所職員の労苦は、並大抵ではないだろう。
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