6月25日
夕方からの雨が激しくなってきた。風も強く、雨が吹き込む。戸を締め切ってはみたものの、蒸し暑くそっと細めにガラス戸をあげる。雨の中を黒猫のクタがまた遊びに来ている。子猫達をほっといていいのだろうかと、心配になりながらも、雨のためにびっしょ濡れになったクタを、撫でてあげるのはちょっといやだなと、気がつかない振りをする。
時々鳴き声や、ガラス戸に爪を立てたりするのが聞こえる。仕事を終えた武一さんがグラスを手に、風の音に耳を傾けていたが、「子猫も来ているみたいだ。」と言う。いそいでカーテンをあける。ガラス戸の向こうに親猫のクタと、熊のような顔をした黒い小さな子猫の顔が見える。母猫のクタは、初めてわが家にお目見えしだ時には、タヌキの親戚のような顔をしていた。成長ずるにしたがって、タヌキらしい風貌も消失し、今度は黒猫らしからぬクルクルお目目がトレードマークになってきたのだが。この親子は幼少時は、どうも猫には見えないらしい。 二匹はl5センチ程の縁先にちょこんと乗って、クタは誇らしげに、子猫は珍しそうに家の中を覗きこんでいる。 「あれ、もう一匹は連れて来なかったのかしら」と覗きこむと、床下で黒いものが動いている。
そう言えば、子猫が生まれてから推定約七週間。いろいろ大変なことがありました。その大変なことはいつも雨の日に起こりました。まず、出産。そもそも、子猫がいつ生まれたのかは、はっきりとはわかっていないのです。私たち二人の推理では5月13日。その前日あたりから、母猫のクタが、普段とは違う振る舞いをするようになった。
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