2017/9/4 現代ビジネス
あまりに幼稚な左派の「北朝鮮核容認論」これでは日本が滅びる 国際社会の常識を何も知らないのか…
髙橋 洋一 経済学者 嘉悦大学教授
■次は「軍事オプション」もあり得る
9月3日、北朝鮮は国際社会の意表を突くかのように核実験を行った。北朝鮮は水爆実験が成功したと報じている。これに対して、政府は、北朝鮮に厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難すると表明した。と同時に、更なる重要な措置をとるべく国連安保理の調整を開始した。
さすがに、中国も「断固たる反対と強烈な非難」を表明。ロシアも、国連安保理の決議や国際法を軽蔑するものであり、最大限の非難に値するとしている。隣国・韓国は、国際社会と共に最大級の反撃措置を取ると表明した。
アメリカは不気味である。トランプ大統領は北朝鮮の核実験後8時間は何も言及しなかった。その直前までは、対話は解決策ではないとつぶやいており、その発言が注目されていた。
ようやくトランプ大統領はツイッターでつぶやきを投稿したが、北朝鮮は引き続きアメリカにとって非常に敵対的で危険であるというものだった(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904305644651634688)。そして、「北朝鮮は、ならず者国家であり、中国にとってもやっかい者である」ともつぶやいた(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904307898213433344)。
また、「韓国は北朝鮮との対話懐柔が機能しなかったことがわかっただろう」と韓国の対応にも言及した(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904309527381716992)。北朝鮮をならず者国家と断定したところに、アメリカが軍事オプションにさらに一歩踏み込んだ、と筆者は感じた。
今回の北朝鮮の核実験については、日米中ロ韓、いずれも最高レベルの言葉で非難したことになる。ここまでくると、残されたものは、国連のさらなる制裁、それに国連軍を含む軍事オプションになった。
当面、石油禁輸が国際社会で検討されるが、軍事オプションも視野に入りつつあることは間違いない。イラクの時にも、類似の国連政策が採られた後、多国籍軍の軍事オプション行使、という事態になった。国際政治のリアリズムからは同じような経緯になっても不思議でない状況であることを指摘しておきたい。
■的外れな批判が目につくが
さて、核実験にさかのぼること5日前の8月29日早朝6時頃、北朝鮮は日本列島の上空を越える弾道ミサイルを発射した。
北朝鮮のミサイルが日本列島の上空を本格的に通過するのは2009年以来で、金正恩体制になってからは初めてだ。2009年の時には人工衛星のためのロケットと称していたが、今回はミサイルといっており、事態は深刻だ。
発射後されたあと、日本の北部地域の住民にミサイル発射を知らせる緊急警報が発せられた。Jアラートも稼働したが、この音で早朝に起こされた人の一部から「対応しようにもどうしようもない」と政府への批判があった。
悪いのは、情報提供した政府ではなく北朝鮮である。しかも、Jアラートは着信の設定を変えれば、設定着信不可にもできる。実際にミサイルが飛んできた場合、初期段階の対応で生死を分けることもあるので、情報提供は重要だ。
それにしても悪質なのは、これに乗じて安倍政権批判をする左巻きの人たちだ。たとえば、金子勝氏は、ツイッターでこのようにつぶやいた(https://twitter.com/masaru_kaneko/status/902288152722792448)。
筆者は2005年から2006年に総務大臣補佐官としてJアラートの実施官庁である総務省に在籍していたので、そのときにJアラートが出来た背景を調べたことがある。
そもそも、Jアラートが導入されたのは、2004年に制定された国民保護法がもとになっている。有事における民間防衛については、ジュネーブ民間防衛条約があり、国民保護法はそれと他国の民間防衛を参考にして制定されたものだ。
