『「カエルの楽園」が地獄と化す日』百田尚樹×石平(対談)中国は本気だ! 2016年11月25日第1刷発行 飛鳥新社
p1~
はじめに(石平)
平素から尊敬している百田尚樹先生と対談することになったのは、ご本人による一冊の本がきっかけであった。
多くの読者の方もご存知の、『カエルの楽園』という寓話小説、予言書である。
この本が発売されて間もなく、岡山から松江へ向かう特急電車「やくも」のなかで読んだ。主人公のアマガエル、ソクラテスたちは、生まれ育ちの土地をダルマガエルに奪われ、苦難の旅の末に平和で豊かな国であるナパージュに辿り着いた。そこで安息の地を得たかと思いきや、「カエルはカエルと争わない」ことを信念とするナパージュのカエルたちはあまりにも「平和主義的」で無防備であるがゆえに、ナパージュの国は結局、近くの「気持ちの悪い沼」に住む、巨大で凶悪なウシガエルによって侵略され、占領されることになる。そして平和を愛するナパージュのカエルたちは、虐殺されながら国を奪われていく。こうしたなか、やっとの思いでナパージュに亡命してきたソクラテスたちは再び、安息の楽園を失うことになるのである。
p2~
(略)この寓話小説のとおりの展開なら、生まれ育った国・中国から逃れて、この愛すべき日本に人生最後の安息の地を求めたこの自分も、いずれ再び、すべてを失うことになるのか。
p3~
そう思った瞬間、恥ずかしながらも、特急電車のなかで涙を流し、無言のまま泣き出した。その時、電車はちょうど松江の宍道湖のほとりを通過していたが、目に映った穏やかな湖面の美しさはいまでも脳裏に焼きついているのである。
以上が、2016年4月初旬のある日、私と『カエルの楽園』という一冊の本の出会いであった。(略)
しかし、誰が予測できたか、それからわずか2か月後、中国という凶悪なウシガエルの日本侵略が突如、現実の危機として現れてきた。
2016年6月9日未明、中国の軍艦(フリゲート)が尖閣諸島沖の接続水域に侵入してきた。(p4~)わずか6日後の15日には、中国軍の情報収集艦が鹿児島県の口永良部島周辺の領海に侵入。さらに同月17日には、中国軍機が東シナ海南西諸島周辺の上空で、スクランブルした航空自衛隊に近距離から攻撃動作を仕掛け、空自機が回避行動、離脱するという深刻な事態が起きていたことがわかった。(略)
p5~
驚いたのはそれだけではない。6月9日からの10日間、私が半ば絶望的な気分になったのは、現実に迫ってきているこの国家的危機に対して、日本政府やマスコミ、識者たちの危機感が、あまりにも薄かったことである。
当時、ちょうど東京都の舛添要一氏の公費使い込みなどの問題が浮上しており、日本中のテレビや新聞などの大マスコミはこの報道に熱を上げ、(後段 略)
1章 戦わずして尖閣を奪われるシナリオ
2章 中国はなぜ日本侵略を企むのか
3章 チベット、ウイグルで見た恐ろしい支配の実態
4章 沖縄「独立」を足がかりにした侵略
5章 日本が中国に占領されるとき
p259~
おわりに(百田尚樹)
私はこれまで多くの方と対談してきました。それぞれの分野で活躍された先達した人との対談は常に刺激的で勉強になる事ばかりでした。
しかし、今回の石平さんとの対談はその中でも非常に心に深く残るものでした。
以前から石平さんの書作は何冊も拝読しており、豊富な知識と深い洞察力には敬意を持っていましたが、今回実際に対談して改めてその知識と教養そしてその深い洞察力に心から震撼させられました。
その知性は鋭利な刃を思わせるものがありました。2日間合計8時間に亘る対談では石平さんもまえがきで述べておられた様に、互いの知性と知識を総動員したものでした。
その上で中国の脅威に対して想像力と分析力を駆使して様々な自体を想定してあらゆる可能性を追求して議論を交わしました。
その作業は難解なパズルを解くようでもあり、また子供の格闘技のようなものでもありました。これほど充実しかつ緊張感に満ちた対談は滅多にあるものではありません。2日間の対談を終えるとまるでマラソンでも走った後のようにぐったりとなりました。こんな事も初めての経験です。
この対談では拙著「カエルの楽園」が素材として使われています。
「カエルの楽園」は、”カエルを信じろ。カエルと争うな。争う為の力を持つな”という不思議な三戒を守って平和に暮らしているツチガエルの国が横暴なウシガエル達に滅亡させられるという寓話です。
石平さんは「カエルの楽園」を非常に深く読み解いておられました。それは石平さんご自身が仰っていたように彼の半生が作中のソクラテスという名前のアマガエルの境遇と似ていたせいかも知れません。
