中東やアジアなどのイスラム諸国に広がる反米デモ/歴史的な大転換 新しい世界が始まろうとしている

2012-09-14 | 国際

反米デモ 中東・アジアで拡大
NHK NEWS WEB 9月14日 5時56分
 アメリカで制作された映像がイスラム教の預言者を侮辱したとして、イスラム教徒が反発を強めている問題で、アメリカに対する抗議デモは、中東やアジアなどのイスラム諸国に広がり、治安当局との間で衝突が起きるなど、各国で緊張が高まっています。
 この問題では、アメリカで制作された映像がイスラム教の預言者を侮辱しているとして世界のイスラム教徒が反発を強め、アメリカに対する抗議のデモが、中東やアジアなどのイスラム諸国に拡大し、リビアではアメリカの領事館への襲撃で大使を含む4人が死亡しました。
 中東で人口が最も多いエジプトでは、13日、首都カイロのアメリカ大使館に数千人のデモ隊が近づこうとして治安部隊と衝突し、一部が石を投げたり警察の車に火をつけたりして暴徒化しました。
 これに対し、治安部隊は催涙ガスなどを使ってデモ隊を大使館から遠ざけようとしていますが、デモ隊の数は増える一方で、抗議デモはいっこうに収まる気配がありません。
 デモ隊の1人は「預言者の侮辱は絶対に許さない。アメリカとの関係を切るべきだ」と怒りをあらわにしていました。
 同じような抗議デモは、イエメンやバングラデシュなど各国に広がっていて、イエメンでは、治安部隊による発砲で死者が出るなど衝突による犠牲者も増えています。
 14日は、イスラム教の金曜礼拝の日で、エジプトなどでは、大規模な抗議デモが呼びかけられていて、治安当局は暴動に発展するおそれがあるとして警戒を強めています。
イランでも抗議デモ
 イランの首都テヘランでも13日、若者たちが、「アメリカを倒せ」などと叫んで抗議デモを行いました。
テヘランでは13日、国交のないアメリカの利益代表を務めるスイス大使館の近くにおよそ500人の若者が集まりました。
 若者たちは「アメリカを倒せ」、「映像の制作者に死を」などと叫び、アメリカの国旗を燃やしました。
 治安当局が大使館周辺の道路を封鎖するなど警備を強化していたため、若者たちは大使館のすぐそばまで近づくことができず、衝突などは起きませんでした。
 イスラム教徒の金曜礼拝が行われる14日にはイラン各地でアメリカに対する抗議デモが呼びかけられていて、今後、緊張が高まる可能性も出ています。
 イランでは、1979年に若者たちがアメリカ大使館を襲撃し、400日間以上にわたって占拠した事件をきっかけにアメリカと国交を断絶し、敵対関係が続いており、以前から国民の間に根強い反米感情が浸透しています。
バングラデシュでも
 南アジアのバングラデシュでも13日、イスラム教徒がアメリカへの抗議デモを行いました。
 バングラデシュの首都ダッカでは中心部にあるモスクに数百人のイスラム教徒の住民が集まり、アメリカの国旗に見立てた旗に火をつけたり、映像の制作者を処罰すべきだと訴えたりして抗議しました。
 その後、参加者らは大勢の警官隊が警戒に当たる中大通りをデモ行進しましたが、警官隊と衝突するなどの混乱はなく、けがをした人はいませんでした。
 一方、リビアで、11日に、アメリカの領事館が襲撃された事件を受けて、ダッカの警察はアメリカ大使館の周辺に多くの警察官を配置して警戒を強めています。
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『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』日高義樹著《ハドソン研究所首席研究員》
2012年07月25日1刷発行 PHP研究所

