上半期の愛知県の死亡事故の発生件数 70代が圧倒的に多い 2021.8.11

2021-08-11 | 社会

運転中に急病 死亡事故24件 

  愛知、上半期   識者「血圧上昇のデータも」 
  今年上半期の愛知県の死亡事故の発生件数が過去最少の五十一件となった一方、死亡事故には計上されないが、運転手が急病で死亡する事故が昨年上半期と同じ二十四件発生していた。県警が死因を分析したところ、半分以上が心血管疾患だった。専門家によると、運転で血圧が上がるとの調査結果があり、運転前の体調管理に注意を促す。(鈴木凜平) 
 県警によると、車や自転車を運転中に急病になって単独事故を起こし、死亡したのは二〇一五年三十八件、一六年四十八件、一七年五十三件、一八年四十八件、一九年三十二件、二〇年五十件だった。 
 このうち一八年以降に発生した百五十四件について、県警が診断書の死因を分析したところ、心筋梗塞をはじめとする心血管疾患が八十八件(57%)で最も多く、脳疾患が十六件(10%)。病名別の最多は急性心筋梗塞の二十三件で、致死性不整脈と急性大動脈解離が各十七件、くも膜下出血十一件と続いた。年代別では六十歳以上が七割強を占めた。一五〜二〇年の統計では、冬季(十二〜二月)に多く発生する傾向がみられた。 
 昨年十二月には、愛知県碧南市の海岸で車止めに突っ込み、運転していた男性(74)が急性心筋梗塞で死亡した。同居の姉によると、男性は70代になって病気になることが増え、事故当日は数年ぶりに病院で健康診断を受けて帰宅中だった。退職してから十年以上、交通指導員を務め、近くの通学路で毎朝登校する児童を見守ってきた。姉は「もう少し早く健康に気を使わせていれば、もっと長生きできたかも」と後悔を口にした。
 同様の事故は他県でも相次ぐ。三重県警によると、15年から今年6月末までに急病で死亡した事故が58件あった。岐阜、長野、福井、滋賀の4県警は統計がないが、大津市では6月、車5台が絡む事故で最初に追突した車を運転していた男性(33)が死亡し、追突された車の運転手1人が軽いけがをした。司法解剖の結果、男性は心嚢血腫だったことが分かった。
 運転手の急病による事故について研究する滋賀医科大の一杉正仁教授(法医学)は「事故につながるリスクはてんかんなど特定の病気に限らないことが統計に表れている。運転は高度な技術が必要で血圧も上がるというデータがある」と指摘。自動車事故の約1割が運転中の体調変化によるものだったとの海外の調査結果があるとして「日頃から健康に気を付け、運転前は自分の体調変化に敏感になることが大事」と話した。
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 一般的に死亡事故とは、事故が原因で発生から24時間以内に運転手らが死亡した事故とされる。愛知県警によると、県内では今年6月末までに51件の死亡事故があり、前年同期比で25件減り、統計を取り始めて以来、最少だった。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛などが背景にあるとみられる。

 中日新聞 2021年8月11日(Wednes)

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用、書き写し(=来栖)。
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〈来栖の独白 2021.8.11 Wednes〉
 他人事ではない。もう乗らないほうが良い。事故を起こしてからでは遅い。恐ろしい!


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