石平さんと話していると作者の私よりも作品に深く通じているのではないかと思うことがしばしばありました。
日本にもしっかりした研究に基づいて中国の脅威を語る人は数多くおられます。しかし石平さんの語ることは巷に居る中国ウォッチャーとは一線を画します。
なぜなら石平さんは中国で生まれ育ち、中華人民共和国の教育を受け(中国の最高学府である北京大学卒業です)中国の歴史についても中国人の気質についても非常に深く知っておられるからです。
中国という国を知り尽くした石平さんだからこそ語る言葉にはリアリティがあり、その洞察と分析は限りなく深いものがありました。(現在石平さんは日本に帰化されておられます)
対談中、「カエルの楽園」は石平さんに何度も予言の書と言われ、また私は予言者とも呼ばれました。
石平さんがそういったのは、「カエルの楽園」が刊行されてから中国と日本の関係が同書のストーリーを追うように動いているからです。これは実に不気味な事です。
しかし、私自身は予言の書などを書く気はありませんでした。今の政治とマスコミの報道を続けているとこんな結果になりかねませんよという一種の皮肉な警告という形で書いたつもりだったのですが、これが予言の書になりつつある現実は非常に恐ろしいものがあります。
しかし私も石平さんも『カエルの楽園』を予言の書にしてはいけないという思いは一致しています。だからこそどうすればいいのかを真剣に考え、熱い議論を重ねたのです。それには様々な方法がありますが、何より大切な事は、日本人全体が危機感を持つ事です。 悲しい事に日本のマスコミは国民に危機感を持たせないように懸命です。対談の中でも語っていますが、2016年の6月に中国海軍の軍艦が日本の領海を侵犯した時、沖縄の2つの新聞社は「こんな事で危機感を持ってはならない」という論調を展開しました。
朝日新聞社は中国軍艦と書かずに中国艦と書きました。最初は漁船、次に公船、そして今回はついに軍艦が来たという事で、脅威が一気に高まったのにも関わらず、「軍」という文字を削って国民に危機感を持たせないようにしたのです。
ですから、私と石平さんはまず全ての日本人が中国に対して本当の危機感を持つ事が大事だと考えました。だからこそ敢えて最悪のシナリオも予想しました。
日本人は賢明な国民です。目的さえ持てば必ず正解を見つけます。そしてそれに向けての努力を惜しみません。日本人は真に国防の重要性に目覚めれば平和を守りきる事ができる国民なのです。
そのためにもこの本は1人でも多くの日本人に読んでもらいたいと心から願っています。この本を読まれた読者の皆さんは回し読みでも良いですから、家族や親しい友人に読ませて下さい。さらにこの本は全ての政治家とジャーナリスト、そしてコメンテーターと称する人たちにも読んでもらいたいと思っています。(以下略)
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◇ 【書評】百田尚樹著『カエルの楽園』 2016.6.19
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◇ 中国の尖閣への動きに、日本がすぐに実行すべき5つの対策~「中国を刺激するな」論の欠陥 古森 義久 2012/7/25
◇ 増大する赤い脅威は冷戦時代のソ連を凌ぐ! 日本も「中国の研究」に一流の人材を投入せよ 2012/2/22
◆ 「中国の正体」に気がつかない日本 米国の専門家が分析する中国軍拡の最終目標とは
JBpress 2012.02.08(水)古森 義久
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ある高校の文化祭で、生徒が自分の推薦図書の書評を掲示するコーナーがあったんですね。そしてそのコーナーに、ある生徒さんが、例の『カエルの楽園』を推薦する作文を掲示したところ、教師がその作文を引き剥がして破りすてたことが、あったらしいです。
いったい、その教師はどういうつもりなんでしょうね。エロ本ならともかく、『カエルの楽園』は、啓発的な書物です。たぶん、その教師は、「日教組」なんじゃないかと思います。
★委員長不倫して落ちた、日教組死ね。。。。ーと、いいたいですわ。
コメント、ありがとうございます。
困ったセンセイですね。日教組の平和ボケ。また、売れているのに、頑なに百田作品を取り上げようとしない左巻きメディア。つける薬がありませんね。