【中国という“地雷”】“中国経済の闇”を知り過ぎた男、周・人民銀総裁続投のワケ(5) 河添恵子

2013-04-01 | 国際/中国/アジア

【中国という“地雷”】“中国経済の闇”を知り過ぎた男、周・人民銀総裁続投のワケ ★(5)
zakzak2013.03.31
 一時は完全引退が噂された中国人民銀行(中央銀行)の「ミスター人民元」こと周小川総裁が、準国家指導者的立場である全国政治協商会議の副主席に選出され、全国人民代表大会(全人代=国会に相当)では、人民銀行総裁の続投も決まった。
 この一発逆転劇について、国内外の専門家らは「金融政策の主導権をめぐる、中国共産党内の派閥争いが関係」「新指導部が周総裁の功績を評価。未完の金融改革を継続するため」「人民元の自由化、国際化がさらに進み資本規制を撤廃するだろう」などと述べている。
 個人的には“中国経済の闇”を知り過ぎた男=周総裁の口封じを兼ねた人事だったのかなと。
 というのも、昨年11月の第18回中国共産党大会で、新指導部である中央委員に選出されず、退任が報じられた時期から周総裁は「不動産市場は、6年前から数字をでっち上げてきた」「地方政府は返済できないほどの巨額な債務を作り出しているが、幹部らは追及されず昇進している」などと暴露三昧だったから。
 続投が決まり、さっそく、「人民元資本取引の自由化を段階的に実現」との方針を表明した。人民元を、ドルやユーロのような世界の基軸通貨にしていく野望へ邁進(まいしん)中だった中国。その布石として、2年ほど前からアジアの基軸通貨となるべく攻勢に出ている。
 今や韓国のウォンの対ドル為替は、人民元の対ドル為替と連動しており(つまりウォンは事実上、人民元にペッグ=為替固定している)、ベトナムなどを除く東南アジア諸国でも、自国通貨をドルより元に対してペッグする傾向が強まっている。
 だが、昨年の米大統領選挙で、「中国を為替操作国に認定すべきだ」と人民元の問題が争点となったように、通貨とは「(政府機関に)管理されたローカル通貨」であるか、「(世界の誰にとっても)取引自由な国際通貨」しかあり得ない。概念矛盾する「中国政府に為替操作された国際通貨」など存在しない。
 中国政府が資金移動の規制緩和、対外投資を自由化すればどうなるのか?
 地下銀行(闇経済)経由など、これまでの裏技のみならず、富裕層の資産の海外移転が制御できない事態となり、中国崩壊への起爆剤にもなりかねない。大量の偽札問題はどう処理する?
 香港上海匯豊銀行(HSBC)は、最新報告「人民元の台頭II」に、「人民元は世界で最も急速に台頭する通貨となる」と記したそうだが、習近平新体制の“人民元覇権”のゴールは見えない。 =おわり
 ■河添恵子(かわそえ・けいこ)ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。主な著書は「中国人の世界乗っ取り計画」「豹変した中国人がアメリカをボロボロにした」(産経新聞出版)など。
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