本日の名フィル・サロンコンサートは、「K2の取り乱しも芸のうち」。Vn鬼頭俊さんとGt牛丸健司さんの演奏。鬼頭さんの軽妙なトークも愉しめた。秋らしい選曲。日本の曲やスタンダード、シャンソンも。
しかし、ファゴットのゲオルギ・シャシコフさんが加わって、バッハの『G線上のアリア』の旋律が流れ出した途端(これも秋らしく洒落たアレンジが施されているが)、胸一杯になった。私は、やはりクラシックが、というか、バロックが好きなのだ。長く親しんできた。故郷であり、呼吸のようなもの。ホッとして豊かな安心感に包まれる。
ここ2年ほどショパンを弾いてきた。それまで飽きもせずバッハを弾き続けたが、ショパンを始めてからは、故意にバッハを遠ざけた。バロックとロマン派とでは奏法がまるで違う、と認識したからだ。特に(?)ショパンの楽譜面(づら)は個性的で、運指が独特である。天下一品不器用者の私には、バッハを弾きながらショパンも弾く、などという芸当はとても出来ない。弾かなくなると、聴く機会も減っていった。
思いがけず今夕、バッハを聴き、ああ、やっぱ、バッハを弾きたいなぁ、と思った。
画像は、「K2」とは無関係。山陰中央新報「冬の使者・コハクチョウが益田に飛来」の写真