<トヨタ>大幅減益で雇用への影響深刻化も
11月6日20時56分配信 毎日新聞
国内自動車最大手のトヨタ自動車が6日、09年3月期連結決算の営業利益予想を前期比で7割以上減る見通しと発表し、国内自動車メーカーの業績悪化が鮮明になった。部品や素材メーカーなど幅広い企業と取引のある自動車メーカーの業績悪化は、多数の企業に打撃を与える。既に広がりつつある雇用への影響が深刻化する可能性もあり、日本経済の傷口を広げかねない。【中井正裕、鈴木泰広、米川直己】
「トヨタがくしゃみをしたら、1次下請けは風邪をひく。その下請けは重体だ」。愛知県豊田市のトヨタの3次下請けのブレーキ部品組み立て会社社長(69)は嘆く。「もうコスト削減は限界。単価も一度下がると景気が回復しても戻らない。採算が合わなくなったら経営をやめるしかない」
米国発金融危機を受けた消費の急激な冷え込みで、米国内の自動車市場は深刻な縮小が続く。トヨタは夏ごろから北米輸出を減らしており、これに伴い下請けメーカーは10月以降、前年比2~3割の大幅減産に入った。急激な減産を強いられ、余剰人員を抱えたまま赤字転落する企業も少なくない。
ある2次下請けのプレス会社社長は「生産計画が毎月下方修正され、見通しがまったく立たない」と悲鳴を上げる。
自動車業界の不振は、鉄鋼やガラスなど素材メーカーの減産も加速させている。新日本製鉄など鉄鋼大手4社は先月の中間決算発表でそろって粗鋼の減産を公表、減産規模は計約180万トンに及ぶ。
期間従業員や派遣社員など非正規社員の削減も進んでいる。トヨタも6月末で期間従業員の契約更新を停止。3月時点の約8800人が来年3月時点で3000人程度と3分の1に激減しそうだ。
厳しい雇用環境は自動車業界全体に広がっている。日産自動車は国内の派遣社員を11月末までに1000人削減する。マツダも派遣社員の人員削減を検討している。国内最大の自動車部品メーカー、デンソーも4~9月に期間従業員を約1割減らし、下半期は事実上、更新を停止する。
自動車業界の業績低迷が、日本経済全体に波及してきたことについて、トヨタの木下光男副社長は6日、「自動車産業はすそ野が広く、大変大きな影響があると思う」と述べた。
.........................
トヨタ、営業利益が7割減に…09年3月期決算見通し
11月6日21時14分配信 読売新聞
トヨタ自動車は6日、2009年3月期連結決算(米国会計基準)で、本業のもうけを示す営業利益が前期比73・6%減の6000億円になるとの見通しを発表した。
世界的な景気悪化の影響で新車販売の不振が続くとみているためで、5月時点の予想より1兆円下方修正した。国内製造業で売上高トップのトヨタが業績の大幅下方修正を迫られたことは、企業業績の悪化が深刻化しつつある現状を浮き彫りにした。
09年3月期の営業利益は8年ぶりに1兆円を下回る見通しとなった。売上高も、前期比12・5%減の23兆円と当初予想を2兆円下回り、9年ぶりの減収になる。
鋼材など素材価格の高騰やガソリン価格の高止まりに加え、9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)をきっかけとした世界経済の冷え込みによって、日米欧の先進国だけでなく中国やロシアなど新興国市場の伸び悩みも鮮明になっている。トヨタは08年度の世界販売台数を、前年比67万3000台減の824万台と見ており、02年度以降、毎年50万台近い販売増を記録してきた「右肩上がり」の成長が止まるのは確実だ。
トヨタが6日発表した08年9月中間連結決算も、売上高が前年同期比6・3%減の12兆円、営業利益が54・2%減の5800億円と減収減益だった。
国内自動車大手8社の08年9月中間連結決算も6日出そろい、トヨタを含む5社で売上高と営業利益がともに減少する減収減益となった。「リーマン・ショック」以降の世界経済の変調や、急激に進んだ円高が各社の収益を悪化させた。8社の営業利益の合計は、前年同期に比べ約1兆円減った計算だ。
世界的な販売不振に対応し、各社は減産やリストラを加速させている。スズキは08年度中に24万6000台、日産自動車は20万台以上、生産を減らす。トヨタが09年3月末までに約3000人の期間従業員の削減を検討するほか、日産も国内工場に勤める派遣社員1000人を含め国内外で3500人を減らし、マツダなども派遣社員の削減を検討中だ。
最終更新:11月6日21時14分
.............................................................................................................................
ホンダ社長「当然為替介入やるべき」 国内で輸出車減産
ホンダの福井威夫社長は6日の新車発表会で、為替相場の動向について「為替が安定しないと(業績)回復のきっかけがつかめない。政府は動かないとダメで各国との協調介入も当然やるべきだ」と述べ、政府は為替相場を早期安定化に尽力すべきと強調した。
北米向け輸出車などを生産する埼玉製作所(埼玉県狭山市)について「ここにきて(生産量は)落ちてきた。下期は計画を下回る」と述べ国内での減産について言及した。減産する車種は北米に輸出する「アコード」(日本車名はインスパイア)や「CR―V」などになる見通し。
米国の大統領選でオバマ氏が勝利し民主党政権に移行することについては「民主党だからといって今の段階で(オバマ氏が)経済政策で保護主義にならないと思う」との見解を示した。日経新聞 (2008/11/06 22:04)
.............................................................................
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/e22f450ebd59195d3e231e739b89297a