「朝日町中3女子殺害事件」検察の控訴棄却 少年に懲役5年から9年の不定期刑 名古屋高裁 2015/9/17

2015-09-17 | 少年 社会

朝日町事件 検察の控訴棄却
 NHK 東海 NEWS WEB 09月17日 19時48分 
 おととし、三重県朝日町で中学3年の女子生徒を死亡させ、現金を盗んだ罪に問われた元少年に対し、2審の名古屋高等裁判所は「1審の判断が軽すぎて不当とまではいえない」として検察の控訴を退け、1審に続いて懲役5年から9年の不定期刑としました。
 おととし8月、朝日町で花火大会から帰宅する途中の中学3年の女子生徒が、背後から口を押さえられるなどの暴行を受けて死亡し、財布から現金6000円が盗まれました。
 当時、高校3年だった20歳の元少年が起訴されて、検察が懲役5年から10年の不定期刑を求刑しましたが、ことし3月、1審の津地方裁判所が懲役5年から9年の不定期刑を言い渡したため検察が控訴していました。
 17日の2審の判決で名古屋高等裁判所の木口信之裁判長は「1審では元少年の思慮の乏しさや資質上の問題が事件に一定の影響を与えたと判断して、不定期刑の上限を9年にしたと理解できる。これが軽すぎて不当とまでいえない」として検察の控訴を退け、1審に続いて懲役5年から9年の不定期刑としました。
 判決のあと木口裁判長は元少年に対し「改めて、責任の大きさを自覚してもらいたい」と語りかけました。
判決のあと女子生徒の両親が名古屋市内で記者会見しました。
 この中で、父親は「少年がやったことは極めて残忍なのに判決が検察の求刑を下回る理由について、裁判所にはきちんと説明してほしかった」と話しました。
 そして今後、上告を求める考えはないとしたうえで「娘が亡くなってからここまで支えてくれた多くの方々にお礼を言いたい。これから日々、あの子の分まで生きていきたい」と話しました。
 判決について名古屋高等検察庁の米村俊郎次席検事は「検察官の主張が認められなかったことは遺憾である。判決を慎重に検討し、今後の対応を決定したい」というコメントを出しました。
 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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産経ニュース 2014.3.8 12:00更新
【衝撃事件の核心】「18歳少年」はこうして捜査線上に浮上した…三重女子中学生殺害、“嘘のアリバイ”は刑事に崩された
 「いきなり浮上したわけではない」
 三重県警の捜査幹部は静かに語った。昨年夏、三重県朝日町で、花火大会帰りの中学3年の女子生徒=当時(15)=が殺害された事件は、目撃情報に乏しく捜査の難航も予想されていただけに、発生から約半年で少年(18)が逮捕される事態は一見、急展開したかのようにみえた。だが、水面下では少しずつ、着実に、捜査の手が少年に及んでいたのだ。帰宅時間の矛盾などから「アリバイ」にほころびが見え始め、遺留品に残された指紋などから容疑は決定的に。任意同行された当初こそ関与を否定していた少年だったが、証拠の数々を突きつけられると、観念したのか「私が犯人です」と容疑を認めたという。
*アリバイ崩れ…
 「ご同行願います」
 3月2日午前、三重県鈴鹿市内の路上。三重県警の捜査員が声をかけたのは、父親と買い物に出かけていた長身の少年だった。
 前日に県立高校の卒業式を終えたばかり。捜査員の接触に驚いた表情を浮かべた少年だったが、任意同行に応じた。午前8時50分ごろ、事件の捜査本部が置かれている四日市北署とは別の、四日市南署に入った。
 事情聴取で少年が持ち出したのはアリバイだった。
 まず、事件の概要はこうだ。
 《女子生徒は昨年8月25日、四日市市内の花火大会の見物に出かけ、同日午後10時半ごろ、自宅最寄りのJR朝日駅で下車。友人と別れ、県道を歩いて自宅に向かった後、行方不明になった》
 これに対し少年は8月25日夜の行動について、こう説明した。