同法44条では、「対策本部長(首相)は、武力攻撃から国民の生命、身体又は財産を保護するため緊急の必要があると認めるときは、基本指針及び対処基本方針で定めるところにより、警報を発令しなければならない。」とされている。
今回はミサイル実験であって「武力行使」ではないという意見もあるかも知れないが、北朝鮮は事前に何も知らせていないので、武力行使でないと決めつけることはできない。実験であっても、失敗すれば、我が国領土に落下する可能性があるので、発射段階では武力行使として見ざるを得ない。一刻一秒を争う警報では、事後講釈はできないことを忘れてはいけない(もっとも着弾までの時間は4分あるが、上手く使うかどうかは本人次第だ)。
これで、金子氏の安倍政権批判がいかに的外れであることがわかるだろう。世界における民間防衛や国民保護法をまったくご存じないかのようなつぶやきである。安倍政権だけが警報を出すわけでなく、どんな政権でも警報を発しなければ法律違反になってしまう。金子氏は国民保護ポータルサイト(http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html)を読んだ方がいい。
筆者が気になるのは、「Jアラートは無意味」という左の方の意見の中に、北朝鮮は挑発するだけで実際には発射しないという思い込みがあることだ。これは根拠なき楽観論である。いくら北朝鮮が交渉材料として核・ミサイル実験を行っているからといって、本気を見せないとブラフにもならない。
■論理がまったく逆
その意味から、今回のミサイル飛行ルートを見ると、南だと韓国の上空を飛び、グアム方面への発射とみなして、米韓は本気で反撃するかもしれない。もっと北寄りだと、ロシアを刺激する。というわけで、米韓ロを避けて、日本に向けたと考えられる。
要するに、日本だけを挑発しても北朝鮮から見れば反撃される可能性はゼロだから、今回のミサイル飛行ルートが選択されたとみるべきだろう。つまり、日本がなめられたのだ。
筆者は、なめられるだけで北朝鮮が人畜無害であればそうでもいいと思うが、北朝鮮が脅威であり、危険な国であることは間違いない。
しかし、左派の中には、米韓合同軍事演習をするから北朝鮮はミサイルを発射するのだと、一方方向のロジックを唱える人がいる。この際、北朝鮮の要求(米韓合同軍事演習を控えるなど)を受け入れるべきという人もいる。8月31日における官房長官の記者会見に出席した、東京新聞の某記者の質問がその典型である(http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201708/31_a.htmlの12分30秒あたり)。
官房長官は「北朝鮮に行って聞いてきたらどうか」といなした。なお、この記者は、最後にもあまりに的外れの質問をしているのでかなり笑える。
有事のリアルなことになると、左派の人は「お花畑論」なので、ちょっと耳を疑う発言ばかりが目立つことになる。北朝鮮は国連決議などを無視して、核・ミサイル開発を続けていることをまったく考慮していない。北朝鮮の国際社会を無視した暴走があるから、米韓合同軍事演習もあるわけで、論理関係がまったく逆転している。
北朝鮮の暴走が国際的にも問題であることは、今回の核実験を受けて、中ロが強く非難したことでもわかるだろう。しかし、安倍政権を批判することのみしか見えない左派には、本末転倒したものでもなんでもいいらしい。
左派の中には、北朝鮮の核を認めよという人もいる。しかし、核保有国とされるためには、核拡散防止条約(NPT)に加盟する(米、ロ、英、仏、中)か、国際機関IAEAの監視下にある(インド、パキスタン、イスラエル)ことが条件となる。北朝鮮はどちらにも該当しないし、受け入れるとも思えないので、認めるなど論外だ。
もし万が一、国際社会が北朝鮮を核保有国として認める動きになったら、日本は「朝鮮半島の非核化ができないと、日本としても非核三原則が堅持できなくなる」と国際社会に叫んでもいい。これは、核の抑止論から見れば当然である。
やられたら倍返しというのが抑止論であるので、日本の核保有は一応理があることになる。しかも、日本は潜在的な技術力があるので、短期間にやろうと思えば実現できる。
■考えればわかること
