紫陽花の雨

《紫陽花》


雨・・

飽きずに眺める

サーサーと降る雨

雨垂れの音



稲妻の閃光が走り

幻想的な一瞬が過ぎる

雫が真珠のように転がって

滴り落ちる



雨の透き通った空気が

身体を通り抜けていく



学生服姿の君と

手をつないで走った

・・遠い日

遠い日の 恋

《かき氷》


遠いあの日

君のプロポーズの言葉に

ふざけてしまって

・・ごめん


そのときは解らなかったけれど

大人になって分かる

まだ幼くて

君に応えられなかった



今になって分かる

ずっと君を愛していたこと



・・会いたい

雨の夜の追想

雨が降っている

屋根を打つ雨の音が強くなる

夜の雨音は

まるで子守唄のように思い出を誘う

会えなくなって、どのくらい経つのでしょう

微睡の中で

君が抱きしめた温もりを感じて

まつ毛が濡れる

もう

忘れたと思っていたのに・・


雨音に、すべての物音が掻き消され

雨の音を聴きながら

眠りにつく

・・まだ　寂しくない