強制不妊訴訟・あす仙台地裁6日判決 除斥期間「20年の壁」超えられるか 2023/03/05

2023-03-05 | 文化 思索 社会

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強制不妊訴訟・あす仙台地裁6日判決 除斥期間「20年の壁」超えられるか(2023年3月5日配信『河北新報』)
 2023/03/05 09:27
 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県の男性2人が国に計6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、仙台地裁で言い渡される。焦点は、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」の適用の可否。司法が男性らへの人権侵害を救済するのか、法の安定性を選ぶのか、仙台地裁の判断が注目される。

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■「公平に反する」
 原告側は「画一的な除斥期間の適用は正義、公平の理念に反する」と主張する。うそやだましたりして不妊手術をさせることが許容され、被害を自覚するのが難しかった上、差別や偏見を恐れて訴訟も起こしづらい状況が続いていた、としている。
 国側は、除斥期間の制限は加害者の行為が原因で、被害者の権利行使が不可能だった場合に限られると強調。「適用を制限する特段の事情が認められない」と主張した。
 全国11地裁・支部に提起された一連の訴訟では、地裁・高裁で計11件の判決が言い渡された=表=。
 原告側の請求棄却が続いた中、昨年2月の大阪高裁判決は初めて国に賠償を命じた。以後、国に賠償を命じる判決が相次いでいる。
 大阪高裁は、国の優生政策が障害者への差別や偏見を助長し、司法へのアクセスを著しく困難にさせたとして「時間の経過を理由に賠償請求権が失われるのは正義、公平の理念に反する」と判断し、民法の時効停止の規定を適用した。
 東京高裁も同様の枠組みを用いた上で、2019年4月の一時金支給法施行時から5年間、除斥期間の適用が猶予されると判断した。
 最高裁が除斥期間を適用しない例外を認めた判決は予防接種禍訴訟(98年)と、時効成立の殺人を巡る訴訟(09年)の2件のみだ。ただ、B型肝炎再発訴訟(21年)のように除斥期間の起算点を発症時点ではなく、再発時点へと遅らせて被害者を救済したケースもある。
 地裁が原告側を救済する場合、除斥の可否だけでなく、どのような論理で導くのかも焦点となる。
 
 ◎上記事は[障害福祉&政治・社会・平和問題ニュースサイト]からの転載・引用です

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