もっとも、いきなり日本が核保有国になるというと、国際社会の力学のなかで政治的に潰される可能性もあるので、核保有といわずに、「非核三原則の見直し」というのであれば理が通るし、国際社会の批判も受けにくい。実際、「核を持ち込まず」という原則が崩れていることはほぼ明白なので、見直しの好機だと言い出してもいいはずだ。
日本が核保有となれば、韓国でも核保有の議論が始まる。そうなれば中国が黙っていないだろう。アメリカも反対するはずだ。結局、国際社会は、その「核保有論の拡散」を防ぐためにも、北朝鮮を押さえようとするだろう。朝鮮半島の非核化こそが、東アジアの安定になる、ということだ。
こうした話は、実際に行うかどうかというより、国際政治的なメッセージとして、発することが重要だ。国際政治では、手を変え品を変え、言葉の戦いを繰り返している。その意味で、日本としてできるだけのことを、必要に応じて発信しなければいけない。
目先のことを考えると、秋の臨時国会において補正予算で防衛費を大幅増にするというのも、北朝鮮(および国際社会)へのいいメッセージだ。実際にすぐ防衛力が高まるかというより、今の憲法の範囲内で備えをする、ということだ。
いずれにしても、左派の人が「北朝鮮の核保有を認めればいい」というとき、日本の非核継続、防衛予算の現状維持、というのが前提となっているので、国際社会から見れば何の戦略もない「お花畑論」として受け取られる。
何度も述べているが、国家間の軍事力が均衡しないと戦争確率が増すので、核を持った北朝鮮と真の意味で戦争をしないためには核保有や防衛力強化が必要という議論になるのだが、左派の「お花畑論」ではそれが出てこない。だから説得力がないのだ。
このような現実味のない論が蔓延することがないよう、願いたいものだ。
◎上記事は[現代ビジネス]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
上のコラム、大方は諒。ただ、
>日本が核保有となれば、
>アメリカも反対するはずだ。
これはどうだろう。米国における「日本も、核、保有せよ」との声、決して少なくないようだ。
◇ 北朝鮮の脅威にどう応じるか~「日本の核武装という政策選択」古森義久 2013.2.23
◇ 「北朝鮮が核兵器開発を進めれば、日本も核武装に踏み切る可能性がある」ロシア プシコフ下院外交委員長
◇ 【国防最前線】(1)~(4)/米国「日本も中距離ミサイルを持つべきだ」③/送り込まれた敵国工作員④
◇ 中共の核実験と日本の安全保障 「原発を核武装潜在力に」=若泉敬 / 佐藤栄作 / 中曽根康弘 / 正力松太郎
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◇ 『憲法が日本を亡ぼす』古森義久著 海竜社 2012年11月15日 第1刷発行
p78~
2 日本のソフト・パワーの欠陥
○ハード・パワーは欠かせない
「日本が対外政策として唱えるソフト・パワーというのは、オキシモーランです」
ワシントンで、こんな指摘を聞き、ぎくりとした。
英語のオキシモーラン(Oxymoron)という言葉は「矛盾語法」という意味である。たとえば、「晴天の雨の日」とか「悲嘆の楽天主義者」というような撞着の表現を指す。つじつまの合わない、相反する言葉づかいだと思えばよい。(略)
p79~
日本のソフト・パワーとは、国際社会での安全保障や平和のためには、軍事や政治そのものというハードな方法ではなく、経済援助とか対話とか文化というソフトな方法でのぞむという概念である。その極端なところは、おそらく鳩山元首相の「友愛」だろう。とくに日本では「世界の平和を日本のソフト・パワーで守る」という趣旨のスローガンに人気がある。
ところが、クリングナー氏はパワーというのはそもそもソフトではなく、堅固で強固な実際の力のことだと指摘するのだ。つまり、パワーはハードなのだという。そのパワーにソフトという形容をつけて並列におくことは語法として矛盾、つまりオキシモーランだというのである。
クリングナー氏が語る。
「日本の識者たちは、このソフト・パワーなるものによる目に見えない影響力によって、アジアでの尊敬を勝ち得ているとよく主張します。しかし、はたからみれば、安全保障や軍事の責任を逃れる口実として映ります。平和を守り、戦争やテロを防ぐには、安全保障の実効のある措置が不可欠です」
