ものごとの深い味わいや美味を表す「醍醐味」は、もともと仏教の言葉 2021.12.24

2021-12-27 | いのち 環境

 中日春秋
  2021年12月24日
ものごとの深い味わいや美味を表す「醍醐味(だいごみ)」は、もともと仏教の言葉であるそうだ。仏典に、「醍醐」とは「最高の味の製品である。これを食べるとあらゆる病が治るといわれる」といった意味の記述があるらしい。チーズなどのように、牛乳を発酵させてつくる乳製品を指したようである ▼発酵にはいくつかの段階があるとされていて、その究極が、おいしさと薬効をあわせ持つ醍醐だった。平安の貴族たちも牛乳が生み出す味と力を知っており、醍醐につながる乳製品を口にしていたという ▼古くから知られる牛乳の醍醐味である。現在のこの時世にこそ求められるように思えるが、そうではないらしい。年末年始に向けて供給過剰になっていて、牛乳や乳製品の原料となる生乳に大量廃棄のおそれが生じている。もったいない。牛乳や乳製品の消費を業界などが呼びかけている ▼コロナ禍がかかわる不運な事態のようだ。飲食店の営業自粛などで、需要が減った一方、業界はかつてのバター不足を機に生産力を高めており、今夏の気候も乳牛のためにはよかったという。生きものゆえに生産量を簡単には減らしたり増やしたりすることもできない ▼明治期の書物にミルクを「美留久」とする表記があるそうだ。近代以降は庶民の滋養に寄与していよう ▼久しく留(とど)まってきた美味と見て、ささやかながらのもう一杯で貢献したい。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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