p244~
 いずれにしてもアメリカの力が大きく後退し、アメリカの抑止力がなくなれば、日本は世界の国々と対等な立場で向き合わなければならなくなる。対立し、殴り合ってでも、自らの利益を守らなくてはならなくなる。そうしたときに、好きか嫌いかという感情論は入る余地がないはずだ。(略)
 アメリカの核兵器に打ちのめされ、そのあとアメリカの力に頼り、国の安全のすべてを任せてきた日本人は、これから国際社会における地位を、自らの力で守ることを真剣に考えなければならない。
p260~
 中東の国々は、19世紀の初め、民族国家への歩みを始めるとともに、経済的な発展の道をたどろうとした。それを遮ったのが、ヨーロッパ諸国である。植民地主義によって中東の国々を収奪し、近代化を大きく阻害してしまった。
 中東諸国は、ヨーロッパに対する報復としてエジプトのナセル中佐など若い軍人を中心にソビエトに頼ったが、結局はアメリカの力に押しつぶされてしまった。
 2011年から「アラブの春」と呼ばれる民主主義運動が中東や北アフリカ諸国に広がっているが、その根元にあるのは反米主義である。近代化を西欧諸国の植民地主義に妨害された国々が報復を始めたのである。そのために核兵器を持って、アメリカに対抗しようとしている。
 アジア極東で、核兵器とミサイルを開発してアメリカを追い出そうとしている中国、北朝鮮と歩調を合わせ、中東やアフリカでも旧植民地勢力に対する反発としての新しい動きが始まっているのである。
 中東やアジアに広がっている反米主義の動きについて、アメリカの指導者たちは楽観的な見方をしているが、アメリカの看板である核に対抗する力をアラブの人々が持ち始めれば、アメリカは軍事力とともに、国際的な政治力の基本になってきた、石油を支配する力も失うことになる。アメリカの核の抑止力がなくなることは、歴史的な大転換が始まることを意味する。新しい世界が始まろうとしているのである。
P261~
 私がこの本で提示しようとしたのは、核爆弾という兵器を日本に落としたアメリカの指導者が、日本を滅ぼし、日本に勝つという明確な意図を持って行動したことである。無慈悲で冷酷な行動であったが、日米の戦争がなければ起きないことであった。
 原爆を投下された日本は、そうした現実をすべて置き去りにして、惨劇を忘れるために現実離れした「二度と原爆の過ちは犯しません」という祈りに集中するすることによって、生きつづけようとした。国民が一つになって祈ることによって、歴史に前例のない悲惨な状態から立ち上がったのは、日本民族の英知であった。
 だがいまわれわれにとって必要なのは、原爆投下という行為を祈りによってやめさせることはできない、という国際社会の現実を見つめることである。すでに見てきたように、世界では同じことが繰り返されようとしている。
 我々に必要なのは、祈りではない。知恵を出し合って、日本と日本民族を守るために何をしなければならないかを考えることである。それにはまず、現実と向かい合う必要がある。「原爆を日本に投下する」という過ちを、二度と繰り返させないために、日本の人々は知恵を出し合う時に来ている。
p263~
あとがきに代えて--日本は何をすべきか
 アメリカは核兵器で日本帝国を滅ぼし、そのあと日本を助けたが、いまやアメリカ帝国自身が衰退しつつある。歴史と世界は常に変わる。日本では、昨日の敵は今日の友と言うが、その逆もありうる。いま日本の人々が行うべきは、国を自分の力で守るという、当たり前のことである。そのためには、まず日本周辺の中国や北朝鮮をはじめとする非人道的な国家や、日本に恨みを持つ韓国などを含めて、常に日本という国家が狙われていることを自覚し、日本を守る力を持たなければならない。(略)
p264~
 軍事同盟というのは、対等な力を持った国同士が協力して脅威に当たらねばならない。これまでの日米関係を見ると、アメリカは原爆で日本を破壊したあと、善意の協力者、悪く言えば善意の支配者として存在してきた。具体的に言えば、日本の円高や外交政策は紛れもなくアメリカの力によって動かされている。日本の政治力のなさが、円高という危機を日本にもたらしている。その背後にあるのは、同盟国とは言いながら、アメリカが軍事的に日本を支配しているという事実である。
 いまこの本のまとめとして私が言いたいのは、日本は敵性国家だけでなく、同盟国に対しても同じような兵器体系を持たねばならないということである。アメリカの衛星システムやミサイル体制を攻撃できる能力を持って、初めてアメリカと対等な軍事同盟を結ぶことができる。もっとも、これには複雑な問題が絡み合ってくるが、くにをまもるということは、同盟国に保護されることではない。自らの力と努力で身を守ることなのである。そのために、日本が被った原爆という歴史上類のない惨事について、あらためて考えてみる必要がある。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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国防のためにすべきことを行わず無為のままにいる日本~世界の流れのなかに取り残された孤島になっている 2012-09-14 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉 


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