
産経ニュース 2016.7.24 07:00
【東京都知事選】小池百合子氏演説詳報(23日)「最近では1兆、2兆、3兆と。お豆腐屋さんじゃない。五輪のお金です」 マック赤坂氏は「私を副知事に!」
<東京・銀座 午後2時ごろ>
皆さんこんにちは。土曜日の午後の歩行者天国。こんなに緑で埋まったのは初めてだと思います。ありがとうございます。東京都知事選挙に立候補いたしております小池百合子でございます。改めてよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございます。
すごいです。すごいです。これまでいろいろと政党の動員活動などしてまいりましたけど、どんなに電話しても、どんなにお願いしても、こんなに集まった経験ございません。本当にありがとうございます。
ましてや、いつも赤がイメージカラーのマック(赤坂)さんまで。どういうことでしょう。ありがとうございます。
《小池氏陣営の選挙カーのすぐ横に並んで車を止めていた都知事選候補の1人、マック赤坂氏も緑のコーディネートだった》
私、街頭演説のお知らせをネットでいたします。そして緑のものを何か持ってきてくださいとお願いをしてきました。みなさん、緑、緑、緑、緑、緑。緑。すごいです。ありがとうございます。私が目指す東京は環境先進都市、エコな東京であります。その象徴がこの緑であります。皆さんとともに緑の染めていきたい。どうぞよろしくお願いいたします。
今回たった一人で始めたこのキャンペーン。選挙戦ではございますけれど。今ちょうどマラソンでいうと、42.195キロ。今、折り返し地点になって最初一人だったのが、どういうことでしょうか。あちこちで、東京都内、そして東京都内に限りません。もっと多くの方々から、議員バッジを付けている方々。そしていろんな活動している方々がどんどんどんどん集まってきて、この運動進めることができます。私はたった一人ではありませんでした。どうもありがとうございます。
中でも、私を応援すると党を除名するとお達しが出ているにもかかわらず、男・若狭、(衆院議員の)若狭勝さん。ずっと応援してくれている。本当にありがとうございます。世の中を変えるのは女性だと、女性がトップに出るべきだという信念の下に私を応援してくださっている。本当にありがとうございます。さらには、自民党所属の区議会議員、都議会議員。河原(弘明)区議も豊島区の自民党の区議でございます。本当に覚悟を決めてこの運動を支えてくださっている。そういう思いが皆さま方に伝わって、そして政党が選ぶのではない、組織が選ぶのではない、知事は自分が選ぶんだ。自分の一票で選ぶんだ、そういう思いでここに駆け付けていただいているのではないかと、このように思っております。ありがとうございます。
そうなんです。都政というのはあまり皆さま方も注意を払ってこなかった。そんな情報もなかった。ある日突然湯河原行きがあんなに多いのかと、それでびっくりされた。でもね、私これはいいチャンスだと思うんです。国、そして区市町村がありますけれども、その中の都政というのをどう、これからもっと責任あるものにしなければならないか。これは重要な分岐点だと思います。2020年の東京五輪・パラリンピックがございます。そのお金がいくらかかるのか、どんどん増えて3000億から7000億。最近では1兆、2兆、3兆と。お豆腐屋さんじゃないんで、あります。このことを明確にし、そうはいってもホストシティーは東京でありますから、ここは必要、ここは都民の皆さんにご負担をお願いしなければならない。私を皆さま方の一票一票で都庁に、そして都知事に押し上げてくださいましたらば、まず最初にいろいろな情報公開を行い、特に五輪パラリンピックについては、皆さま方にこういうことになっているんです、ご協力どこまでいただけますか。そのことをお諮りしていきたいと思っております。まずは透明性の確保。このことをお約束させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
東京都の総予算は13兆円でございます。スウェーデンの国家予算に匹敵する。1国に匹敵する人口。そして1国に匹敵するGDP。さらには予算規模。私はこの選挙戦は東京都庁、東京都知事選びとはいうけれども、ある意味で一国のリーダーを選ぶに匹敵する。それほど重要な選挙だとこのように思っております。
だからこそ、皆さんの声を聞きたい。政党ではない、組織ではない、都民のお一人お一人のそのお気持ちを受け止めていきたい。そしてまた皆さま方の一票一票で選ばれたい。このように思っております。最後までよろしくお願い申し上げます。
