「鳩山試案」 交戦権を否認した9条2項=最も欺瞞的 / 集団的自衛権=制限的な行使容認

2009-09-07 | 政治
中日春秋
2009年9月7日
 憲法をテーマにした講演を聞いた時、妙に記憶に残った言葉がある。「押し掛け女房でも、よい女房はいる」。語ったのは民主党の鳩山由紀夫代表だった▼二〇〇四年十二月に自らの「新憲法試案」をまとめた直後だった。米国の強い影響下で憲法が制定されたことを認めながら、明文化された国民主権や基本的人権、平和主義などの原則は評価すべきだと語っていた▼「鳩山試案」の特徴は、交戦権を否認した九条二項を「最も欺瞞(ぎまん)的な部分」と批判したうえで、「自衛軍保持」を明記。集団的自衛権についても、制限的な行使を容認した点だろう。しかし、総選挙の論戦中、鳩山氏が自らの改憲論を訴える場面はほとんどなかった▼日教組出身から、自民党出身の保守派までが混在する民主党議員の憲法観は左から右までバラバラだ。マニフェストでも憲法問題は、最後に触れられていただけだった▼社民党の福島瑞穂党首は、衆参両院の憲法審査会の凍結を連立政権への参加条件とする考えを示しているが、民主党内には反発もあるようだ。政権維持と信念との間で鳩山代表も悩ましいところだろう▼憲法調査会をリードした自民党は衆参両院で第二党に転落、憲法改正の主導権を握ることは当面なくなった。注視したいのは民主党の憲法論議の行方だ。新人議員たちが、どんな憲法観を持っているのか聞いてみたい。
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インド洋給油、1月撤退で一致 連立協議で社民が譲歩
2009年9月5日 中日新聞朝刊
 連立政権樹立に向けて協議を続けている民主、社民、国民新の3党は4日、インド洋で給油活動をしている海上自衛隊について、新テロ対策特別措置法の期限が切れる来年1月に撤退させる方針で一致する見通しとなった。社民党が撤退方針の明示を条件に、1月までの活動継続を容認する姿勢に転じたため。連立協議で残る課題は社民党が求める与党間の政策調整機関を設置するかどうかに絞られてきた。
 3党は4日の幹事長会談で、衆参両院の憲法審査会の審議開始の条件や、衆院比例代表定数の削減問題以外の政策課題は合意可能との認識で一致した。
 焦点となっていたインド洋での給油活動については、民主党が来年1月以降は延長しない方針なのに対し、社民党は即時撤退を主張していたが、同党が譲歩し「即時」の表現を「早急」に変更。1月までの活動継続に理解を示したことで、決着の方向となった。
 これに関連し、3党は給油活動から撤退する代替策として、アフガニスタン復興支援を推進することでも一致する見通しとなった。

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