奈良に行くと必ず寄る寺院が何ヶ寺かあります。そのひとつが,真言宗豊山派 総本山長谷寺と云う寺院です。
御存知の方も多いと思いますが,こちらの長谷寺さんは,奈良県桜井市の初瀬山の中腹に十一面観世音菩薩を御本尊としてお祀りしております。なんとその高さは10メートルを超える巨大な観音様で,観音信仰の根本道場でも名高い寺院です。先日の記事に登場した室生寺と同様,太古の昔には太陽信仰の祈りの場でもある聖地です。
この長谷寺さんの見どころは,高さ10メートルを超える御本尊の十一面観世音菩薩もそうですが,他にもたくさんあります。五重塔や本長谷寺,さらに,あまり人目のつかない場所に御鎮座されております白山神社もひとつではないかと思います。私個人的には,本長谷寺さんと何となく縁を感じます。とても小さな御堂のような建物ですが,ここが長谷寺さんの本です。由緒書きには「長谷寺草創の御堂であることから本長谷寺と称す」とあります。
私は,この長谷寺さんへ参拝させて頂くと稀に,御先祖様の御供養を祭祀されている方をお見受けします。
その日の長谷寺さんの時間帯や日程などで違うとは思うのですが,数名の僧侶の方が鈴を鳴らし,太鼓を叩き,読経をされます。私は二度ほど見学させて頂きましたが,観音経を読経すると必ず本堂の中で強風が吹きます。下の門前から駆け上る風は,とても神秘的なものです。祭主の想いを御先祖様が感じ取り,そして,その優しさを観音様が歓迎されているかのようです。
なんだか今日は,長谷寺の広報担当者のようになってしまいましたが,とても素晴らしい寺院です。
是非一度,近隣へお越しの際には,参詣して十一面観世音菩薩へ感謝の祈りを捧げて見て下さい。欲得祈願は通用しない仏様です。上の動画で見ると,399段の登廊がきつそうですが,ここの登廊は上がり易く御年配の方々も多く参拝されております。長い登廊を上がり,やっと到着した本堂で十一面観世音菩薩との対面をする姿を毎回,興味深く観ておりますが,ほとんど例外なく参拝者は「うゎ!」と思わず声を出して,しばらく口が開いたままの状態になられます。
私はいつもその光景を見て童子に戻られている姿とは,きっとこのような姿なのだと思っております。
何も持たず,無防備にじっと観音様と1対1で見つめ合って,向き合って無言の中で感じる空間がそこにあります。神様から観たらすべての人が,例外なく,みな平等であるということは,この長谷寺さんでも十分感じ取れると思います。
みなみな神の子。可愛い子。心配せんで勇んで参れよ。賢い。賢い。良い子じゃ。良い子。
観音信仰 根本道場 総本山長谷寺 http://www.hasedera.or.jp/
※動画内の写真は,総本山長谷寺さんにて撮影させて頂きました。本堂に続く399段の石階段(登廊)です。
拝