死刑に参加した刑務官が明かす…落下直後の死刑囚を見つめる「精神的負担」と言い表せぬ「恐怖感」

2022-07-17 | 死刑/重刑/生命犯

死刑に参加した刑務官が明かす…落下直後の死刑囚を見つめる「精神的負担」と言い表せぬ「恐怖感」
  2022/7/17(日) 20:02配信 現代ビジネス
 確定死刑囚3人の刑が昨年12月21日午前に執行された。死刑執行は2019年12月以来とおよそ2年ぶりで、岸田政権の発足後は初めてとなる。今回の執行を受け、確定死刑囚は108人となった。
 日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』を取り上げる。

過酷な仕事の数々
 一之瀬さんが取材したM刑務官は、死刑に立ち会う刑務官の中でも過酷な仕事について以下の3つを挙げている。

(1)死刑執行後、落下位置で死刑囚をキャッチする
 「死刑囚の体が触れないように、二人一組で押さえなくてはならない」(M刑務官、以下同)
(2)死刑執行後、縄が揺れないように上部で押さえる仕事
 「執行室でも縄が揺れないように、死刑囚が死亡する数十分の間、縄を押さえる必要がある」
(3)執行ボタンを押す仕事
 「言わずもがな、いくつかのボタンの内にどれか1つが床が抜ける動作のスイッチになっている。手を下したという強いストレスのある仕事です」
 多大な精神的負担を伴う執行ボタンを押す仕事だが、じつはボタンを押した後にも、さらなる仕事が待っているのだという。どういうことだろうかーー。

12~15分ほど見届ける
 死刑の際、バタンコ(刑場の落下床)の落下地点の地下で、落ちてくる死刑囚を、刑務官がキャッチする。その後しばらくすると、執行ボタンを押した刑務官たちが遺体の回収に向かう。つまり彼らは、死刑囚が完全に死亡するまで立ち会わなければならないのだ。
 「落下直後、死刑囚の心臓はまだ動いており、意識は無いが生きている状態です。その心臓がだんだんと動かなくなっていくのを見続けるのは、精神的拷問以外の何者でもない。自分が執行ボタンを押した死刑囚が死んでいくのを12~15分ほど見届けると、全員で遺体を抱え、清拭し棺桶へと横たえるのです」
 M刑務官は「自分が手を掛けた遺体を見るのは、言葉では言い表せない恐怖感がありました」と当時を振り返った。

 * * *
 本記事では死刑の現場で任務にあたる刑務官の仕事について取り上げた。死刑制度は賛否両論があり、どちらの考え方が正しいという性格のものでもない。だからこそ、今一度「死刑」について深く考えるきっかけになるかもしれない。

   最終更新:現代ビジネス 
 
 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です

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