人間の欲望で
人間がつくりだしたものに
私たちは怯えています
人間の欲望で
人間がつくりだしたものなのに
私たちに迫る危機
空から降ってくるものに
海から流れてくるものに
無防備なまま
翼を広げることしか出来なくて
ただ
見つめることしか出来なくて
私たちは泣いてます
人間に届かない声で
今日も
泣いてます
見えない恐怖にさらされているのは自然も同じ。
私達に届かない声で、
今日も泣いているのです。
風香・・
微笑み黄色
にっこにこ
心に種を撒きました
小さな芽から
蕾がなって
いっぱいタンポポ咲きました
あの町も
この町も
お空を見ては泣いている
だから
微笑み黄色
にっこにこ
涙の町にも飛んでゆけ
微笑み黄色
にっこにこ
お空に種を撒きました
いつしか風が
帆を張って
海の向こうへ運びます
あの子にも
この子にも
笑顔の花を咲かせたい
だから
微笑み黄色
にっこにこ
世界の果てまで飛んでゆけ
微笑み黄色
にっこにこ
いっぱいタンポポ咲きました
世界の空に
咲きました
笑顔の花が
咲きました
あなたの心に
微笑みの黄色い花が咲きますように
風香・・
被災地 仙台に住む兄弟に
娘婿が小包を送った
してあげられるのは
これしかないと
いろんなものを たくさん詰めて
本当は
今すぐにでも駆けつけたい
抑えてる気持ちが
表情から読み取れる
それから 何日かして
我が家に荷物が届いた
仙台からだ
中には
仙台名産品の笹かまぼこ
ずんだ餅
そして
りゅうへのお小遣いと
手紙が添えられてあった
遠い町で暮らす弟を想う気持ちと
現状を伝える文字
思い出の場所が
みんな流されてしまったこと
たくさんの人が亡くなって
今でも信じられないと・・
その後に続く
私達を気遣う言葉が胸を打つ
今度は
もっともっと美味しいものを届けると
そう締めくくってあった
どんな想いで綴ったのだろう
痛みを受けながらも
弟を想う兄の気持ちに
心の震えが止まらない
感動と切なさの混じった
込み上げる想い
頂いた笹かまぼこは
頬を伝う涙のせいか
以前より
しょっぱい味がした
いつか必ず
家族みんなで、
仙台へ行きますね。
風香・・
自然の猛威よ
静まってください
収まってください
子供が震えています
大人も震えています
強く生きて来たはずの
男の人が泣いてます
立ち直ろうと
奮い立ったのも束の間に
これでもかと
大地のあなたが揺れるのです
とてつもない力で揺れるのです
それはそれは大きな威力で
自然が猛威を振るうのです
どうしようもできない
やり場のない悲しみ
これ以上
もう
これ以上・・
自然の猛威よ
静まってください
収まってください
一日も早く
穏やかな日常に
戻してください
余震の多さに驚きを隠せません。
もう、これ以上・・と、心が波打ってます。
風香・・
賑わい見せる城下町
桜燈籠 灯る道
春の精 通り抜けた
そこにだけ 花吹雪
子供を肩に乗せ
くぐる桜のアーチ
お城にあがる階段を
のぼってゆく あなた
息もきれぎれ 振り返り
綺麗だね・・と
私に手を振る
桜の競う 城下町
私が一番華やかと
春の精 通り抜ける
そこにだけ 花吹雪
お城のてっぺんから
覗く小さな窓に
映る景色を ふたりして
溜息で見下ろす
潤んだ瞳で 振り返り
綺麗だよ・・と
私に囁く
お城跡地の公園で賑わう花まつり
満開の桜はとても美しく
桜吹雪の中を、
家族と一緒に歩いてきました
風香・・
