ぜぜが浜から吹く風は
潮の香りをなびかせて
高いあこうの木にとまり
かさかさと葉を揺らします
嫁に来たての風の中
心細さに泣いてたら
”元気出さんね”と優しく
言ってくれたお義父さん
撒き風呂の火を煽る風
空に伸びてく白い湯気
湯加減を聞く懐かしい
声が心にこだまする
風の集まるこの場所は
愛した人が生きている
今も優しいほほえみを
風拍子に刻みながら
風になったお義父さん
また帰ってくるけんね
風拍子を刻みながら
風香・・
青く光る海を蹴り
白波立てて船は行く
髪をもてあそぶ潮風に
”ただいま！”
って頬ずりすれば
優しく優しく抱きしめてくれる
何もかもが懐かしい
らくだ島が見えたら
もう目の前にふるさと
ほら
港にたむろしている海鳥たちが
船を見つけてソワソワしてる
もうすぐ
歓迎のセレモニー始まるよ
到着の汽笛を合図に
翼を広げて輪になって
私達を迎えてくれるの
”お帰り！”って
今日から三日間
主人の故郷へ
おひさまが昇ったら
行ってきます
風香・・
今夜
御巣鷹山に星が降る
たくさんの
祈りを乗せた流れ星
忘れることのない
悲しみや思い出
すべて すべて
拾い集めて
今夜
御巣鷹山に星が降る
闘い抜いた翼に乗って
愛する家族のもとへ降り立つ光
忘れることのない
ぬくもりや思い出
すべて すべて
拾い集めて
今夜
御巣鷹山に星が降る
儚くも美しい
天の川となって
御巣鷹山で起きた
26年前の悲しみを
永遠に忘れることなく、
今夜も、
星空を見上げ
心を込めて祈ります。
風香・・
汗をかき
自転車こいで
坂をくだる父
振り向きざまに
白い歯見せて
母さんに手を振る
途切れた記憶
走る悲しみ
大切な人
すべて失くした
心に受けた傷が今も
あの八月を彷徨う
ボツボツと
燃える炎に
包まれた教会
崩れようとも
空を見上げ
祈りを捧ぐマリア
見なれた景色
変わりゆく町
大切なもの
すべて壊した
罪無き人を裁く光り
あの八月を彷徨う
老いてまだなお
癒えぬ辛さよ
慰めはただ
寄り添う鐘の音
今年もひとり平和を祈る
八月の空の下で
残るのは
褪せゆく思い出と
心の痛み
風香・・
ロンディーが目を覚ませば
ほら 世界が変わる
チクタックボンボンボン
時計は逆回り
ロンディーが歌を歌えば
ほら 地球が変わる
空にお魚
海にお星さま
君が願えば
きっと会えるさ
幸せの種まく
ふしぎな妖精
ロンディーディンドンドン
ロンディーディンドンドン
さぁ 手を合わせて
ロンディーがお腹すかせば
ほら 地球が変わる
雲はわたがし
雨はチョコレート
ロンディーがくち笛吹けば
ほら 世界が変わる
言葉はひとつ
世界もひとつ
君が願えば
きっと会えるさ
笑顔の種まく
ふしぎな妖精
ロンディーディンドンドン
ロンディーディンドンドン
さぁ ひとみ閉じて
ロンディーディンドンドン
ロンディーディンドンドン
さぁ 手を合わせて
妖精ロンディーは
あなたの純粋な心に
住んでいます
風香・・
