<石巻3人殺傷>少年法の理念と死刑考える
裁判員裁判で犯行時少年だった被告に言い渡された初の死刑判決が確定した石巻3人殺傷事件に関する緊急集会が16日、仙台市青葉区のエル・ソーラ仙台で開かれる。子どもの問題に直面する親らが支え合う団体「リレーションシップ・みやぎ」が主催する。
団体の星野はるか代表が、千葉祐太郎死刑囚(25)=事件当時(18)=の裁判を傍聴した感想を報告する。参加者は、裁判員裁判で少年事件を裁くことの是非や死刑制度の賛否、少年法の理念などを話し合う。
星野代表は「子どもは親や家庭など成育環境を選ぶことができない。大人や社会が健やかな育ちをどう保障するのかという点まで考えを深めたい」と話す。
集会に向けて、少年事件の専門家が談話を寄せた。山口県光市母子殺害事件の死刑囚=同(18)=の弁護人、安田好弘弁護士は「石巻事件の最高裁判決は、死刑の選択には謙抑的でなければならないという精神がみじんも見られない。少年の死刑は大人が少年を育てることを放棄し、未成熟な子どもを抹殺するということだ」と言及した。
神戸市の連続児童殺傷事件で少年審判を担当した元裁判官の井垣康弘氏は「世界レベルでは死刑には犯罪抑止力がなく、人間は取り組みによって驚異的に変わることが分かってきた。刑罰は『教育』そのものになりつつある」と指摘する。
集会は午後2~5時。参加費600円、要予約。連絡先は星野代表080(1838)7464。
[石巻3人殺傷事件]確定判決によると、千葉祐太郎死刑囚は2010年2月10日朝、共犯の男=事件当時(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=と宮城県石巻市にある交際相手の女性=同(18)=の実家に押し入り、女性の姉=同(20)=と友人=同(18)=を牛刀で刺殺。居合わせた男性=同(20)=にも大けがをさせ、女性を車で連れ去った。裁判員裁判だった一審仙台地裁は「年齢は死刑回避の決定的事情とまでは言えない」と死刑を言い渡し、二審仙台高裁も支持。最高裁も極刑を維持した。
2016年07月14日木曜日
◎上記事は[河北新報]からの転載・引用です
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◇ 石巻3人殺傷(事件当時18歳被告の裁判員裁判)死刑判決…「理解まるでなく、心底がっかり」井垣康弘弁護士
◇ 石巻3人殺傷事件 元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却 2016/6/16 NHK・JNN…実名報道
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