 《午後8時半ごろまで、四日市市内の友人宅の高層マンションから花火大会を見物した。終了後、自転車で帰宅し、午後10時ごろには朝日町の自宅に着いていた》
 女子生徒が事件に巻き込まれたとみられる時間帯にはアリバイがあり、事件とは無関係であると主張していたという。
 しかし、これまでの丹念な捜査の積み重ねから、捜査本部には矛盾点が見えた。
 例えば、現場近くのスーパーに少年が立ち寄った形跡があったこと。店の防犯カメラを精査すると、午後10時以降も同店に滞在する姿が記録されていた。これに、一緒に花火を見た友人の話なども総合すると、「午後10時ごろには帰宅していた」との少年の説明が虚偽である可能性は高かった。
 客観証拠も見つかっていた。女子生徒の所持品から、少年の指紋が検出されていたのだ。少年と女子生徒に面識はなく、犯行時以外に所持品に触れる機会はなかったとみられる。
 追い込まれた少年はこう話したという。
 「私が犯人です」
 任意同行から半日以上が経過した午後9時半ごろ、捜査本部は少年を強盗殺人などの疑いで逮捕した。
*事件の夏以降も変わらず登校
 少年は、女子生徒の遺体が見つかった空き地から徒歩で10分程度の民家に住んでいた。中学では野球部に所属し、自宅前で父親とよくキャッチボールする姿が目撃されていた。祖父母と両親、妹2人の7人暮らしで、家族仲も良好だったという。
 逮捕に驚きを隠せないのが中学・高校時代の同級生ら。
 「そんなん嘘やろ」
 「信じられない」
 少年の事情聴取が報じられた後から、無料通信アプリ「LINE(ライン)」では、同級生らのこんな言葉が飛び交った。
 逮捕前日の卒業式では、率先して写真撮影や寄せ書きを書くなどし、最後まで仲間との別れを惜しんでいたという少年。気の強い仲間からしばしば体をこづかれるなど「いじられキャラ」としての一面もあったが、卒業の記念冊子に「いじってくれてありがとう!」と自ら書き込んだ。
 いつも仲間の輪の中ではしゃいでいた姿と、社会を揺るがせた凶悪事件の容疑者という別の顔。同級生らは、この2つを重ねることができなかったようだ。
 「卒業しても、また遊ぼう」。高校で同じクラスだった男性(18)は、卒業式で少年に声をかけられていたという。「一緒に何度もカラオケに行った。本当にいいやつ」とした上で、「事件があった夏以降も、普段と何も変わらなかったのに…」とこぼした。
*「偶然見かけ殺害」
 少年の逮捕は、女子生徒の遺体が発見されてから約半年後だ。事件は急転直下、大きく展開したかに見える。だが、捜査幹部は「(少年の存在は)いきなり浮上したわけではなく、証拠を着実に積み重ねた結果だ。相手に気付かれぬよう、慎重に捜査を進めた」と明かす。
 捜査本部が任意同行前に少年と接触したのは、遺体が見つかった昨年8月29日の一回のみ。周辺の聞き込み捜査を担当していた捜査員が自宅を訪ねると、応対したのが少年だった。
 「不審な人、車などを見ませんでしたか」。尋ねた捜査員に対し、顔色一つ変えず「知りません」と答えたという少年。重ねて、前述の自らのアリバイを説明したという。
 この日、少年は自身の短文投稿サイト「ツイッター」上で、自宅に捜査員が来たことを明かし、「近くの家の人に聞いて回るらしい」「気持ちの整理がつかない」などと投稿。終始、事件とは無関係を装っていた。
 また少年は、夏休みが明けても、普段通りに登校を続けていた。遺体の発見現場と自宅が近いことから、ある友人が冗談半分で「お前が犯人だろ」と言うと、笑って聞き流していた。
 逮捕後、少年は調べに対し「事件直前に偶然見かけた。その後、空き地で1人で殺害した」と供述しているという。
 少年は、さしたる怨恨(えんこん)もなく殺害に及び、同級生たちにも事件への関与を悟らせないよう、残り半年の高校生活を過ごしていたのだろうか。自身の中で事件がなかったものとして処理されていたとしたら、背筋が寒くなる。
 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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