これまでの都政では見たことのないような、そんな都政をひとつずつ進めて参りたいと思います。あのクールビズも環境大臣当時始めました。お役人には出てこない発想でございまして、最初は役所の人たちは「おいおい何するんだよ」と言っていました。しかし日本は上司が変わると、部下は変わることができる。逆にいうと、部下はなかなか上司が理解しないと変えられない国。長時間労働だってそうです。だって部長がなかなか帰れないと、その下は帰りにくいもんでしょ。だから、長々と仕事しているだけでしょ。「だけでしょ」と言うと叱られるかもしれないけれど。こんなに長々と働いて、世界各国にODAで貢献して、私たちが何でこんなへとへとになる必要があるんでしょうか。もっと働き方を変えなければならない。そして介護離職とか、なかなか出会いがない若者とか、ちょっとおかしいですよ。このライフスタイル。クールビズがライフスタイルから変えたように、あの行政の上司であるあの小泉(純一郎)総理が、私が説明を始めたら、たった3分間で「よし分かった。6月1日からにしよう」っていきなり始めたのが、あのクールビズ。行政のトップが変わった。
そして愛知万博が折しも開かれることになっていたので、経営者、ビジネスのトップは経団連の奥田会長。トヨタ会長。トヨタの奥田会長にはみずから電話をして「モデルさんになってください」と、そんな言葉でお願いをし、経団連のトップの方から始めていただいたんです。どうでしょう、10年間でまったく夏のシーンは変わりました。
私はこの方式で、つまり、皆さんの意識を変えるということ。意識を変えて、制度を変えて、このことが重要。さらには、さまざまな技術革新。この3つが変わると、社会は変わるんです。すでにそのことはクールビズで証明いたしました。長時間労働、まずは都庁の職員から変えていきたいと思います。
都庁が仕事を効率よくする。いろいろと都の関係の書類出す人、あっちではんこもらい、こっちではんこもらい、仕事ばっかりたくさんあってみんなでヘトヘトになる。効率悪いじゃないですか。皆さんどうですか。
霞が関の官僚の皆さんも9時~5時で働いています。朝の9時から午後の5時じゃないんです。午前5時なんです。大体国会が悪いんですけども。こんなライフスタイルやっていたら、少子化がどうとか、介護離職がどうとか、やっぱり自分をもっと磨く時間を持つべきだと思います。世界は大きく動いています。スキルアップする時間だってほしいじゃないですか。親御さんの面倒見る時間もですね、仕事をしながら両立できる、そんなライフスタイルをみつけようではございませんか。
私も肺がんの母を自宅で看取りました。母は「最期はやっぱり大好きなたばこ吸って死にたいわ」と言っておりました。自宅で看取りました。「私の大好きなすき焼きは、病院では出てこないから、うちで最期を迎えたいわ」と言って、庭のバラの花を見ながら、あの世に旅立っていきました。これからは在宅ケアシステム、地域包括ケアシステムといったことも必要であります。地域の医療機関、薬局も含めてですけど、このような形で本当に最期の看取りをする方々を地域でバックアップするというシステム。ですから、高齢者の方々を受け入れる施設の確保。なかなか進んでいません。しかしながら、国もそうですけれども、流れは在宅の方に移っている。しかもその分、家族に負担がかかる。であるならば、それをバックアップするシステムは何だろうか、そして、都はどこまでバックアップできるだろうか。皆さま方の一票一票で都知事に押し上げていただいたときは、そんな血の通った行政を一つずつ進めていきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
そして日本の問題、喫緊の問題、待機児童の問題がございます。先日も東京都が発表した数字、待機児童の数は着実に増えているということでございます。私たちが議論している間にも増えています。わが家にはちっちゃな子供、1歳と3歳の親戚(しんせき)の子供と一緒に住んでいます。この3歳の子も立派な待機児童なんです。登録もできないくらい待機児童として、まあ潜在的待機児童なんですけども。8466人、予備軍5万人。報道にもありましたね。いくらやっても追いつかないかもしれない。でも次の担い手、次世代を育てていくっていうのは、それだけ社会がお金をかけないとダメだと、このように思っています。
そして、東京都の問題。私も豊島区がベースですけども、28万人の人口のうち、なんと3万戸、家が空いているんです。眠っているんです。これをもっとうまく活用する。方法については今検討していますけども、例えば、介護士さん、子育ての保育士さん、待遇が悪い。あと5万円給料を増やせないか。いろんな話、今回の参院選でも議論になりました。
