安倍氏銃撃の「謎」 花田紀凱 2023/3/5

2023-03-05 | 社会

花田紀凱の週刊誌ウォッチング
(914)安倍氏銃撃の「謎」、結局解明できなかった『文春』
 
 花田 紀凱
 新聞テレビがなぜか全く追及してこなかった、安倍元首相銃撃事件の謎に挑んだ『週刊文春』の姿勢は高く評価したい。
 が、当然のことながら、謎の解明までには至らなかった。
 今週号(3月9日号)は(多分、今号で終わりなのだろう)、「安倍元首相暗殺 5つの核心」と題して側近議員、元警視総監、アメリカの法医病理学者ら5人が、「事件の核心」を語るというのだが…。

元警視総監池田克彦氏。
〈銃創の弾道など「疑惑」と言われる点ですが、現場や資料を見ていないので論じにくい。弾丸が無くなることもあり得ますし(以下略)〉
 約3000件の法医解剖を行ってきたアメリカの法医病理学者キャンディス・ショッペ博士。
 〈長時間の救命措置を受けた場合、遺体の傷が救命措置によって変形したり、不明瞭になることがある。逆に蘇生中に生じた傷を、銃創と誤認してしまうこともある。更に銃弾が血液内に漂っていた場合、救命のために血液を排出する際、医師らにも気付かれないまま一緒に排出され、紛失することもあり得ます〉

〈「週刊文春」の一連の報道は、陰謀論を煽(あお)っているのでは〉と批判的な江川紹子さん。

〈裁判所で反対尋問を進めながら事実関係を確定していく。その裁判プロセスこそが大事〉

5人が語る「事件の核心」は、『文春』の思惑とは少し違うようだ。

大手新聞の記者の感想を聞きたい。

『週刊新潮』(3月9日号)の連載コラム「医の中の蛙」で里見清一さんがオフレコ破りでクビになった荒井勝喜首相秘書官の問題に異論を。

毎日新聞は〈「首相秘書官がこうした人権意識を持っていることは重大な問題だと判断した」のだそうだ〉。

オフレコを破ってまで〈「本音」を攻撃するとはすなわちその人の「思想」を断罪することになる。公職にいる人たちの「思想の自由」は、憲法19条(筆者注・思想及び良心の自由)の保障から外れるのだろうか。大変だなあ〉

(月刊『Hanada』編集長)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です


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