反原発エレジー「裁判官は市民の代表」=反原発派が持ち出したトンデモ論法 科学的議論は置き去り

2016-04-03 | 政治

2016.4.2 12:00更新
【反原発エレジー】「裁判官は市民の代表」…反原発派が持ち出したトンデモ論法を斬る 科学的議論は相変わらず置き去りに
 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた大津地裁(山本善彦裁判長)の仮処分決定をきっかけに、不可解な言論が闊歩している。「素人の裁判官が市民の代表として原発について判断するのは当然」とした「裁判官=市民代表」という反原発派の持論だ。日本の原子力の歴史上初めて、運転中の原発停止を勝ち得た反原発派は勢いづいている。市民の代表は、選挙で選ばれた国会議員や地方の議員、首長ではなかったのだろうか。さらに原発推進派が「一裁判官が国のエネルギー政策を決定してよいのか」と疑問を呈したことに、反原発派は猛抗議。原発のイデオロギー闘争はますます膨張し、科学的議論が置き去りにされている。(原子力取材班)
■「素人」の裁判官が判断すべき…なのか?
 3月9日に大津地裁で歴史的な決定を勝ち取った住民側の弁護団長を務める井戸謙一弁護士は、興奮が冷めやらない様子だ
 毎日新聞(22日付夕刊)の取材に答え、「決定を出すには大きなプレッシャーがあったはずで、裁判官に深い敬意を表したい」と賛辞を贈った。記事の中には、「原発の安全審査は科学的、専門的な知見に基づく行政判断に委ねる」という判例に対し、「『素人』である裁判官が、社会や市民に代わってその判断をするのは当然」という言説まで紹介された。
 東京新聞(24日付朝刊)でも、井戸氏は「リスクを含めて原発を受け入れるかは社会が決める。素人の裁判官が市民の代表として原発について判断するのは当然だ」と同じことを語っている。
 裁判官が「市民の代表」というのはどういう法理論に基づくのか。最高裁裁判官に対する国民審査はほとんど形骸化されているため、現状で裁判官の選任に民意を反映させる仕組みはない。反原発派の言論は、選挙を通じて国民の代表者を選ぶ民主主義制度を軽んじてないだろうか。
 原発の安全性を「素人」に任せるのも非常に危うい。昨年4月、同じ高浜原発の運転差し止めの仮処分を命じた福井地裁(樋口英明裁判長)は浅薄な原発の知識を露呈した。
 例えば、主給水ポンプが安全上重要な設備であるとして、「その役割にふさわしい耐震性を求めるのが健全な社会通念であると考えられる」などと指摘した。しかし、主給水ポンプは水を蒸気にしてタービンを回し発電するためにあるポンプで、重大事故対策とは直接関係がない。つまり、樋口裁判長らは原発の設備の役割や機能を全く理解していないまま重大な決定を下したのだ。当然、昨年12月に同じ地裁で決定は覆っている。
■原告側に損害賠償も検討
 関電の八木誠社長は3月18日の電事連会長としての定例会見で、将来、仮処分を申し立てた住民側への損害賠償請求の可能性について「逆転勝訴すれば、検討の対象になる」と発言した。
 これに噛み付いたのが、反原発訴訟を全国各地で先導している河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士だ。22日、東京の司法記者クラブで会見し、「申立人らを恫喝するものであり、断じて容認できない」と発言の撤回を求めた。抗議文には「御社(関電)のような社会的責任ある大企業は、そのような卑劣な行為に及ぶべきではない」との記述もあった。
 反原発団体は全国各地で訴訟を乱発しながら、事業者側が法律上認められた訴訟をするな、というのは公平であろうか。反原発派は、「原発を止める」という社会的にも経済的にも著しい影響が及ぶことに対して、覚悟を持って提訴したのではないのか。
 関電によると、原発1基の稼働で、月約90億円の収支改善が見込めるという。年間にすると1000億円近くにも及ぶ。それが仮に上級審で逆転勝訴した場合、誰が損害を賠償するのか。間違った判断をした裁判所、それを管轄する国を相手に賠償を求めるという論もあろうが、原告側が一切責任を負わないというのは合点がいかない。
■「地裁に応援はがきを送ろう」との運動
