ロシア 新核兵器を誇示 プーチン氏 年次教書演説 2018/3/1 米「ミサイル防衛は対ロシアではない」

2018-03-02 | 国際

ロシア 新核兵器を誇示 プーチン氏 年次教書演説
 東京新聞 2018年3月2日 朝刊
 画像;1日、モスクワでプーチン大統領が新型兵器を発表した年次教書演説=タス・共同
  【モスクワ=栗田晃】ロシアのプーチン大統領は一日、モスクワで閣僚や上下院議員、地方の首長らを前に、年次教書演説を行った。再選が確実視される十八日の大統領選を前にした事実上の公約発表。核兵器を含む最新兵器の誇示に長時間を割く異例の内容で、「今後(欧米などは)われわれの言葉に耳を傾けることだ」と述べ、力を背景に外交政策を推進し、欧米に対抗する姿勢を鮮明にした。
 実験中の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマート」に加え、核弾頭搭載可能で原子力によって推進力を得る巡航ミサイルや魚雷についても詳細を初めて公開した。レーザー光線を発射する最新兵器も「昨年末に部隊に配備した」と言及。「過去十五年、軍拡競争を仕掛け、ロシアを妨害してきた国の試みは失敗に終わった」と開発成果を誇示した。
 プーチン氏は米国のミサイル防衛(MD)システム網が東欧から日本、韓国まで及び、ロシアの領土を取り囲んでいると指摘。公開した最新兵器は米国のMD網を突破し、無力化するとして「ロシアへの攻撃を考える国は正気になり、非友好的な態度が無意味だと理解すべきだ」と主張した。
 トランプ米政権が二月に発表した「核体制の見直し」(NPR)で、通常兵器やサイバー攻撃に対し、核兵器で反撃する可能性を示したことを「深刻に懸念している」と非難。「いかに小規模であろうと、ロシアと同盟国に対する核攻撃に対し、瞬時にあらゆる手段で反撃する」と強調した。
 年次教書演説は近年、十二月に行われてきたが、今年は大統領選直前に延期。会場もクレムリンから大画面のある展示会場に初めて移した。演説するプーチン氏の背後に最新兵器の映像を流し、国民に「強い大統領像」を印象づけた。
 プーチン氏の年次教書演説としては過去最長の約二時間に及び、三分の一を兵器の紹介と米国批判に費やした。経済、内政では次の任期の六年間で国民一人あたりの国内総生産(GDP)を一・五倍にすることや、貧困率を半減させることを公約。二〇三〇年までに平均寿命を八十歳以上にする目標を示した。

 ◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です
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プーチン大統領 米ミサイル防衛がロシア包囲と批判 核戦力強化へ
 NHK NEWS WEB 2018/3月2日 6時13分
 ロシアのプーチン大統領は、今後、優先的に取り組む内政や外交の基本方針を示す年次教書演説を行い、アメリカが展開するミサイル防衛システムを批判したうえで、核戦力を強化する姿勢を強調しました。
 プーチン大統領は1日、モスクワで、今後、優先的に取り組む内政や外交の基本方針を示す年次教書演説を行いました。
 この中で、アメリカが日本を含むアジアやヨーロッパで、ロシアを取り囲むようにミサイル防衛システムの配備を進めていると指摘し「友好的ではない」と批判しました。
そのうえで、ロシアが開発した最新の大陸間弾道ミサイルはあらゆるミサイル防衛システムを突破できると主張し、核戦力を強化する姿勢を強調しました。
 さらに、動力源に原子力を用いることで長距離の飛行を可能にした巡航ミサイルや、無人の潜水艇といった新たな兵器の開発を進めていることを明らかにしました。
 また国内向けには「2020年代の半ばまでに国民1人当たりのGDP=国内総生産を1.5倍にする」と述べ、国民生活の向上に力を入れる姿勢を示しました。
そのうえで、最低生活費以下の所得で暮らす人の数を、今後6年間で現在の2000万人から半数以下にするなどの具体的な目標を示しました。
 ロシアでは今月18日に大統領選挙が行われ、通算4期目を目指すプーチン大統領としては、欧米に対抗する「強いロシア」を掲げるとともに国民生活の向上を約束することで、得票を伸ばしたい狙いがあるものとみられます。
*米「ミサイル防衛は対ロシアではない」
 ロシアのプーチン大統領が年次教書演説で核戦力を強化する姿勢を強調したことについて、アメリカ国務省のナウアート報道官は記者会見で「プーチン大統領はロシアが条約に違反して兵器システムを開発していることを認めた」と述べ、ロシアがINF=中距離核ミサイル全廃条約に違反していると改めて批判しました。
 そしてプーチン大統領の演説中に映し出されたビデオで、アメリカを核兵器で攻撃するような描写があったと指摘し「不快であり、国際社会の一員としての責任あるふるまいではない」と非難しました。
 国防総省のホワイト報道官は、プーチン大統領がアメリカが展開するミサイル防衛システムを批判したことをめぐって「ロシアも十分に分かっていることだが、われわれのミサイル防衛はロシアに対するものではない。大部分はならず者国家に関するものだ」として、ミサイル防衛は北朝鮮やイランを想定したもので、批判はあたらないと主張しました。 そのうえで、核戦力の強化を強調したことについては「驚くことではない。われわれの備えは十分だ」と述べ、アメリカとしては想定の範囲内であり、対応策は取っているという見解を示しました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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