昨日の夜 母に電話しました。


「どうやった?」
「お父さん… アルツハイマーやって。」
静かに話す母の声色に
夜だからなのか
気持ちからなのか
変に勘ぐってしまいました。
「…やっぱりなぁ。なんも無い訳ないから検査したんやけどなぁ。
アルツハイマーって…どんな風になるんだったっけ。」
あれだけ調べたのに
いざ病名がつくと
どんな風になるのかわからなくなって
漠然と病名からくる不安に包まれてしまいました。
「記憶がなくなるやつや。」
「あ、そうやったね。ごく最近の記憶からなくなっていくやつやったかな。」
「うん、検査結果の紙に色々書いてあるけどな、また明日見に来たらいい。」
☆。.:*・゜
その日の夜 変な夢をみた。
父 母 兄 私とオトとメープル 親戚のおじさんと一緒に車で出かけた夢。
小さな車にみんなぎゅうぎゅうで乗っていて、どこに向かうかはわからない。
夢の中で場面が変わり
部屋の中に小バエがいた。
仕方ないかなと夢の中で寝て
夢の中で目を覚ますと小バエが大量に増えていて
びっくりしてマバタキすると
小バエは一瞬にして蛾になり
私は寝室の窓をあけ…
すると一斉に窓から蛾が逃げていき
青空を飛んでいった…
☆。.:*・゜
支離滅裂な夢だったけれど、
確かに私は夢の中で泣いていた場面があった。
車のシーンから場面が変わるその時に
「お父さんが可哀想」って泣いていました。
夢からさめて、
先に目覚めていた夫に話しかけました。
「お父さん…アルツハイマーやってん」
夫は
「うん」とだけ返事をし 何も言ってくれませんでした。
「私らくらいの歳になってきたら、親も色々あるよな。みんな言わないだけで色々のりこえているよね。」
「うん」以外何にも言ってくれない夫。
朝からその後声を殺して1人泣きました。
『うん』以外…いえないよね。
私も逆の立場ならそうなってたと思う。

今朝、お父さんの検査結果の紙を見せてもらいました。
専門用語が羅列され全く読み取れませんでした。
携帯で写真をとり
帰ってからゆっくり読み解きました。
“
確実に認知症で治療する必要があるということ
大脳白質に脳梗塞の予備軍が沢山あるということ。
脳幹あたりにずっと前に出血した跡があること。
今現在は脳梗塞はみられないということ。
“
そんなことが書かれていました。
読み解けたから急いで母へ電話しました。
携帯の中から元気な母の声が聞こえてきました。
「 今なぁ、お父さんに私の髪を切ってもらってるねん。
お父さんが色々忘れんようになぁ!」
たくましく 明るい母の声が聞こえました。

そしてまた夢の中で思ったことを思い出しました。
そうだった。
泣きながら私は
お父さんに もっと優しくしなくちゃって思ったんだった