 関西経済連合会の副会長が3月17日、定例会見の場で「一地裁の1人の裁判長によって、国のエネルギー政策に支障を来すことが起こるのか」と発言した。
 関電は高浜原発の再稼働で、5月から電気料金の値下げを打ち出していたが、それが頓挫した。関経連は企業経営への影響に懸念を示し、電気の安定供給を不安視したのだ。
 これに対しても反原発派から抗議が巻き起こっている。
 三権分立の視点からは確かに、裁判所が行き過ぎた国の政策を止めるという役割が期待されていることは法理論上正しい。
 しかしながら、最高裁ならまだしも、一地方の1人の裁判官(合議体では3人の裁判官)が国の施策に対し、法律の適用・解釈だけを持って、国のエネルギー政策を大局的に判断できるかは疑問である。これについては、経済関係者だけでなく、原子力関係者からも懐疑の目が向けられている。
 具体的には、高浜原発の安全性は、原子力規制委員会が審査会合を70回以上も開き、約2年3カ月かけて関電が提出した約10万ページの申請書を詳細に検討した。これに対し大津地裁はわずか4回の審尋で終わっており、裁判所の議論に疑問の声が上がっても不思議ではない。
 そんな司法への逆風を防ごうと、反原発団体は、大津地裁に「応援のはがきを送ろう」という運動を始めた。関電側が決定に不服を申し立てているため、大津地裁では今後、保全異議の審尋手続きが始まるからだ。
 反原発団体は「裁判官の方々が、弱気になってしまうようなことがなかろうかと心配が生じる。そのようなことになっては、異議審の判断結果にも悪影響を及ぼしかねない」と主張。「大津地裁の裁判官の皆さんに対して目に見える形で示して、正しい決定をしたのだという自信を深めていただくことが運動として重要ではないかと考える」という噴飯ものの意義を示した。
 これに対しても反原発派から抗議が巻き起こっている。
 三権分立の視点からは確かに、裁判所が行き過ぎた国の政策を止めるという役割が期待されていることは法理論上正しい。
 しかしながら、最高裁ならまだしも、一地方の1人の裁判官(合議体では3人の裁判官)が国の施策に対し、法律の適用・解釈だけを持って、国のエネルギー政策を大局的に判断できるかは疑問である。これについては、経済関係者だけでなく、原子力関係者からも懐疑の目が向けられている。
 具体的には、高浜原発の安全性は、原子力規制委員会が審査会合を70回以上も開き、約2年3カ月かけて関電が提出した約10万ページの申請書を詳細に検討した。これに対し大津地裁はわずか4回の審尋で終わっており、裁判所の議論に疑問の声が上がっても不思議ではない。
 そんな司法への逆風を防ごうと、反原発団体は、大津地裁に「応援のはがきを送ろう」という運動を始めた。関電側が決定に不服を申し立てているため、大津地裁では今後、保全異議の審尋手続きが始まるからだ。
 反原発団体は「裁判官の方々が、弱気になってしまうようなことがなかろうかと心配が生じる。そのようなことになっては、異議審の判断結果にも悪影響を及ぼしかねない」と主張。「大津地裁の裁判官の皆さんに対して目に見える形で示して、正しい決定をしたのだという自信を深めていただくことが運動として重要ではないかと考える」という噴飯ものの意義を示した。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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常軌を逸した判断 高浜原発運転差し止め命令 2016/3/9大津地裁.山本善彦裁判長 前回は差し止め申請却下
高浜原発の再稼働認める 福井地裁・林潤裁判長 2015/12/24 差し止めを命じた仮処分覆す 大飯も差止め却下
関西電力高浜原発3、4号機:再稼働差し止め決定 福井地裁 2015/4/14 樋口英明裁判長、どんな人 
この裁判官はヒーローじゃない=元福井地裁 樋口英明裁判長(高浜再稼働差し止めを命じる仮処分決定) 
高浜原発めぐる「司法の暴走」独断と偏見で素人判断…樋口裁判長は4月1日付で名古屋家裁に異動したが
◇ へんな判決 脱原発の政治的信条に基づいた「確信犯」的な判断 樋口英明裁判長
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