薬丸岳著 『Aではない君と』 『友罪』=神戸児童殺傷事件を彷彿させる

2017-07-31 | 本/演劇…など

2015.9.20 14:07更新
【書評】『Aではない君と』薬丸岳著
 ある日、吉永圭一のもとを警察が訪ねてきた。離婚後は元妻が引き取り、会う機会も減っていた14歳の息子、青葉翼についていろいろと聞かれた。その直後、同級生の死体を遺棄した疑いで翼が逮捕される。お前が殺したのか? いったい何があった?
 〈どんなことがあっても彼を受け止めてください。あなたにしか翼くんは救えない〉。だが、子供と、社会と、そしてなにより被害者の親と、自分はどう向き合えばいいのか…吉永は苦悩する。わが子が人殺しに!? どんな親も避けたいと願う最悪の事態を、真っ正面から描き切った。(講談社・1500円+税)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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『Aではない君と』薬丸岳著 講談社文庫 2017年7月14日 第1刷発行

  

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斗真×瑛太で描く、少年犯罪その後 神戸児童殺傷ほうふつ「友罪」映画化 
  俳優の生田斗真(32)と瑛太(34)の主演で、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件をモチーフにしたとされる小説「友罪(ゆうざい)」が映画化される。メガホンを取るのは、昨年のヒット作「64〜ロクヨン〜」を手掛けた瀬々敬久監督。撮影はすでに始まっており、来年5月の公開を予定している。
  かつて日本中を震かんさせた凶悪な少年事件「黒蛇神事件」の犯人(瑛太)と、その過去を知った同僚(生田)の友情や葛藤を描く物語。原作は薬丸岳氏が2013年に発表。少年事件のその後をテーマにした作品は、14歳の少年が「酒鬼薔薇聖斗」を名乗って起こした猟奇的な事件を思い起こさせる内容で話題になった。
  重いテーマに臨むにあたって、生田は「少年犯罪のことなど調べたりしましたが、自分の立場に置き換えるのは本当に難しい」と話している。瑛太とは3度目の共演で「僕と瑛太にしか出せない空気感を今回の現場で出せれば。昔から一緒に仕事をしているし、友人関係でもあるので、そこをうまく映画に反映させたい」と抱負。「映画館の椅子から立てなくなるような作品になる予定です」とアピールしている。
  一方、重大な過去を背負った難役に挑む瑛太は「この時代にこのような題材を映画化することにまだ惑う自分もいます。とても大変な役を引き受けてしまった」と心境を告白。「でも、瀬々監督、生田斗真、スタッフを信じて最後まで演じきりたい」と意気込んでいる。
*友罪
 ジャーナリストを志して夢破れ、町工場で働くことになった益田(生田)。同じタイミングで入社した鈴木(瑛太)と少しずつ心を通わせ、友情を育んでいく。しかし、益田はあるきっかけで、鈴木が17年前の連続児童殺傷事件「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑い始める。  
 [ 2017年7月31日 05:30 ]

 ◎上記事は[スポニチ]からの転載・引用です
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『友罪』 薬丸 岳著
 PRESIDENT 2013年8月12日号

  
  薬丸 岳(やくまる・がく)
 1969年、兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。著書に『闇の底』『虚夢』『刑事のまなざし』『悪党』『ハードラック』『死命』『逃走』などがある。
 
 怒りが、これまで小説を書く原動力だった、と薬丸岳さんはいう。
 「でも、今回は違うんです。怒りだけではなく、様々な考え方を提示して、ひとつの問題を俯瞰できる物語にしたかった」
 処女作『天使のナイフ』以来、薬丸さんは、罪に問われない少年や精神障害者の犯罪、犯罪被害者と加害者の問題などを題材にしてきた。「ぼく自身は犯罪に対して厳罰派」と語る薬丸さんが、これまでの作品で描いてきたのは犯罪の“罪と罰”。
 本書は、神戸連続児童殺傷事件を連想させる黒蛇神事件と呼ばれる少年事件の“その後”の物語だ。もしも友人が過去の凶悪犯罪の加害者だったら――。デビュー前から抱いていたテーマだったという。
 ジャーナリストの夢を諦めて機械加工工場で働く青年・益田純一は、同じ日に入社した同い年の鈴木と出会う。取っつきにくい鈴木と徐々に打ち解けていく益田は、あるきっかけで黒蛇神事件を調べ、鈴木が加害少年なのでは、と疑念を抱く。
 友人で居続けるか悩む益田の葛藤に、こんな思いが湧き上がってくる。もしも自分なら、と。
 「いつも自分なりの答えを探しながら小説を書きますが、なかなか答えは出ません。ただ、たとえ答えがなくても考え続けることが大切だと思うのです」
 物語は、月刊誌に掲載された益田の手記で締め括られる。〈おれたちの情報網から逃げられると思うな〉とネット上に匿名で書き込まれ、個人情報が晒される時代だからこそ、実名での手記発表に踏み切った益田の決断の意味は重い。
 様々な考え方が存在し、答えがない問題を問う本書の刊行について薬丸さんは「正直、怖かった」と語る。だからこそ、覚悟が、伝わってくるのだ。
 「ラストは手記で、とは初めから決めていました。けれども、最後の最後までどんなメッセージにするか悩みました。ぼく自身、鈴木を許したわけではありませんが、死んでほしいとは思わなかった。生きて過去と向き合ってほしい、と」(小原孝博=撮影)

 ◎上記事は[PRESIDENT On line]からの転載・引用です
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『絶歌』元少年A著 2015年6月 初版発行 太田出版 (神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗) 

   

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『「少年A」 この子を生んで・・・』神戸連続児童殺傷事件・酒鬼薔薇聖斗の父母著 文藝春秋刊1999年4月

        

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