産経ニュース 2015.3.25 21:37更新
【オウム公判】「ひょっとしたらまくのかな」高橋被告証言 (高橋克也被告第35回公判)
地下鉄サリン事件など4事件に関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第35回公判が25日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。地下鉄事件当日、高橋被告は東京都渋谷区の教団拠点で袋に入った液体を見た際に、「ひょっとしたら地下鉄にまくのかなと思った」と証言した。
高橋被告は液体の中身については「何か分からなかった」と、まかれたものがサリンとの認識はなかったというこれまでの主張を崩さなかった。過去に教団が作ったものはほとんどが失敗していたため、「(人が死ぬ不安は)なかった」とも述べた。
被告は日比谷線内でサリンを散布した元教団幹部、豊田亨死刑囚(47)の送迎役だったとされる。
この日は検察側が地下鉄事件を含め起訴された4事件について詳しい状況を尋ねたが、被告は「覚えていない」「記憶にない」と繰り返した。
被告人質問は26日まで続く予定で、一連の事件の被害者が意見陳述する見通し。
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オウム高橋被告:地下鉄サリン、元幹部らとの共謀否定
毎日新聞 2015年03月25日 21時38分
オウム真理教元信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判は25日、東京地裁(中里智美裁判長)で被告人質問が続き、検察側が1995年3月の地下鉄サリン事件実行前の話し合いについて追及したのに対し、被告は「はっきりしない。覚えていない」と繰り返し、元幹部らとの共謀を否定した。「サリン」という言葉は使われなかったとし、一部の元幹部と証言が食い違った。
被告は事件前日、東京都渋谷区のアジトに他の実行メンバーを車で案内。その後、井上嘉浩死刑囚(45)を中心に話し合いがあった。被告は、アジトでは「サリンという言葉は出ていない」と断言。さらに「一斉にやる」などの言葉も「記憶がない」などとした。
これまでの尋問で、林郁夫受刑者(68)は「『サリンが充満するまで5〜10分かかる』などと皆で話し合い、午前8時に一斉にやると決まった」と証言。広瀬健一死刑囚(50)は「メンバーの一人が『サリンを取りに来てください』と大声を出した」と述べ、被告の説明はこれらと食い違った。
一方、出発前にアジトで見たビニール袋に入ったサリンについては「サリンとは分からなかったが、ひょっとしたら地下鉄にまくのかと思った」とした。【島田信幸】
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