しかし、給与という形ではなくて、例えば、空いているこの空き家、空き室をうまくシェアハウスにしていくことによって、直接的な待遇を改善する。つまり住宅手当ということを進めると、空き室・空き家の問題と、介護士・保育士の待遇改善の問題がハイブリッドで解決できる。私はこのように全然違うところを合体させて解決策、ソリューションを見つけていきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。
だから私は16万人の都庁の職員、フルに彼らの力を活用して、しかしながら、縦割りの壁を取り除く、そんな役割としてリーダーを務めていきたい。そして目線はいつも都民であります。都民に目線を持って、より輝かしい男性も女性も子供も大人も、そして障害を持った方も、生き生きと暮らせるそんな首都・東京にしてまいりたい。このように思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後に、そうはいってもお金のかかる話ばっかりです。この東京、私が「ワールドビジネスサテライト」のキャスターを務めていたころの3大金融拠点となりますと、東京、ロンドン、ニューヨークでありました。それがどうでしょうか。最近アベノミクスで少しまた力を取り戻したとはいえ、まだまだこの日本の金融市場としての価値、私は失われていく、そのことを心配しております。国際金融都市としてもう一度復活させましょう。アジアのナンバーワンにもう一度復活させていきましょう。この方法は、すでにある特区制度をフルに活用することです。なんのことはない。もう処方箋はあるのに、それを意志を持ってやっていないだけの話なんですよ、皆さん。私はこの東京をもう一度輝かしい日本の首都、東京として復活させることをお約束させていただきます。
そしてここ銀座は、日本のブランド、東京のブランド、メーンストリートでございます。最近のインバウンドのお客さま、どんどん増えてきている。ちょっと爆買いが減ったといいますけれど、これからますますこの日本。東京五輪・パラリンピックもございます。より引きつける、そんな磁石をもっともっと工夫していきたい。それは東京のブランディングであります。
私、先だってフランス政府から勲章まで頂戴することになったんですが、フランスの方法を考えてみますと、ナポレオンの時代から、コルベール委員会というのがあるんですね。
例えば、シャンデリアの関係で、ガラス細工のバカラとか、ゲランの香水とかですね。あれはお互いの香水のお店とか、ルイ・ヴィトンとか、みんなお互い、フランスのブランド同士で競い合っている。だけど、外に行くときは、フランスという国益のために、コルベール委員会というのを作って、そしてここの銀座の町でどう展開すればお互いにいいかというのを話し合って、この権利を確保するというような、そういう努力をしているんです。
私はそういう意味で東京都知事に皆さまの一票で押し上げて頂けるならば、東京ブランディング委員会、これをつくって、東京の文化的な、そして匠の技術としてあるけれども、後継者がいない伝統工芸、こういったことをもう一度掘り起こしてですね、宝物にして、世界のファンをつくっていきたい。これを東京の成長戦略の一つにしていきたいと考えていますがいかがでしょうか。ありがとうございます。
さあ皆さん、今日はもう涼しくて。マックさん、あと何分くらい?
《隣の選挙カーにいたマック赤坂氏が「ヒラリー百合子。あなたを都知事にします。そして都知事になったらマックを副知事に」と返す》
いやいや、まだまだ厳しゅうございますよ。あと一週間でございます。折り返し地点ようやく越えたところ。これからが胸突き八丁だと思います。もうとにかく、私自身に対しても、いろんなこと、妨害もあるでしょう。この間、殺害予告までありました。大変大変。存在を認めていただいているのかと思いますけども、そういう方法はよくない。暴力はよくない。このことは、でもいつ何が起こるか分からないけども、私もう捨てるものないんです。国会も離れました。ぜひとも皆さま方の一票一票で勝たせていただいて、皆さまのための都政、これまで見たことのないような都政、私小池百合子にお任せいただきたいと思います。どうぞ最後までよろしくお願い申し上げます。一票一票が頼りでございます。ゲリラ豪雨になっても小池百合子をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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