半夏生 2020.7.1

2020-07-06 | いのち 環境

中日春秋 
中日新聞 朝刊 2020年7月5日
 七十二候の「半夏生(はんげしょう)」。今年は先週の一日だった。「半夏」とは植物のカラスビシャクのことで、それが生える季節だから半夏生
▼今の時代、「半夏生」といってもあまり気に留めないが、その日をめぐる、いろいろな言い伝えが残る。大阪では半夏生にタコを食べると一年を無事に過ごせると伝わるそうだ。福井ではサバを食べるらしい
▼雨にまつわる話もある。「半夏雨」。梅雨の後半にあたる半夏生のころに降る雨は大雨になりやすい。西日本では、その雨による洪水を「半夏水」と呼んで警戒するそうだ
▼不吉な言い伝えなぞ当たってほしくなかった。そんな思いで、すさまじい濁流の映像を見詰める。梅雨前線と低気圧の影響によって九州地方は記録的な大雨となり、熊本県の球磨川が氾濫した。土砂災害も発生しており、犠牲者が出ている。現地が心配である
▼新型コロナウイルスの不安が消えぬどころか、第二波を警戒する中で今度は無情の大雨とはやりきれない。避難先でもコロナ対策が必要とは心も身体も落ち着くまい。自然災害も今年くらいは見逃してくれぬものかとうめきたくなる
▼この雨、しばらくは警戒が必要という。熊本県球磨村の神瀬(こうのせ)鍾乳洞にはこんな伝説がある。鍾乳洞にすんでいるイワツバメが夕方に群れて中から飛び出てくれば、その翌日は晴天になるそうだ。夕方の群れを祈るばかりである。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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  半夏生


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