いつか何処かで

今日の散歩道

冬の想い出-その1-

2010年01月12日 05時09分20秒 | 日記

かさどり

 小さい頃、正月と言えば「旧正月」でした。

旧正月の頃に、大分前に消滅した「かさどり」または「かさおどり」と言う行事がありました。
年取りの夜(大晦日)だったと思います。
餅を入れたザルを、よその家の玄関に置いて、トントンと戸を叩きます。
すると、代わりにみかんとか手ぬぐい、餅、家によってはお金を入れて戻します。

それを、見つからないように持ち帰る行事です。
見つかると、水をかけられてしまうと教えられていました。
ごく限られた家では、見張っていて水をかけたり、怒鳴ったりします。
見つからないように、素早く逃げ帰るわけです。

一軒ごとに家に戻り、水をかけられなかったことの報告と、ザルの中を見せます。
「誰げでは白餅だわ。今度は誰々どんげさいってこ」などと言われ、組中を回りました。

白餅って、今では死語です。わかりますか?普通の餅です。
それとは別に、粉餅と言うのがありました。
当時大部分の家では粉餅でしたが、ごく一部の裕福な家では白餅があったのです。

それと成人式の人とか厄年の人は、その旨、紙に書いて入れます。
「二十歳男」とか「四拾二男」
すると、お祝いとして気を張った、お返しをするのが慣わしでした。
一緒に回りながら、羨ましく思ったものです。
子どもどうしで「あそこではえんぴつだと!行ってくっぺ」などと情報交換。

・・・こうして、10時頃まで、月明かりの夜道を歩き回った記憶があります・・・