死刑求刑が予想される事件「取り調べは原則黙秘」…死刑弁護の手引が波紋 2015/10

2015-10-19 | 死刑/重刑/生命犯

「取り調べは原則黙秘」…死刑弁護の手引が波紋
 2015年10月19日 08時51分
 死刑求刑が予想される事件の弁護活動について、日本弁護士連合会がまとめた手引が波紋を呼んでいる。
 否認事件などで被害者の裁判参加に反対するよう求め、取り調べで「原則黙秘」を打ち出しているためだ。日弁連内部にも異論があり、犯罪被害者を支援する弁護士団体は19日にも抗議声明を出す。
*目標は死刑回避
 手引「死刑事件の弁護のために」(A4判110ページ)は、日弁連の刑事弁護センター死刑弁護小委員会が作成した。裁判官と裁判員に死刑判決を回避させることを「唯一最大の目標」と明記。被害者参加については、「被害者による質問で法廷が感情に支配され、証拠に基づかない質問がされる可能性がある」として、被告が起訴事実を否認していれば「参加に反対すべきだ」と記載した。
 捜査段階の取り調べでは、「早期に自白しても死刑回避の保証はなく、かえって供述内容が量刑を死刑に押しやる」として「黙秘権の行使が原則」と指摘した。マスコミ対応についても、「報道機関は言い分を正確に記事にするとは限らない」として「弁護人は公判段階まで取材に応じてはならない」「被告に、報道機関が面会を求めてきても一切応じないよう説得すべきだ」と求めた。
2015年10月19日 08時51分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 ◎上記事は[讀賣新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2015/10/19 Mon. 〉
>否認事件など(略)取り調べで「原則黙秘」
 否認事件と断っているが、無実であるなら尚更、被告人は黙秘などせず、積極的に事実認定に関わっていくべきではないのか。関わりたいはずではないか。私などは、捜査段階で黙秘する容疑者を見れば、有実だろうと疑う。潔白なら、黙っていられないだろうと思うからだ。
 一方、否認事件ではなく、有実を認めている被告人の場合はどうか。山口県光市の母子殺害事件で、男性被告に死刑判決が出たことを受けての記者会見(2008.4.22)の席上、記者の「1審と控訴審で無期懲役になっていたことを考えると、被告の利益を考えてあえて新供述を出さずに、今までの供述を変えない法廷戦略もあったのでは」との質問に、弁護士の立場から、安田好弘氏は以下のように云っている。

 「それは弁護士の職責としてあり得ない。真実を明らかにすることで初めて被告の本当の反省と贖罪が生み出されると思う。そうすることでようやくこの事件の真相が明らかになる。なぜこの事件が起こったのか。どうすればこういった不幸なことを避けることができるのか。そしてどうすれば被害者の許しを請うことができるのか。戦術的に物事をとめるとか不当に終わらせることは決してやってはいけないことだ」

  真実を明らかにすること、これは、人の道である、と私は考える。

 関連; 光市事件 死刑判決で弁護団記者会見2008.4.22 真実を明らかにすることで被告の本当の反省と贖罪が… 

      

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死刑弁護に独自の手引 日弁連「特別な弁護必要」
 日本経済新聞 2015/10/19 12:45
 死刑求刑が予想される事件で適切な弁護活動をするため、日弁連が初めて会員向けに独自の手引を作成した。日弁連は死刑執行に反対の立場だが「制度がある以上、特別な弁護が必要」として、全国の弁護士会に配布した。
 手引は110ページ。米国法曹協会のガイドラインを参考に、死刑事件の弁護経験が豊富な弁護士らを中心に約3年かけて作成した。捜査段階から判決確定後まで、それぞれの場面で求められる対応を詳しく記している。
 死刑を回避するためには、警察や検察の捜査とは別に独自の調査をして可能な限り情報を集め、立証計画を立てるべきだと指摘。手引作成の中心となった後藤貞人弁護士は「これまでは事件や被告について徹底的に調査するという意識が薄かった」と解説した。
 死刑確定後には再審請求に向けた準備を進めるなど「執行されるまでが弁護人の務め」とした。
 一方、否認事件などのケースでは、被害者や遺族が裁判で被告に直接質問することができる「被害者参加」に反対することも盛り込み、被害者支援に取り組む弁護士から批判も出ている。
 今後、ノウハウを蓄積して手引を改訂するため、起訴状や判決文などの書類を日弁連に集約する予定。後藤弁護士は「誰が担当しても最高レベルの弁護ができるようにしていきたい」と話した。
 常磐大大学院の諸沢英道教授(被害者学)は「被害者参加に反対するのは被害者や遺族の人権を侵害することだ」と話している。〔共同〕
 ◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
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山田浩二容疑者…弁護士が決まり、その面会以降、完全黙秘 [平田奈津美さん・星野凌斗君 遺体遺棄事件] 
大阪中1遺棄事件;山田浩二容疑者 逮捕(2015.8.21)から1週間 続く黙秘 少ない物証 立証のハードル高く
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