p80~
確かにこの当時、激しく展開されていたアフガニスタンでのテロ勢力との戦いでも、まず必要とされるのは軍事面での封じ込め作業であり、抑止だった。日本はこのハードな領域には加わらず、経済援助とかタリバンから帰順した元戦士たちの社会復帰支援というソフトな活動だけに留まっていた。(略)
クリングナー氏の主張は、つまりは、日本は危険なハード作業はせず、カネだけですむ安全でソフトな作業ばかりをしてきた、というわけだ。最小限の貢献に対し最大限の受益を得ているのが、日本だというのである。
「安全保障の実現にはまずハード・パワーが必要であり、ソフト・パワーはそれを側面から補強はするでしょう。しかし、ハード・パワーを代替することは絶対にできません」
p81~
となると、日本が他の諸国とともに安全保障の難題に直面し、自国はソフト・パワーとしてしか機能しないと宣言すれば、ハードな作業は他の国々に押しつけることを意味してしまう。クリングナー氏は、そうした日本の特異な態度を批判しているのだった。(略)
p82~
しかし、日本が国際安全保障ではソフトな活動しかできない、あるいは、しようとしないという特殊体質の歴史をさかのぼっていくと、どうしても憲法にぶつかる。
憲法9条が戦争を禁じ、戦力の保持を禁じ、日本領土以外での軍事力の行使はすべて禁止しているからだ。現行の解釈は各国と共同での国際平和維持活動の際に必要な集団的自衛権さえも禁じている。前項で述べた「8月の平和論」も、たぶんに憲法の影響が大きいといえよう。
日本の憲法がアメリカ側によって起草された経緯を考えれば、戦後の日本が対外的にソフトな活動しか取れないのは、そもそもアメリカのせいなのだ、という反論もできるだろう。アメリカは日本の憲法を単に起草しただけではなく、戦後の長い年月、日本にとっての防衛面での自縄自縛の第9条を支持さえしてきた。日本の憲法改正には反対、というアメリカ側の識者も多かった。
ところがその点でのアメリカ側の意向も、最近はすっかり変わってきたようなのだ。共和党のブッシュ政権時代には、政府高官までが、日米同盟をより効果的に機能させるには日本が集団的自衛権を行使できるようになるべきだ、と語っていた。
p83~
オバマ政権の中盤から後半にかけての時期、アメリカ側では、日本が憲法を改正したほうが日米同盟のより効果的な機能には有利だとする意見が広がり、ほぼ超党派となってきたようなのだ。
p158~
第6章 防衛強化を迫るアメリカ
2 日本の中距離ミサイル配備案
○中国膨張がアジアを変えた
「日本は中国を射程におさめる中距離ミサイルの配備を考えるべきだ」---。
アメリカの元政府高官ら5人によるこんな提言がワシントンで発表された。20011年9月のことである。
日米安保関係の長い歴史でも、前例のないショッキングな提案だった。日本側の防衛政策をめぐる現状をみれば、とんでもない提案だとも言えよう。憲法上の制約という議論がすぐに出てくるし、そもそも大震災の被害から立ち直っていない日本にとって、新鋭兵器の調達自体が財政面ではまず不可能に近い。
しかし、この提案をしたアメリカ側の専門家たちは、歴代の政権で日本を含むアジアの安全保障に深くかかわってきた元高官である。日本の防衛の現実を知らないはずがない。
p162~
中国は射程約1800キロの準中距離弾道ミサイル(MRBM)の主力DF21Cを90基ほど配備して、非核の通常弾頭を日本全土に打ち込める能力を有している。同じ中距離の射程1500キロ巡航ミサイルDH10も総数400基ほどを備えて、同様に日本を射程におさめている。米国防総省の情報では、中国側のこれら中距離ミサイルは台湾有事には日本の嘉手納、横田、三沢などの米空軍基地を攻撃する任務を与えられているという。
しかし、アメリカ側は中国のこれほどの大量の中距離ミサイルに対して、同種の中距離ミサイルを地上配備ではまったく保有していない。1章で述べたとおり、アメリカは東西冷戦時代のソ連との軍縮によって中距離ミサイルを全廃してしまったのだ。ロシアも同様である。
p163~
だからこの階級のミサイルを配備は、いまや中国の独壇場なのである。
「中国は日本を攻撃できる中距離ミサイルを配備して、脅威を高めているが、日本側ももし中国のミサイルを攻撃を受けた場合、同種のミサイルをで即時に中国の要衝を攻撃できる能力を保持すれば、中国への効果的な抑止力となる」
衝突しうる2国間の軍事対立では力の均衡が戦争を防ぐという原則である。抑止と均衡の原則だともいえる。
実際にアメリカとソ連のかつての対立をみても、中距離ミサイルは双方が均衡に近い状態に達したところで相互に全廃という基本が決められた。一方だけがミサイル保有というのでは、全廃や削減のインセンティブは生まれない。だから、中国の中距離ミサイルを無力化し、抑止するためには日本側も同種のミサイルを保有することが効果的だというのである。
日本がこの提案の方向へと動けば、日米同盟の従来の片務性を減らし、双務的な相互防衛へと近づくことを意味する。アメリカも対日同盟の有効な機能の維持には、もはや日本の積極果敢な協力を不可欠とみなす、というところまできてしまったようなのである。
p164~
3 アメリカで始まる日本の核武装論議
○中国ミサイルの脅威
アメリカ議会の有力議員が日本に核武装を考え、論じることを促した。日本側で大きくは取り上げられはしなかったが、さまざまな意味で衝撃的な発言だった。アメリカ連邦議会の議員がなかば公開の場で、日本も核兵器を開発することを論議すべきだと、正面から提言したことは、それまで前例がなかった。
この衝撃的な発言を直接に聞いたのは、2011年7月10日からワシントンを訪れた拉致関連の合同代表団だった。
p165~
さて、この訪米団は、7月14日までアメリカ側のオバマ政権高官たちや、連邦議会の上下両院議員ら合計14人と面会し、新たな協力や連帯への誓約の言葉を得た。核武装発言はこの対米協議の過程で11日、下院外交委員会の有力メンバー、スティーブ・シャボット議員(共和党)から出たのだった。
p166~
続いて、東祥三議員がアメリカが北朝鮮に圧力をかけることを要請し、後に拉致問題担当の国務大臣となる松原議員がオバマ政権が検討している北朝鮮への食糧援助を実行しないように求めた。
シャボット議員も同調して、北朝鮮には融和の手を差し伸べても、こちらが望む行動はとらず、むしろこちらが強硬措置をとったときに、譲歩してくる、と述べた。
p167~
○日本の核武装が拉致を解決する
そのうえでシャボット議員は、次のように発言した。
「北朝鮮の核兵器開発は韓国、日本、台湾、アメリカのすべてにとって脅威なのだから、北朝鮮に対しては食糧も燃料も与えるべきではありません。圧力をかけることに私も賛成です」
「私は日本に対し、なにをすべきだと述べる立場にはないが、北朝鮮に最大の圧力をかけられる国は中国であり、中国は日本をライバルとしてみています」
「だから、もし日本が自国の核兵器プログラムの開発を真剣に考えているとなれば、中国は日本が核武装を止めることを条件に、北朝鮮に核兵器の開発を止めるよう圧力をかけるでしょう」
肝心な部分はこれだけの短い発言ではあったが、その内容の核心はまさに日本への核武装の勧めなのである。北朝鮮の核兵器開発を停止させるために、日本も核兵器開発を真剣に考えるべきだ、というのである。
そしてその勧めの背後には、北朝鮮が核開発を止めるほどの圧力を受ければ、当然、日本人拉致でも大きな譲歩をしてくるだろう、という示唆が明らかに存在する。
p168~
つまりは北朝鮮に核兵器開発と日本人拉致と両方での譲歩を迫るために、日本も独自に核武装を考えよ、と奨励するのである。
日本の核武装は中国が最も嫌がるから、中国は日本が核武装しそうになれば、北朝鮮に圧力をかけて、北の核武装を止めさせるだろう、という理窟だった。
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◇ 北朝鮮、6回目の核実験2017/9/3 「多くの国は本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようであり」「米国が3万発を超える核爆弾を持ちながら、他国の核を認めないのは・・・」
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